デンマークのコーバーグ・ベーカリー・グループ(Kohberg Bakery Group)は、完成したパンの個数を、コンベヤ上のカメラと物体検出で数える仕組みを入れています。実装はダノフィス IT(Danoffice IT)で、物体検出のYOLO(You Only Look Once)モデルを、エヌビディア・ジェットソン・オーリン NX(NVIDIA Jetson Orin NX)上で動かします。コーバーグはデンマーク最大級の家族経営ベーカリーで、従業員は約500人、パンの種類も多いです。
現場が困っていたのは、日次の完成数を信じられないことでした。総合設備効率(OEE)の集計にも光センサやレーダを使っていましたが、ずれが大きかった、とIT責任者のミカエル・ケア(Michael Kjær)氏は言います。光センサは焼き型のトレイと生地を区別できず、レーダは製品ごとにプログラムが要り、つまみで品種を切り替える必要がありました。パルスを入出力モジュールでモドバス/TCP(Modbus/TCP)へ変換する構成で、コンベヤ位置が少しずれると数え損ねました。切断直後に生地が欠けていても、センサ側は「ある」前提で過大に数えることもありました。
新しい案は、画像で物を認識する技術(コンピュータビジョン)でパンを認識して数えます。1台のカメラで足りる方針をコスト面の利点としつつ、構成としてはジェットソン・オーリン NX、防水のネットワークカメラ(IPカメラ)2台、YOLOモデルを挙げます。処理はソフトをまとめて動かす実行環境(コンテナ)に載せ、既存のモドバス産業アプリへ結果を流し、追加の操作画面は置きません。多様なパンで学習し、人手の数え直しを減らすのが狙いです。
新しいパンの形(SKU)への備えとして、最初のデータにない形でも数えやすくする工夫があります。コンベヤ上の「動いている物」に焦点を当てて学ぶ方針で、季節のバンのように初めての形でも拾いやすくします。光センサやレーダの再プログラムから解放され、カメラがバンや他のパンを見て数えるようになりました。現行のAI案は複雑さが下がり、従来よりコスト効率が良い、とケア氏は続けます。初期の計算機は高いがカメラは安く、コンベヤが10cmずれても再設定が要りません。
カメラ監視への不安には、用途が製品の計数と品質管理であり、人の監視ではないと伝えています。日次の生産数は信じられるようになりました。品質検査(手作り風のばらつきの判定)は次の段階として触れられていますが、完成品の計数が主題です。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 従業員約500人、多品種パンの家族経営ベーカリー(Danoffice IT) | 拠点別のライン本数とSKU数の一覧 |
| 光センサ/レーダではトレイと生地の混同、品種ごとの再プログラム、位置ずれ欠測(IT責任者コメント) | 過大計数・欠測の実測誤差% |
| YOLO+ジェットソン・オーリン NX+防水IPカメラ。単カメラ方針と2台記載あり(同) | 本番ラインでのカメラ台数の確定図 |
| 既存モドバス産業アプリへ統合、追加UIなし(同) | モドバス電文とOEE側の突合ログ |
| 移動物体焦点で新形状対応。「コスト効率が良い」「数字への信頼」と定性コメント(同) | 精度%・削減金額の監査済み数値 |
日用品や部品の多品種コンベヤで、光センサの感度設定や品種つまみが追いつかない組立・包装の現場では、ラインのそばで計算する装置(エッジ)の物体検出で個数だけを出し、いまの産業バス経由で設備効率や在庫計画の入力を直す使い方ができます。
品種ごとにレーダを組み直す代わりに、カメラで動いている物を拾って個数だけ出し、いま使っている産業バスの集計へ渡します。初めての形でも、動く物として学ぶ方針で切り替えの手間を抑えます。