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オランダの宿ステレンベルク。定型のゲストメッセージを先に自動処理した

2026.09.09
オランダの宿ステレンベルク。定型のゲストメッセージを先に自動処理した

オランダの自然公園エリア・フェルウェ(Veluwe)にある4つ星の宿「ステレンベルク(Hotel de Sterrenberg)」は、ゲストからのメッセージ対応にAIを使っています。ベンダー「ランナー(Runnr.ai)」の事例記事(2026年5月19日)が、支配人のリゼット・ボム(Liset Bom)氏の話とともに結果を紹介しています。

中心は、定型を先に処理し、人は対面とていねいな相談に残す設計です。同じ質問への返信が、対面の時間を食っていました。

何が起きたか

ランナーの事例(2026年5月19日)は、支配人ボム氏の話とともに次のように紹介しています。この宿は、森の中で休みたい人向けのブティックホテルです。ウェルネスや自然を楽しむ体験もあります。

フロントは、同じ質問への返信に追われていました。返信が遅れ、本当に必要な会話の時間が減ります。空き時間があっても、予約システムの入力など事務が残ります。

ボム氏は、よくある質問と繰り返し作業を早く片付けたい、と依頼しました。オンラインですぐ答え、そのぶん現場でゲストに向き合いたい、という狙いです。

何が変わったか

2025年5月から、ランナーを使っています。役割は次のとおりです。

  • 滞在前・滞在中に、案内を先に送る
  • ワッツアップ(WhatsApp)、予約サイト(OTA)の受信箱、メールなどへ来る定型のゲストメッセージに、自動で返す(24時間)
  • あいさつ、よくある質問、追加サービスの申し込みなども含む

AIの返し方は、宿の言い方と既存の知識、さらに予約管理システム(PMS)のミューズ(Mews)にある予約内容を使います。レストラン予約のゼンシェフ(Zenchef)とつなぎ、ワッツアップなどからの席予約をシステムに入れます。人の手が必要な内容や、答えられない内容は人へ渡します。スタッフは知識をいつでも更新できます。

結果として語られていること

  • 受信メッセージの約90%を自動応答(24時間)
  • フロントの追加採用1人分の業務量をカバーした/追加の正社員採用を避けた、という説明
  • ゲストの10人中9人が、ワッツアップで滞在の事前案内を受け取った
  • 追加販売(アップセル。朝食の追加や食事予約など)で、客室あたり平均で月約1.2万円(約75ユーロ。おおよそ1ユーロ=160円)の追加売上

ボム氏は、口コミに「ワッツアップでつながりやすい」「良い答えが来る」といった反応が見える、と話します。事例はトリップアドバイザー(TripAdvisor)の口コミ例も載せていますが、本稿では口コミ全体の集計は検証していません。

誰に関係するか

予約前後の定型問い合わせが対面の時間を食う現場でも使えます。

  • 歯科→初診前のアクセス・持ち物をLINEで先出しし、複雑な症状相談だけ受付へ
  • 自動車整備→車検予約の必要書類FAQを自動返し、見積相談は人へ
  • 学習塾→保護者の時間割・休講の定型をボット、進路相談は人

よくある質問と案内を先に知識へまとめ、LINEなどいま客が使うチャットで事前案内と定型応答をします。人の手が必要な相談は人へ渡し、追加販売は長いメニューの押しつけではなく、必要なタイミングの短い案内に限ります。

主張と、確認できていないこと

主ソースはランナーの顧客事例です。数字はベンダーと支配人の説明であり、第三者の再測定はありません。

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
定型のゲストメッセージを自動応答(24時間) 第三者の再測定(割合の独立確認も含む)
追加の正社員採用を避けた/1人分の業務をカバー、との説明 計測条件の独立確認
ゲストの10人中9人がワッツアップ事前案内 口コミ全体の定量
アップセルで客室あたり月約1.2万円 同上
2025年5月導入

転用時は、日本のLINE運用・個人情報・旅館業法など、自国ルールの確認が別途必要です。

まとめ

ステレンベルクの中心は、定型を先に片づけ、人は対面とていねいな相談に残す設計です。小さな宿へ写すなら、定型と人を切り分け、人は対面とていねいな相談に残します。

参考文献

  • How Hotel de Sterrenberg saves one FTE and earns €75+ extra per room(Runnr.ai、Michiel de Vor、2026-05-19)、https://runnr.ai/case-studies/hotel-de-sterrenberg-veluwe 、確認日 2026-09-08

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)