ニュージーランド・アッパーハット(Upper Hutt)のマンガロア渓谷(Mangaroa Valley)にある再生農業(土や生態系を回復させながら育てる農業)のマンガロア・ファームズ(Mangaroa Farms)は、牧草飼育の食肉をショッピファイ(Shopify)で直販しています。一次情報は、ストーリー・シェイパーズ(Story Shapers)/ビルド・ウィズ・ビリー(Build With Billy)のケーススタディと、2026年5月20日付のツール紹介ブログです。
少人数(2〜3人)が、既存のクラウド業務ソフト(SaaS)をカスタムMCP(Model Context Protocol。AIが外部ツールを呼ぶ接続方式)でつなぎます。音声メモ、ニュースレター、ボード向け報告を生成し、人が承認してから送ります。
農場の仕事は、家畜の世話や解体加工だけではありません。ネット通販(EC)、マーケティング、イベント、コミュニティ、理事会への報告、環境への影響の記録も同じ少人数が担います。AI導入前は、インスタグラム(Instagram)の投稿、クラビヨ(Klaviyo)のニュースレター、ショッピファイや分析ツールからの数字集めが、手作業の転記と下書きに散らばっていました。
いまの中心は、クロード・コード(Claude Code)と、50を超えるカスタムMCPツールです。ショッピファイ、クラビヨ、エアテーブル(Airtable)、グーグル・ワークスペース(Google Workspace)などに接続し、タスク・プロジェクト・戦略ログ、そして「オープンブレイン(Open Brain)」と呼ぶ知識ベースを共有します。決定や議事のメモもここに入ります。
音声は、テレグラム(Telegram)ボットと、Macミニ上のMLXウィスパー(MLX Whisper)large-v3です。農場を歩きながら送った音声を端末上で文字にし、エージェントがタスクや戦略メモを抜き出します。会議タグが付いた音声は、やること付きの会議メモにしてグーグルドライブ(Google Drive)へ保存します。
ニュースレターは、月中に共有メモ(Wiki)へ項目を集め、送信時にブランドの口調を踏まえて下書きし、クラビヨのテンプレートとキャンペーンまで作ります。ニュースレター用のMCPツールは9本で、下書きからクラビヨのキャンペーン作成まで進め、送信前に人が承認します。購読者数は3870人です。
ボード報告は、次の6ソースから数字と文脈を集めます。
それをグーグルドキュメント(Google Docs)にまとめ、確認用のリンクを渡します。人が確認してから理事会に出します。
昼夜のエージェントとしてデイシフト(Dayshift)とナイトウォッチ(Nightwatch)があり、エアテーブルの待ち一覧(キュー)からタスクを拾います。朝7時(NZ時間)に、AIが処理できるか・人が必要かを振り分けます。SNS投稿の自動下書き・バッファ(Buffer)経由の予約、ハイパーサート(Hypercerts)やトラップNZ(TrapNZ)連携の環境記録なども、同じ仕組みの一部です。約6ヶ月でこの一式が動きました。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 四半期4400超の注文、クラビヨ購読3870 | 期間の起算、第三者の売上監査 |
| カスタムMCP 50+ツール。ニュースレター用9ツール | ツール一覧の完全公開、稼働率 |
| MLXウィスパー large-v3による端末上文字起こし→タスク抽出 | 認識精度、取りこぼし率の公開値 |
| ボード報告を6ソースから自動生成。以前は数日、いまは分単位で下書き、との説明 | 前後の実測工数ログ |
| デイシフト/ナイトウォッチが昼夜でタスク処理 | 自動完了率、差し戻し件数 |
| 約6ヶ月でフルスタック | 開発者の投入時間、外部委託の有無 |
| 月額インフラ目安約3.3万円(約220米ドル。おおよそ1ドル=150円。ブログのコスト表。複数ブランド合算の説明) | 農場単体の内訳 |
直販の農家や食肉加工、少人数の消費者への直販(D2C)ブランド、理事・理事会報告があるNPOや協同組合では、クラウド業務ソフトは揃っていても転記と下書きに時間が取られます。地方の道の駅の通販担当、温泉旅館の直販セット販売、学校給食の生産者組合の月次報告でも、注文・メール・表計算をMCPでつなぎ、音声メモからタスク化し、人が承認してから外部へ出す使い方ができます。
マンガロア・ファームズは、少人数の再生農業で、カスタムMCPと端末上の音声認識、ニュースレター生成、6ソースのボード報告を組み合わせています。送信と報告の前に人が承認します。内容は当事者サイトの自己報告です。