ポーランドの石材加工会社「グルパ・クレス(GRUPA KRES sp. z o.o.)」は、問い合わせから見積までの流れを、ベンダー「アルゴルコンプ(ALGORCOMP)」が作った専用システムで回しています。アルゴルコンプの事例ページ(英語・ポーランド語)が、この導入を紹介しています。
電話・ウェブ・メール・ワッツアップ(WhatsApp)の問い合わせを項目に落とし、現在の材料価格表と過去の注文から下書き見積を出し、人が送る前に一度検算します。同じ案件が担当者ごとに違う値段になる状態を、一つの価格表に寄せています。
アルゴルコンプの事例ページの説明では、グルパ・クレスは石材の加工を手がける会社です。チームは約20人、月に約100件の受注を扱います。問い合わせ(電話・サイトのフォーム・メール)、現地採寸、見積、承認、加工、検査、輸送、設置、最終書類まで、工程は複数あります。以前は、これらの工程が6つの道具に分かれていました。固定電話、受付の紙ノート、計算用の表計算、グーグルカレンダー(Google Calendar)、現場の紙、会計の請求です。
待ちも長かったです。問い合わせは別々の人に入り、採寸は2人のどちらかの予定に依存し、材料価格を知る特定の人の空きを待ってから計算していました。問い合わせから見積までの平均は5日(指標では5〜7日とも表記)でした。5日のあいだに競合へ流れることもありました。
価格のばらつきも課題でした。例として、磨いた花崗岩の天板240×60センチメートルを、担当者ごとに違う値段で出していました。各自が自分版の価格表と自分の粗利感で計算していたため、安すぎて粗利を落としたり、高すぎて客が離れたりしました。専用の見積担当を増やさずに、見積のやり方をそろえたい、というのが経営側の意図でした。
アルゴルコンプは、オープンAI(OpenAI)のGPT-4oを組み込んだ専用アプリを作りました。期間は14週間です。最初の約3週間は、経営・受付・採寸・見積・技術・設置など各役割とのワークショップと、過去注文200件の調査です。ここで工程地図(9段階・6役割)と、価格の知識ベース(石材320種、エッジ仕上げ18種、表面仕上げ12種、設置を含む計算式)ができました。その後約9週間で本体を作り、最後の約2週間で段階的な本番移行をしました。
GPT-4oは、電話の文字起こし・フォーム・メール・ワッツアップの問い合わせから製品の種類・寸法・材料・仕上げなどの項目を抜き出し、過去注文と現在の材料価格表から下書き見積を出し、範囲と納期付きの見積PDFを作ります。人が送る前に、見積担当が必ず検算する運用です。移行の最初の週は、古いやり方と新システムを並行し、AIの見積はすべて人が確認しました。翌週は新システムを主、古い方を予備に切り替え、その後は新システム中心に移しました。
アプリ側では、受付の一日の流れ、採寸カレンダー、加工の待ち行列、設置スケジュールの画面があり、設置担当向けの写真記録用モバイルもあります。客は確認メールのリンクから、自分の注文の進み具合を見られます。
事例が公表する数字は次のとおりです。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 問い合わせから見積まで、平均5日から1日へ(指標では5〜7日からとも表記) | 測定期間・件数の定義、第三者の再測定 |
| 導入後6か月で受注あたりの粗利が平均6ポイント上昇 | 比較の前提、会計監査 |
| 導入後最初の四半期で顧客NPS(すすめたくなる度合いの指標)が28ポイント上昇 | 調査方法・回答数 |
| 導入後に失った受注は0件(指標表示) | 「失注」の定義と集計範囲 |
| プロジェクト期間は14週間 | —(ベンダーの工程説明) |
| 過去注文200件の調査、石材320種・エッジ18種・表面12種の知識ベース | 公開データでの独立確認 |
経営者のコメントとして、受注件数そのものより、同じ約20人のチームがバインダーを探す時間を減らし、客と話す時間に回せるようになった、という趣旨が載っています。
オーダーカーテン、オーダー家具、歯科技工、眼鏡フレームの特注、看板製作でも、見積が担当者ごとに違い、問い合わせから返事まで日が空くことがあります。
問い合わせを項目に落とし、単一の価格表と過去注文から下書き見積を出し、人が送る前に一度検算します。材料と仕上げの組み合わせが多く、見積が人の経験に寄りやすい現場でも、この手順が使えます。
数字の出所は、アルゴルコンプの事例ページ(英語版とポーランド語版)です。上表のとおり、いずれもベンダー説明として記録します。
アルゴルコンプは自社製品・自社導入の紹介です。
問い合わせを項目に落とし、一つの価格表と過去注文から下書きを出し、人は送る前に検算します。