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ニュージーランドの再生農業。少人数農場がMCPで直販・音声・報告を人承認で回す

2026.09.12
ニュージーランドの再生農業。少人数農場がMCPで直販・音声・報告を人承認で回す

ニュージーランド・アッパーハット(Upper Hutt)のマンガロア渓谷(Mangaroa Valley)にある再生農業(土や生態系を回復させながら育てる農業)のマンガロア・ファームズ(Mangaroa Farms)は、牧草飼育の食肉をショッピファイ(Shopify)で直販しています。一次情報は、ストーリー・シェイパーズ(Story Shapers)/ビルド・ウィズ・ビリー(Build With Billy)のケーススタディと、2026年5月20日付のツール紹介ブログです。

少人数(2〜3人)が、既存のクラウド業務ソフト(SaaS)をカスタムMCP(Model Context Protocol。AIが外部ツールを呼ぶ接続方式)でつなぎます。音声メモ、ニュースレター、ボード向け報告を生成し、人が承認してから送ります。

何が起きたか

農場の仕事は、家畜の世話や解体加工だけではありません。ネット通販(EC)、マーケティング、イベント、コミュニティ、理事会への報告、環境への影響の記録も同じ少人数が担います。AI導入前は、インスタグラム(Instagram)の投稿、クラビヨ(Klaviyo)のニュースレター、ショッピファイや分析ツールからの数字集めが、手作業の転記と下書きに散らばっていました。

いまの中心は、クロード・コード(Claude Code)と、50を超えるカスタムMCPツールです。ショッピファイ、クラビヨ、エアテーブル(Airtable)、グーグル・ワークスペース(Google Workspace)などに接続し、タスク・プロジェクト・戦略ログ、そして「オープンブレイン(Open Brain)」と呼ぶ知識ベースを共有します。決定や議事のメモもここに入ります。

音声は、テレグラム(Telegram)ボットと、Macミニ上のMLXウィスパー(MLX Whisper)large-v3です。農場を歩きながら送った音声を端末上で文字にし、エージェントがタスクや戦略メモを抜き出します。会議タグが付いた音声は、やること付きの会議メモにしてグーグルドライブ(Google Drive)へ保存します。

ニュースレターは、月中に共有メモ(Wiki)へ項目を集め、送信時にブランドの口調を踏まえて下書きし、クラビヨのテンプレートとキャンペーンまで作ります。ニュースレター用のMCPツールは9本で、下書きからクラビヨのキャンペーン作成まで進め、送信前に人が承認します。購読者数は3870人です。

ボード報告は、次の6ソースから数字と文脈を集めます。

  • ショッピファイ(注文・売上・上位商品)
  • クラビヨ(購読伸び・開封・キャンペーン)
  • メタ(Meta。SNSの到達と反応)
  • グーグル・サーチコンソール(Google Search Console)
  • エアテーブル
  • オープンブレイン

それをグーグルドキュメント(Google Docs)にまとめ、確認用のリンクを渡します。人が確認してから理事会に出します。

昼夜のエージェントとしてデイシフト(Dayshift)とナイトウォッチ(Nightwatch)があり、エアテーブルの待ち一覧(キュー)からタスクを拾います。朝7時(NZ時間)に、AIが処理できるか・人が必要かを振り分けます。SNS投稿の自動下書き・バッファ(Buffer)経由の予約、ハイパーサート(Hypercerts)やトラップNZ(TrapNZ)連携の環境記録なども、同じ仕組みの一部です。約6ヶ月でこの一式が動きました。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
四半期4400超の注文、クラビヨ購読3870 期間の起算、第三者の売上監査
カスタムMCP 50+ツール。ニュースレター用9ツール ツール一覧の完全公開、稼働率
MLXウィスパー large-v3による端末上文字起こし→タスク抽出 認識精度、取りこぼし率の公開値
ボード報告を6ソースから自動生成。以前は数日、いまは分単位で下書き、との説明 前後の実測工数ログ
デイシフト/ナイトウォッチが昼夜でタスク処理 自動完了率、差し戻し件数
約6ヶ月でフルスタック 開発者の投入時間、外部委託の有無
月額インフラ目安約3.3万円(約220米ドル。おおよそ1ドル=150円。ブログのコスト表。複数ブランド合算の説明) 農場単体の内訳

誰に関係するか

直販の農家や食肉加工、少人数の消費者への直販(D2C)ブランド、理事・理事会報告があるNPOや協同組合では、クラウド業務ソフトは揃っていても転記と下書きに時間が取られます。地方の道の駅の通販担当、温泉旅館の直販セット販売、学校給食の生産者組合の月次報告でも、注文・メール・表計算をMCPでつなぎ、音声メモからタスク化し、人が承認してから外部へ出す使い方ができます。

まとめ

マンガロア・ファームズは、少人数の再生農業で、カスタムMCPと端末上の音声認識、ニュースレター生成、6ソースのボード報告を組み合わせています。送信と報告の前に人が承認します。内容は当事者サイトの自己報告です。

参考文献

  • How AI runs a regenerative farm. Mangaroa Farms.(Build With Billy Case Studies)、https://buildwithbilly.ai/case-studies/mangaroa-farms 、確認日 2026-09-12
  • 7 AI Tools I Use to Run a Farm and 5 Digital Brands(Build With Billy Blog、2026-05-20)、https://buildwithbilly.ai/blog/7-ai-tools-i-use 、確認日 2026-09-12

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)