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ポーランドの石材加工。見積のばらつきを一つの価格表に寄せたこと

2026.09.11
ポーランドの石材加工。見積のばらつきを一つの価格表に寄せたこと

ポーランドの石材加工会社「グルパ・クレス(GRUPA KRES sp. z o.o.)」は、問い合わせから見積までの流れを、ベンダー「アルゴルコンプ(ALGORCOMP)」が作った専用システムで回しています。アルゴルコンプの事例ページ(英語・ポーランド語)が、この導入を紹介しています。

電話・ウェブ・メール・ワッツアップ(WhatsApp)の問い合わせを項目に落とし、現在の材料価格表と過去の注文から下書き見積を出し、人が送る前に一度検算します。同じ案件が担当者ごとに違う値段になる状態を、一つの価格表に寄せています。

何が起きたか

アルゴルコンプの事例ページの説明では、グルパ・クレスは石材の加工を手がける会社です。チームは約20人、月に約100件の受注を扱います。問い合わせ(電話・サイトのフォーム・メール)、現地採寸、見積、承認、加工、検査、輸送、設置、最終書類まで、工程は複数あります。以前は、これらの工程が6つの道具に分かれていました。固定電話、受付の紙ノート、計算用の表計算、グーグルカレンダー(Google Calendar)、現場の紙、会計の請求です。

待ちも長かったです。問い合わせは別々の人に入り、採寸は2人のどちらかの予定に依存し、材料価格を知る特定の人の空きを待ってから計算していました。問い合わせから見積までの平均は5日(指標では5〜7日とも表記)でした。5日のあいだに競合へ流れることもありました。

価格のばらつきも課題でした。例として、磨いた花崗岩の天板240×60センチメートルを、担当者ごとに違う値段で出していました。各自が自分版の価格表と自分の粗利感で計算していたため、安すぎて粗利を落としたり、高すぎて客が離れたりしました。専用の見積担当を増やさずに、見積のやり方をそろえたい、というのが経営側の意図でした。

何が変わったか

アルゴルコンプは、オープンAI(OpenAI)のGPT-4oを組み込んだ専用アプリを作りました。期間は14週間です。最初の約3週間は、経営・受付・採寸・見積・技術・設置など各役割とのワークショップと、過去注文200件の調査です。ここで工程地図(9段階・6役割)と、価格の知識ベース(石材320種、エッジ仕上げ18種、表面仕上げ12種、設置を含む計算式)ができました。その後約9週間で本体を作り、最後の約2週間で段階的な本番移行をしました。

GPT-4oは、電話の文字起こし・フォーム・メール・ワッツアップの問い合わせから製品の種類・寸法・材料・仕上げなどの項目を抜き出し、過去注文と現在の材料価格表から下書き見積を出し、範囲と納期付きの見積PDFを作ります。人が送る前に、見積担当が必ず検算する運用です。移行の最初の週は、古いやり方と新システムを並行し、AIの見積はすべて人が確認しました。翌週は新システムを主、古い方を予備に切り替え、その後は新システム中心に移しました。

アプリ側では、受付の一日の流れ、採寸カレンダー、加工の待ち行列、設置スケジュールの画面があり、設置担当向けの写真記録用モバイルもあります。客は確認メールのリンクから、自分の注文の進み具合を見られます。

事例が公表する数字は次のとおりです。

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
問い合わせから見積まで、平均5日から1日へ(指標では5〜7日からとも表記) 測定期間・件数の定義、第三者の再測定
導入後6か月で受注あたりの粗利が平均6ポイント上昇 比較の前提、会計監査
導入後最初の四半期で顧客NPS(すすめたくなる度合いの指標)が28ポイント上昇 調査方法・回答数
導入後に失った受注は0件(指標表示) 「失注」の定義と集計範囲
プロジェクト期間は14週間 —(ベンダーの工程説明)
過去注文200件の調査、石材320種・エッジ18種・表面12種の知識ベース 公開データでの独立確認

経営者のコメントとして、受注件数そのものより、同じ約20人のチームがバインダーを探す時間を減らし、客と話す時間に回せるようになった、という趣旨が載っています。

誰に関係するか

オーダーカーテン、オーダー家具、歯科技工、眼鏡フレームの特注、看板製作でも、見積が担当者ごとに違い、問い合わせから返事まで日が空くことがあります。

問い合わせを項目に落とし、単一の価格表と過去注文から下書き見積を出し、人が送る前に一度検算します。材料と仕上げの組み合わせが多く、見積が人の経験に寄りやすい現場でも、この手順が使えます。

主張と、確認できていないこと

数字の出所は、アルゴルコンプの事例ページ(英語版とポーランド語版)です。上表のとおり、いずれもベンダー説明として記録します。

アルゴルコンプは自社製品・自社導入の紹介です。

まとめ

問い合わせを項目に落とし、一つの価格表と過去注文から下書きを出し、人は送る前に検算します。

参考文献

  • Custom AI-powered system for GRUPA KRES — 100 orders a month in one pipeline(ALGORCOMP Case Study、英語)、https://www.algorcomp.pl/en/case-studies/system-ai-grupa-kres-kamieniarska 、確認日 2026-09-10
  • Dedykowany system z AI dla GRUPA KRES — 100 zamówień miesięcznie w jednym pipeline(ALGORCOMP Case Study、ポーランド語)、https://www.algorcomp.pl/case-studies/system-ai-grupa-kres-kamieniarska 、確認日 2026-09-10

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)