アイルランド・ラウス州(Co. Louth)の魚介加工会社ダンダルク・ベイ・シーフーズ(Dundalk Bay Seafoods)が、AIを使った選別機を新加工場に入れた、とBIM(Bord Iascaigh Mhara。アイルランドの水産開発機関)が紹介しています。同稿と、同じ発表を転載した報道が一次の説明です。対象はシェルフィッシュ(甲殻・貝など)で、ダブリンベイ・プローン(Dublin Bay Prawns。ラングスティーヌとも呼ばれる小型のエビ類)とカミソリガイ(Razor Clams)を含みます。独立した精度試験の数字は、こちらでは見つかっていません。
殻を割らずに、目では見えない軟殻や砂などをレーザービジョンとAIで分け、二次加工や高級向けに振り分けます。
ダンダルク・ベイ・シーフーズは1975年創業の三代目の家族経営です。BIM稿では、アイルランドで最も長くダブリンベイ・プローンを加工してきた会社と紹介しています。ディレクターはパット・リンチ(Pat Lynch)氏とカハル・リンチ(Cathal Lynch)氏です。
1日あたり約4トンの魚介を処理し、個数にすると約10万個です。製品は船上凍結のプローン、カミソリガイ、キングホタテ(King Scallops)、ブルーロブスター(Blue Lobster)です。原料は地元から調達し、イタリア、フランス、スペイン、中国へ出荷しています。
新加工場には、アイルランド初のAI駆動のシェルフィッシュ選別機が入った、と会社側が説明しています。社内の研究開発は約5年です。AIとレーザービジョンを組み合わせ、最大で毎秒10個まで扱えます。対象はダブリンベイ・プローンとカミソリガイです。
従来は人手や、大きさ・重さの基本選別が中心でした。新しい仕組みは、殻を壊さずに、目では見えない内部の不良を見つけます。例として軟殻、砂、ひび、異物があります。ガラスや金属などの異物も検出し、食品安全と輸出のルールへの対応につなげます。検査はすべて記録して残し、廃棄物を抑えます。
セールスディレクターで三代目のパトリック・リンチ(Patrick Lynch)氏は、大きさや重さだけでなく「本当の品質」で分ける、と話しています。軟殻や砂が入ったプローンは、殻を割らないと見つけにくいため、自動で尾取りや二次加工の流れへ回します。カミソリガイは、身の量と清潔さで事前に仕分け、高級市場向けに回します。
資金面では、シーフード加工資本投資スキーム(Seafood Processing Capital Investment Scheme)のもとで21万3000ユーロ(€213,000)の助成を受けています。この制度は、アイルランドのシーフード開発プログラム(Seafood Development Programme)の一部で、アイルランド政府とEUの欧州海洋・漁業・養殖基金(EMFAF)が共同で賄っています。
会社は、キャッシュフローの35%を研究開発へ戻す、と説明しています。選別機のインフィード(投入側の送り込み部)も設計中で、スループット(単位時間あたりの処理量)をさらに上げる作業が続いています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| アイルランド初のAI駆動シェルフィッシュ選別機 | 「初」の定義と第三者の確認 |
| 社内の研究開発約5年。AI+レーザービジョン。最大毎秒10個 | 実測の平均速度、稼働率 |
| 軟殻・砂・ひび・異物を壊さずに検出 | 検出精度の%、誤検知率 |
| ガラス・金属の検出、検査の全件記録、廃棄物抑制 | 食品安全監査での定量評価 |
| 軟殻・砂のプローンを尾取り・二次加工へ自動振分 | 振分後の歩留まり改善の公開値 |
| カミソリガイを身の量・清潔さで高級向けに事前仕分け | 高級市場での単価・返品率の前後比較 |
| 1日約4トン≒約10万個。イタリア/フランス/スペイン/中国へ輸出 | 工場別・品目別の内訳 |
| 助成€213,000(EMFAF共同資金の制度経由) | 総投資額に占める助成の割合 |
| キャッシュフローの35%を研究開発へ再投資 | 期間定義と監査済み財務との一致 |
| インフィード部を設計中 | 完成時期と改善幅 |
精度の%は、BIM稿にも転載報道にも出ていません。
青果や食肉の選別ラインでは、外皮や殻の内側の不良を目視しづらいことがあります。輸出向けに検査の記録が必要な加工場では、壊さずに内部の不良を見て振り分け、検査ログを残す使い方ができます。大きさや重さだけの選別から、品質での選別へ移す現場で使えます。
ダンダルク・ベイ・シーフーズは、大きさ・重さだけでなく、殻を割らずに内部の不良で振り分けます。速度や助成額はBIMと会社の発表です。独立した精度%は、参照した稿にはありません。