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アイルランドの魚介加工。殻を割らずに軟殻や砂をAIで分ける

2026.09.13
アイルランドの魚介加工。殻を割らずに軟殻や砂をAIで分ける

アイルランド・ラウス州(Co. Louth)の魚介加工会社ダンダルク・ベイ・シーフーズ(Dundalk Bay Seafoods)が、AIを使った選別機を新加工場に入れた、とBIM(Bord Iascaigh Mhara。アイルランドの水産開発機関)が紹介しています。同稿と、同じ発表を転載した報道が一次の説明です。対象はシェルフィッシュ(甲殻・貝など)で、ダブリンベイ・プローン(Dublin Bay Prawns。ラングスティーヌとも呼ばれる小型のエビ類)とカミソリガイ(Razor Clams)を含みます。独立した精度試験の数字は、こちらでは見つかっていません。

殻を割らずに、目では見えない軟殻や砂などをレーザービジョンとAIで分け、二次加工や高級向けに振り分けます。

何が起きたか

ダンダルク・ベイ・シーフーズは1975年創業の三代目の家族経営です。BIM稿では、アイルランドで最も長くダブリンベイ・プローンを加工してきた会社と紹介しています。ディレクターはパット・リンチ(Pat Lynch)氏とカハル・リンチ(Cathal Lynch)氏です。

1日あたり約4トンの魚介を処理し、個数にすると約10万個です。製品は船上凍結のプローン、カミソリガイ、キングホタテ(King Scallops)、ブルーロブスター(Blue Lobster)です。原料は地元から調達し、イタリア、フランス、スペイン、中国へ出荷しています。

新加工場には、アイルランド初のAI駆動のシェルフィッシュ選別機が入った、と会社側が説明しています。社内の研究開発は約5年です。AIとレーザービジョンを組み合わせ、最大で毎秒10個まで扱えます。対象はダブリンベイ・プローンとカミソリガイです。

従来は人手や、大きさ・重さの基本選別が中心でした。新しい仕組みは、殻を壊さずに、目では見えない内部の不良を見つけます。例として軟殻、砂、ひび、異物があります。ガラスや金属などの異物も検出し、食品安全と輸出のルールへの対応につなげます。検査はすべて記録して残し、廃棄物を抑えます。

セールスディレクターで三代目のパトリック・リンチ(Patrick Lynch)氏は、大きさや重さだけでなく「本当の品質」で分ける、と話しています。軟殻や砂が入ったプローンは、殻を割らないと見つけにくいため、自動で尾取りや二次加工の流れへ回します。カミソリガイは、身の量と清潔さで事前に仕分け、高級市場向けに回します。

資金面では、シーフード加工資本投資スキーム(Seafood Processing Capital Investment Scheme)のもとで21万3000ユーロ(€213,000)の助成を受けています。この制度は、アイルランドのシーフード開発プログラム(Seafood Development Programme)の一部で、アイルランド政府とEUの欧州海洋・漁業・養殖基金(EMFAF)が共同で賄っています。

会社は、キャッシュフローの35%を研究開発へ戻す、と説明しています。選別機のインフィード(投入側の送り込み部)も設計中で、スループット(単位時間あたりの処理量)をさらに上げる作業が続いています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
アイルランド初のAI駆動シェルフィッシュ選別機 「初」の定義と第三者の確認
社内の研究開発約5年。AI+レーザービジョン。最大毎秒10個 実測の平均速度、稼働率
軟殻・砂・ひび・異物を壊さずに検出 検出精度の%、誤検知率
ガラス・金属の検出、検査の全件記録、廃棄物抑制 食品安全監査での定量評価
軟殻・砂のプローンを尾取り・二次加工へ自動振分 振分後の歩留まり改善の公開値
カミソリガイを身の量・清潔さで高級向けに事前仕分け 高級市場での単価・返品率の前後比較
1日約4トン≒約10万個。イタリア/フランス/スペイン/中国へ輸出 工場別・品目別の内訳
助成€213,000(EMFAF共同資金の制度経由) 総投資額に占める助成の割合
キャッシュフローの35%を研究開発へ再投資 期間定義と監査済み財務との一致
インフィード部を設計中 完成時期と改善幅

精度の%は、BIM稿にも転載報道にも出ていません。

誰に関係するか

青果や食肉の選別ラインでは、外皮や殻の内側の不良を目視しづらいことがあります。輸出向けに検査の記録が必要な加工場では、壊さずに内部の不良を見て振り分け、検査ログを残す使い方ができます。大きさや重さだけの選別から、品質での選別へ移す現場で使えます。

まとめ

ダンダルク・ベイ・シーフーズは、大きさ・重さだけでなく、殻を割らずに内部の不良で振り分けます。速度や助成額はBIMと会社の発表です。独立した精度%は、参照した稿にはありません。

参考文献

  • Dundalk Bay Seafoods pioneers cutting-edge AI technology set to transform shellfish processing(BIM News)、https://bim.ie/news-and-events/news/dundalk-bay-seafoods-pioneers-cutting-edge-ai-technology-set-to-transform-shellfish-processing/ 、確認日 2026-09-13

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)