◀︎ AI NEWS 一覧へ

ChatGPTの学習モードで日常を学びの機会に!NotebookLMとの使い分けも解説

2026.01.16
ChatGPTの学習モードで日常を学びの機会に!NotebookLMとの使い分けも解説

OpenAIは2025年7月29日、ChatGPTに「学習モード(Study mode)」を追加しました。
これは「英語を学びたい」とか、「資格取得のために勉強したい」などといった目的に応じてChatGPTが学習をサポートしてくれるモードです。

一方で、何か具体的な学習目標がない場合は使う機会がイメージできないかもしれません。しかし、この学習モードは、実は様々なことに応用できる可能性を秘めています。

というのも、学習モードの本質は「すぐに答えを教えない」ことにあります。生成AIを学習に活用したいと思った時に困るのが、「なんでも先回りして答えを教えようとする」ことではないでしょうか。学習モードでは、1つの物事を理解するために専用の学習計画を立て、考え方や進め方などヒントを与えながら自分で答えにたどり着けるようにサポートしてくれます。

この性質を応用すれば、ちょっとした調べものや、経験のない仕事に取り組む場合など、あらゆることを「一歩踏み込んだ学びを得るチャンス」に変えることができるのです。

本稿では、そんな学習モードの応用的な活用方法や、同じく学習用途で効果的だとされるGoogleのNotebookLMとの使い分けについて紹介します。

従来の学習方法の課題:費用の高さと制限の多さ

何かを体系的に学ぼうとするとき、まずはWeb検索して情報を探したり、従来は専門書を購入して読んだりするところから始めるのではないでしょうか。また、近年ではWeb検索の代わりにChatGPTなどの生成AIチャットで質問したり、検索したりする機会が増えているかもしれません。

しかし、Web検索では情報が分散されていて体系的な学びを得るのが難しいですし、専門書は前提知識が必要で難易度が高い場合があります。生成AIも、質問すれば回答を出力してはくれるものの、体系的な学びに活用することは難しいと感じることが多いでしょう。

このように、独学では不安がある場合には、スクールに入ったり、フリーランスのメンターなどの専門家に教わることが有効な選択肢でした。しかし、人に教わる場合にも、次のような4つの悩みがあります。

費用の問題

スクールは一般的に数十万円程度の受講料を用意する必要があるため、支払った金額に見合う学びが得られるか、という不安があります。フリーランスのメンターの場合もスクールほど高額ではないケースが多いですが、学習したい内容や支払う報酬の交渉も必要で、気軽に利用しにくい面があります。

学べる範囲が限定される

スクールやフリーランスのメンターは、教えられる範囲が決まっているため、その範囲を超える内容については質疑応答できない場合が多いでしょう。

タイムラグがある

スクールやメンターは人間が対応するため、チャットやメールなどで質問を送ったとしても、回答には時間を要する場合があります。特に休日や夜間はリアルタイムで回答を貰えないことが多くなるため、「今すぐやり取りしたい」と思っても難しい場合があります。

相性と心理的安全性の問題

一般的に、スクールでは決められたカリキュラムをこなすことになります。自分の性格や理解度に対応した専用のカリキュラムや、教え方を希望することは難しいでしょう。講師やカリキュラムとの相性が悪いと、学ぶことがストレスに感じたり、挫折してしまう場合もあります。

カリキュラムの品質や講師の評判は口コミなどでもある程度確認できますが、評判が良かったからといって自分にとっても相性が良いとは限りません。フリーランスのメンターの場合は相談次第でカリキュラムをカスタマイズできる場合がありますが、メンターとの相性の問題は残ります。

総じて、専門家から学べる機会は非常に価値があるのですが、気軽になんでも学びの機会に変えるということは難しいと言えるでしょう。

学習モードのメリット:自分専属の家庭教師を雇える

ChatGPTの学習モードを活用すれば、従来の学習方法の4つの課題を克服できる可能性があります。

ChatGPTの有料プランを契約していれば、追加の費用がかからない

学習モードを利用するにはChatGPT Plusなどの有料プランを契約する必要があるため、月額料金が発生します。しかし、もともと有料プランを契約して日常的にAIを使用している場合には、追加の費用なしに利用できるということでもあります。この経済的なメリットは、気軽に学びの機会を作る上で重要と言えるでしょう。

学びたいことを自由に選べる

英語や資格の勉強をするのも、知らない単語を調べて深堀りするのも、未経験の仕事の進め方を考えるのでも、学びたいすべてのことにコーチをつけることができるようになります。もちろん、専門的な知識や経験に基づくアドバイスは専門家に及ばないことがありますが、この自由度の高さは大きな魅力と言えるでしょう。

24時間365日対応でタイムラグがない

リアルタイムに回答が得られるようになり、つまづきの解決がスムーズになります。ChatGPTはインターネットに繋がる環境であれば、24時間365日、いつでも質問できますし、質問に対してすぐにリアクションをしてくれます。この応答のリアルタイム性も、大きな魅力です。

自分に合わせてカスタマイズしてくれる

過去の会話履歴や、プロンプトで伝えた自分の性格、学びたいことに対する理解度、希望する学習の進め方などをもとに、専用の学習計画を組んでくれますし、文章のニュアンスも好みのスタイルに変えることが可能です。もちろん、すべてが完璧に好みに合致するということは難しいかもしれませんが、ある程度カスタマイズできる点は魅力と言えるでしょう。

「理解しきれなかったけど、同じ質問をしたら申し訳ない…」とか、「このレベルの質問をしたらガッカリされるかも…」など、人間相手では気を遣ってしまうことでも、AI相手であれば質問しやすい、というのもポイントです。

学習モードの注意点:あくまで表面的な知識で、経験に基づくものではない

ChatGPTの学習モードには多くのメリットがありますが、万能というわけではありません。

ChatGPTは専門家ではないため、学習モードで教えてくれる知識が古かったり、間違っている可能性があります。生成AIの出力はあくまで、事前学習したデータやWeb検索やアップロードしたファイルから参照したデータをもとにしているためです。そのため、ChatGPTの学習モードのみで学習しようとするのではなく、専門書などの確度の高い情報を参照しながら併用するのが効果的です。

NotebookLMとの違い:「すぐに答えを出さない」ことが強み

学習に活用できる生成AIサービスと言えば、GoogleのNotebookLMが候補に挙がるのではないでしょうか。

NotebookLMはアップロードしたファイルや参照するURLなどをソースとして指定しておくことで、ソースの内容をベースに会話したり、ボタン1つでスライドや音声解説など別の角度から理解しやすい資料を作成してもらうことができます。

一方で、ChatGPTの学習モードはファイルの添付やURLの指定をすることで参照をさせることはできますがNotebookLMほど紐づけが強くないため、会話が長く続くほど参照が外れる可能性があります。また、資料作成のUIは備えていないので、NotebookLMと同じように資料を作成してもらうためには工夫と試行錯誤が必要になるでしょう。

ChatGPTの学習モードの独自の魅力は前述の通り「答えをすぐに出さない」ことにあります。NotebookLMは多機能かつ資料と強力に連携できるため学習において優秀なサービスだと言えますが、従来のAIと同じく回答や結論を出力するため、段階的な理解には向かない場合があるのです。

これらは強みが異なる機能なので、どちらか一方を選んで使うというよりも、併用することでより効果的な学習が可能になります。たとえば、NotebookLMで元資料を読み込んでスライドや音声解説動画などの視聴覚資料を作成して雰囲気をつかみ、ChatGPTの学習モードで段階的な学習計画を立て、継続的に学習を進める。そしてある程度理解が進んだらNotebookLMで元資料の深い読み込みをする。といった使い方が考えられます。

学習モードの活用シーン①:調べものを一歩踏み込んだ学びに変える

気になるワードを見つけたら、とりあえずブラウザでWeb検索してみることは多いでしょう。検索結果に表示される記事の内容にさっと目を通して、概要を読み取ったら閉じて、別の作業に移る。

これだけでもある程度の情報収集になりますが、人間の記憶は「思い出そうとする」ときに最も定着しやすくなると言われており、目を通しただけの情報は時間が経てば忘れてしまうものです。そのため、必要になったときには「どこかで見たような気はするけど、思い出せない」となりがちです。

もちろん、すべての物事を深堀りして覚えておくことは現実的ではありません。しかし、自分の仕事やプライベートに関係の深そうな物事だけでも一歩踏み込んで理解しておくと、引き出しを増やすことができます。

そこで、時間に余裕があるときは、ChatGPTの学習モードを活用してみましょう。具体的な手順は次の通りです。

まず、Web検索で気になるワードを検索します。次に、検索結果に表示された記事を確認して、最も内容が濃いものをピックアップします。そして、ChatGPTの学習モードを有効にした状態で、参照するURLと、知りたいことや疑問点などを伝えてみましょう。

すると、その疑問を理解するために必要な前提知識や質疑応答を通して、段階的に理解するためのステップを踏んで伴走してくれます。考えてアウトプットするという作業を伴うだけで、単に記事に目を通すだけよりも、記憶に定着しやすくなります。

学習モードの活用シーン②:経験の少ない仕事を素早く習得する

経験の少ない仕事に取り組む時は、マニュアルを読み込んだり、上司や先輩に指示や指摘を受けながら進めることが多いでしょう。しかし、マニュアルが整備されていても、それを読み解くには前提知識や経験が必要な場合がありますし、上司や先輩はそれぞれ自分の仕事の合間に対応するものなので、付きっきりで指導するという訳にはいきません。経験が浅い状態で自力で理解できる範囲にはどうしても限界があるので、失敗を繰り返しながら経験を積み重ねていくことになります。

そこで、ここではChatGPTの学習モードを活用して仕事の進め方を素早く習得する方法を紹介します。まず、「仕事の概要」を作成します。これは、仕事のマニュアルや手順、上司・先輩からの指示をまとめたものです。次に、ChatGPTの学習モードを有効にした状態で、「仕事の概要」と、自分が理解しきれていない用語などの知識や、仕事の進め方、先輩や上司に聞きたいと思っていて聞けないこと、などを伝えてみましょう。

すると、あなたの疑問を解決するための考え方や前提知識、上司や先輩の指摘に対する捉え方など、一人で考え込むよりも多くの気づきが得られるようにサポートしてくれるでしょう。

仕事で活用する際の注意

社内の機密情報や個人情報などを入力しないよう、必ずデータを抽象化してから行うようにしましょう。たとえば、個人名やプロジェクト名などの固有名詞は仮名に変更したり、電話番号を存在しない架空の番号に変えたりなど、最大限配慮することが重要です。

まとめ:ChatGPTの学習モードであらゆることを学びのチャンスに!

ChatGPTの学習モードは、「すぐに答えを出さない」という性質によって、調べものや仕事など、日常のあらゆる物事を一歩踏み込んだ学びの機会に変えることができます。

一方で、学習モードは専門家ではなく、経験に基づく生きた情報を得られない側面があるため、専門書や専門家の確かな知識を参照することも重要です。

これからの学びの価値を高める機能ですので、ぜひ積極的に活用してみてください。

参考

  • OpenAI「学習モードが登場」
    https://openai.com/ja-JP/index/chatgpt-study-mode/