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フランスのパン屋ボ・エ・ミ。チャットGPTで仕込計算をスプレッドシートに渡した

2026.09.09
フランスのパン屋ボ・エ・ミ。チャットGPTで仕込計算をスプレッドシートに渡した

フランスのパン屋「ボ・エ・ミ(Bo&Mie)」は、毎日の仕込み量をチャットGPT(ChatGPT)とグーグル(Google)スプレッドシートで決めています。業界紙『ラ・トリビューン・デ・ブーランジェ=パティシエ(La Tribune des Boulangers-Pâtissiers)』(2024年3月22日)が、共同創業者のジャン=フランソワ・バンデ(Jean-François Bandet)氏に聞いています。

中心は、売れ残りと欠品を同じ数字の流れで減らす設計です。高い専用ソフトをすぐ買う代わりに、いまの表計算へチャットGPTで計算の仕組みを足しました。

何が起きたか

ボ・エ・ミは2017年に始まりました。取材時点ではパリ4店、バルセロナ1店の計5店です。店はカフェに近く、商品は自家製です。

パン屋では、発注・在庫・焼く量が毎日発生します。店が分かれると、表で数字を追う必要も増えます。バンデ氏は次のように話します。チームはもともとグーグルスプレッドシートを使っていました。複雑な数式が多く、運用が重くなっていました。そこでチャットGPTに、人が普通の言葉で「こう計算したい」と伝え、スプレッドシート用のスクリプト(自動で動く計算の手順)を書いてもらいました。プログラミングの専門家でなくても進められた、とも話します。無料で使える範囲も含め、「手作りの計算」と「専用ソフト」のあいだのやり方だ、という説明です。

何が変わったか

各店はもともと、その日の生産、閉店時の残り、商品ごとの売り切れ時刻を、2週間ぶん表で見ていました。ショーケースの商品は約150種類でした。

バンデ氏によると、チャットGPTで作った仕組みで、5店のデータから毎日の生産予測を自動化しました。クリスマスやイースターなど特別な日は、人が数字を見直します。普段はおよそ95%まで自動で回り、担当は2人です。人手だけなら4人は必要だった、と説明しています。

本人の説明では、使い始めて約1か月後、閉店時の売れ残り在庫は平均25%減り、店頭の欠品は15%減りました。2023年には約7200万円(約45万ユーロ。おおよそ1ユーロ=160円)の節約になり、売上の約3%にあたる、といいます。この余裕が、スタッフ向けの余力や新しい工房への投資につながった、と本人は話します。

ほかにもチャットGPTを使い、生産指示をグラム単位で各部門へ送ったり、就業規則のたたき台、口コミへの返信案、職務の説明文を作ったりしています。ただし本人は注意もしています。「時間は節約できる。機械なので、必ず人が確認する」。

誰に関係するか

売れ残りと欠品を同時に減らし、散らばった表計算を一本化する必要がある現場でも使えます。

  • 生花店→閉店時の残りと翌日発注を表に残し、汎用AIに発注式を作らせる
  • 給食センター→アレルギー食の日次必要数を表計算化する
  • クリニックの検査キット→使用実績と欠品を同じ表で見る

毎日の売れ行きと閉店時の残りをまず表に残し、汎用AIに翌日の仕込量の計算やスクリプト案を作らせます。特別な日やおかしい数字は人が直し、売れ残りと欠品を同じ数字の流れで見ます。

主張と、確認できていないこと

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
約1か月後、売れ残り平均25%減・欠品15%減(共同創業者インタビュー) 第三者の再測定
2023年の節約を約7200万円(売上の約3%)と説明 集計期間・内訳の厳密な切り方
普段は約95%自動、担当2人(人手なら4人、との説明) 計測条件の独立確認
当時5店・約150商品

約7200万円は、「2023年の売上に対する約3%」として語られています。導入後1か月だけの効果、とは書いていません。『ラ・トック(La Toque)』など別の媒体は、リンクトイン(LinkedIn)の発信を紹介し、商品説明文や発注メールなどほかの自動化にも触れます。本稿の中心は、業界紙インタビューで確認できた「仕込予測のスプレッドシート自動化」です。

まとめ

ボ・エ・ミの中心は、売れ残りと欠品を同時に減らすため、汎用のチャットGPTで表計算の仕組みを組み立てた点です。小さな店へ写すなら、毎日の数字を表に残し、計算の組み立てをAIに助けてもらい、人は例外だけ直します。

参考文献

  • ChatGPT, un outil d’aide à la gestion opérationnelle des boulangeries Bo&Mie(La Tribune des Boulangers-Pâtissiers、Anaïs Digonnet、2024-03-22)、https://tribunedesboulangerspatissiers.fr/chatgpt-un-outil-daide-a-la-gestion-operationnelledes-boulangeries-bomie/ 、確認日 2026-09-08
  • IA : un vent de modernité souffle sur la boulangerie(La Toque、Bo&MieのLinkedIn発信紹介)、https://www.latoque.fr/gestion/article/864017/ia-un-vent-de-modernite-souffle-sur-la-boulangerie 、確認日 2026-09-08(本稿の中心数値は業界紙インタビューを優先)

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)