アフリカのマラウイで、小さな農家向けの相談AI「ウランジジAI(UlangiziAI)」が使われています。 作ったのはNGOのオポチュニティ・インターナショナル(Opportunity International)です。 技術ではグーイー・エーアイ(Gooey.AI)と組んでいます。 エヌビディア(NVIDIA)の技術ブログ(2024年9月27日)が、仕組みと初期の結果を紹介しています。
届け方の中心は、いま使うチャット、現地の言葉、公式の農業マニュアルを根拠にすること、スマホを持つ案内役が間に入ること、のセットです。
エヌビディアの技術ブログ(2024年9月27日)は次のように紹介します。マラウイでは、多くの人が田舎に住み、農業に関わっています。1日あたりおよそ300円(およそ2ドル。おおよそ1ドル=150円)で暮らす人が多い、とあります。人口の8割超が田舎や遠くの村に住み、およそ4人に3人が農場で働くか、農場を持ちます。
政府の農業相談窓口は、いつも開いているとは限りません。約16キロ以上(10マイル以上。記事の換算)歩いたのに閉まっている、という話もあります。読み書きが難しい人もいます。人口のおよそ3割は読み書きができません。
ウランジジは、現地語チチェワ(Chichewa)で「助言」「相談」にあたる言葉です。2024年2月から、ワッツアップ(WhatsApp。日本のLINEに近いチャットアプリ)で使えます。スマホを持たない農家も多いため、オポチュニティ・インターナショナルは現地の案内役を置きます。案内役は、スマホを持つ現地の手伝い役です。研修を受け、村の農家がウランジジAIを使えるよう手伝います。
農家は、文字、音声メモ、写真で質問できます。英語かチチェワで答えが返り、文字でも音声でも返せます。作物や害虫の写真も扱えます。
答えの作り方は次のとおりです。まず質問を整理し、次にマラウイ農業省の『Guide to Agriculture Production Manual』(約450ページ)から関係する箇所を探します。検索してから答える仕組みで、これをRAG(関連資料を探してから答える仕組み)と呼びます。最後に英語かチチェワで返し、各回答には根拠への引用とリンクが付きます。
開発に関わったポール・エッセネ(Paul Essene)氏のコメントが載っています。初期3か月の試験で、英語とチチェワあわせて4000件超の質問が来た、といいます。重要な農業の助言を得る時間を、日単位から秒単位へ縮めた、とも説明しています。農家の評価は高い、という記述もあります。点数の詳細は本稿では扱いません。
収量など効果の数字は、このエヌビディア記事にはありません。第三者の再測定もありません。
専門家が足りず、端末や読み書きの壁があり、公式の手引きと現場の質問が分断している現場でも使えます。
国や業界の公式な手引きを答えの根拠にし、LINEなどいま使うチャットで受け取ります。文字だけでなく音声と写真も受けられるようにし、最初は案内役が端末を仲介して、読み書きや端末の壁を下げます。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 初期3か月で英語・チチェワあわせて4000件超の質問(当事者コメント) | 収量・所得への効果 |
| 重要な助言を得る時間を日単位から秒単位へ、との説明 | 計測条件の独立確認 |
| 農業省マニュアル約450ページを根拠にし、引用・リンク付き | — |
| 案内役がスマホを仲介 | — |
主ソースはエヌビディアの技術ブログです。マイクロソフト(Microsoft)の顧客事例や後年の報道には、利用者数の拡大など別の数字もありますが、本稿はエヌビディア記事で確認できた初期の設計と試験運用の数字に限ります。後年の拡大数字・ケニア展開は本稿の対象外です。
小さな農家へ写すなら、国や業界の公式な手引きを答えの根拠にし、案内役が端末を仲介して、文字・音声・写真の相談をチャットで受けます。