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ウルグアイのガナーデルIA。ドローン映像で頭数と体重を先に見積もる

2026.09.10
ウルグアイのガナーデルIA。ドローン映像で頭数と体重を先に見積もる

ウルグアイ発のスタートアップ「ガナーデルIA(Ganader-IA)」は、ドローン映像とAIで牛の頭数と体重を見積もるサービスを出しています。ヴァロール・インターナショナル(Valor International)/グローボ・ルーラル(Globo Rural)のマルコス・ファンティン(Marcos Fantin)氏の記事(2025年9月23日)が、事業開発マネジャーのエリック・ワンサート(Erik Wansart)氏の説明を伝えています。

ドローン映像から頭数と体重の見積もりを出し、寄せ集め(arrea)の回数とストレスを減らします。牧場側はドローンを持ち、映像を撮ります。ソフトが群れを分析し、頭数を数え、体重を推定します。

何が起きたか

従来の計量は、群れを寄せて動かします。時間と人手がかかり、動物にも負担がかかります。ワンサート氏の説明では、群れを動かすコストと時間、動物のストレスが、牧場の計量を難しくしていました。

始まりは、モンテビデオのウニベルシダッド・オルト(Universidad ORT)の学生チャレンジです。健康・観光・畜産向けの技術を作る課題から、この問題に着目しました。AIの学習には約2年かかり、記事時点の約6か月前(おおよそ2025年3月ごろ)に実用モデルへ達した、とワンサート氏は話します。

使い方は次のとおりです。牧場が自前のドローンで牛を撮影します。ガナーデルIAのソフトが映像を分析し、頭数と体重の見積もりを出します。生産者は、ウェブに近い画面で群れの情報を見ます。

運用はウルグアイ、アルゼンチン、チリ、コロンビアです。次にブラジルとパラグアイへの進出を検討し、長期では世界展開も見据える、とワンサート氏は話します。ブラジルでは「先進的な交渉」中だ、とも言います。

同じヴァロール記事は、ブラジル側の別スタートアップも紹介しています。本稿はガナーデルIAに限ります。北アイルランド/英国のキャトルアイ(CattleEye。歩行からの跛行分析)や、パナマのガナデロAI(GanaderoAI。ワッツアップ(WhatsApp)の家畜チャット)とは別物です。

何が変わったか

ワンサート氏の説明では、ソフトは300〜400頭を約30分で分析できます。誤差は0%〜5%で、農家はその幅を許容している、といいます。会社は、食肉処理場向けに、売る牛のまとまり(ロット)を認証できる精度へ近づける作業を続けています。

会社サイト(販売・デモ向け)では、次のように出しています。頭数の精度は99.9%、体重の誤差は5%、累計で35万頭超を計測・計数し、250超の牧場が使っています。対応ドローンは4K撮影のDJI系です。体重推定は英国系品種とその交雑(アンガス(Angus)、ヘレフォード(Hereford)、カレタ(Careta)系など)向けに校正し、頭数カウントは品種を問いません。

比較表では、計測の所要を約1.5時間(従来約8時間)、必要な人員を1〜2人(従来3人)、動物のストレスは低い、としています。デモは頭数カウントが無料で、体重推定は校正プログラムが必要で、基準物体を映像に入れる、と案内しています。

従来の寄せ集め計量は、ストレスと脱水で生体重量の約1.5%を失い得る、という会社サイトの説明もあります。サイト上の試算例は米ドル建てです(例の単価は会社サイトの入力値)。特定の小規模牧場について、投資の回収を監査した数字(ROI)は、ヴァロール記事にも会社サイトにも出ていません。

誰に関係するか

「寄せてから数える」コストが高い現場でも使えます。放牧や牧場以外にも、次のような使い方ができます。

  • 資材置き場 → 屋外在庫の概数を、動かさずに映像から把握する
  • 駐車場 → 台数を、一台ずつ寄せ集めずに把握する
  • 建設現場 → 資機材のカウントを、作業を止めすぎずに行う
  • 動物園・観光牧場 → 頭数確認を、動物を追い立てずに行う

対象を寄せ集めずに映像から概数と見積もりを出します。現場側は撮影手段を持ち、分析はソフト側に寄せます。寄せ集めの回数と、動物や現場のストレスを減らします。

主張と、確認できていないこと

数字は、ヴァロール記事におけるワンサート氏の発言と、会社サイトの表示に分かれます。混ぜて「報道で確定」と読まないでください。

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
300〜400頭/約30分、誤差0%〜5%(ヴァロール/ワンサート氏) 第三者の独立測定・食肉処理場認証での採用実績
AI学習約2年、記事の約6か月前に実用モデル(同) 学習データの規模・評価プロトコルの詳細
運用はUY/AR/CL/CO、BR/PY進出を検討(同) 各国での契約件数・導入深度
頭数精度99.9%、体重誤差5%、35万頭超・250牧場超(会社サイト) 計測条件・監査。ヴァロール記事では未再確認
約1.5時間対約8時間、人員1〜2人対3人(会社サイト) 牧場規模・地形を揃えた比較条件
従来計量で生体重量の約1.5%損失(会社サイト) 独立研究での再検証。特定牧場の監査済みの投資回収試算(ROI)

ヴァロール記事は、農業向け技術スタートアップの紹介報道です。会社サイトは販売・デモ向けの自己発信です。

まとめ

映像から頭数と体重の見積もりを出し、寄せ集めの回数とストレスを減らします。

参考文献

  • Startups develop AI tools to replace cattle scales(Valor International / Globo Rural、Marcos Fantin、2025-09-23)、https://valorinternational.globo.com/agribusiness/news/2025/09/23/startups-develop-ai-tools-to-replace-cattle-scales.ghtml 、確認日 2026-09-10
  • Ganader-IA 公式サイト、https://www.ganader-ia.com/ 、確認日 2026-09-10

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)