ウルグアイ発のスタートアップ「ガナーデルIA(Ganader-IA)」は、ドローン映像とAIで牛の頭数と体重を見積もるサービスを出しています。ヴァロール・インターナショナル(Valor International)/グローボ・ルーラル(Globo Rural)のマルコス・ファンティン(Marcos Fantin)氏の記事(2025年9月23日)が、事業開発マネジャーのエリック・ワンサート(Erik Wansart)氏の説明を伝えています。
ドローン映像から頭数と体重の見積もりを出し、寄せ集め(arrea)の回数とストレスを減らします。牧場側はドローンを持ち、映像を撮ります。ソフトが群れを分析し、頭数を数え、体重を推定します。
従来の計量は、群れを寄せて動かします。時間と人手がかかり、動物にも負担がかかります。ワンサート氏の説明では、群れを動かすコストと時間、動物のストレスが、牧場の計量を難しくしていました。
始まりは、モンテビデオのウニベルシダッド・オルト(Universidad ORT)の学生チャレンジです。健康・観光・畜産向けの技術を作る課題から、この問題に着目しました。AIの学習には約2年かかり、記事時点の約6か月前(おおよそ2025年3月ごろ)に実用モデルへ達した、とワンサート氏は話します。
使い方は次のとおりです。牧場が自前のドローンで牛を撮影します。ガナーデルIAのソフトが映像を分析し、頭数と体重の見積もりを出します。生産者は、ウェブに近い画面で群れの情報を見ます。
運用はウルグアイ、アルゼンチン、チリ、コロンビアです。次にブラジルとパラグアイへの進出を検討し、長期では世界展開も見据える、とワンサート氏は話します。ブラジルでは「先進的な交渉」中だ、とも言います。
同じヴァロール記事は、ブラジル側の別スタートアップも紹介しています。本稿はガナーデルIAに限ります。北アイルランド/英国のキャトルアイ(CattleEye。歩行からの跛行分析)や、パナマのガナデロAI(GanaderoAI。ワッツアップ(WhatsApp)の家畜チャット)とは別物です。
ワンサート氏の説明では、ソフトは300〜400頭を約30分で分析できます。誤差は0%〜5%で、農家はその幅を許容している、といいます。会社は、食肉処理場向けに、売る牛のまとまり(ロット)を認証できる精度へ近づける作業を続けています。
会社サイト(販売・デモ向け)では、次のように出しています。頭数の精度は99.9%、体重の誤差は5%、累計で35万頭超を計測・計数し、250超の牧場が使っています。対応ドローンは4K撮影のDJI系です。体重推定は英国系品種とその交雑(アンガス(Angus)、ヘレフォード(Hereford)、カレタ(Careta)系など)向けに校正し、頭数カウントは品種を問いません。
比較表では、計測の所要を約1.5時間(従来約8時間)、必要な人員を1〜2人(従来3人)、動物のストレスは低い、としています。デモは頭数カウントが無料で、体重推定は校正プログラムが必要で、基準物体を映像に入れる、と案内しています。
従来の寄せ集め計量は、ストレスと脱水で生体重量の約1.5%を失い得る、という会社サイトの説明もあります。サイト上の試算例は米ドル建てです(例の単価は会社サイトの入力値)。特定の小規模牧場について、投資の回収を監査した数字(ROI)は、ヴァロール記事にも会社サイトにも出ていません。
「寄せてから数える」コストが高い現場でも使えます。放牧や牧場以外にも、次のような使い方ができます。
対象を寄せ集めずに映像から概数と見積もりを出します。現場側は撮影手段を持ち、分析はソフト側に寄せます。寄せ集めの回数と、動物や現場のストレスを減らします。
数字は、ヴァロール記事におけるワンサート氏の発言と、会社サイトの表示に分かれます。混ぜて「報道で確定」と読まないでください。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 300〜400頭/約30分、誤差0%〜5%(ヴァロール/ワンサート氏) | 第三者の独立測定・食肉処理場認証での採用実績 |
| AI学習約2年、記事の約6か月前に実用モデル(同) | 学習データの規模・評価プロトコルの詳細 |
| 運用はUY/AR/CL/CO、BR/PY進出を検討(同) | 各国での契約件数・導入深度 |
| 頭数精度99.9%、体重誤差5%、35万頭超・250牧場超(会社サイト) | 計測条件・監査。ヴァロール記事では未再確認 |
| 約1.5時間対約8時間、人員1〜2人対3人(会社サイト) | 牧場規模・地形を揃えた比較条件 |
| 従来計量で生体重量の約1.5%損失(会社サイト) | 独立研究での再検証。特定牧場の監査済みの投資回収試算(ROI) |
ヴァロール記事は、農業向け技術スタートアップの紹介報道です。会社サイトは販売・デモ向けの自己発信です。
映像から頭数と体重の見積もりを出し、寄せ集めの回数とストレスを減らします。