2016.12.05 Mon |

権利の侵害も保護も人工知能が行う時代

今回は前回取り上げた「忘れられる権利」がどのように同時に「知る権利」を保障しながら守られているか見てみましょう。

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今EUでは相当な数の「私の情報を検索エンジンから消して欲しい」という声があるそうです。忘れられる権利を考える時、厄介なことに知る権利との兼ね合いもあるので、削除して欲しいと言われたもの全てを消し去るわけにはいきません。現代においてGoogleやYahoo!といった検索エンジンで検索できない情報は、知ることの出来ない情報になってしまうことと同様だからです。

基準に従って担当者が一つ一つ削除すべきなのか確認していかないといけないというコストも時間もかかる問題でした。そこでグーグルでは人工知能にその判断をさせていると最近は言われています。

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近年グーグルでは検索エンジンに人工知能を使用していると言われています。検索エンジンは、検索されたキーワードに対して人々がより求める、つまり価値があると思う順番にページを表示するため、各ページにランク付けを行っています。

人工知能は人々がより知りたい情報として、本人が知られたくない情報について書かれたページのランクを上げ、より情報を拡散するかもしれません。

その一方でその情報を削除するか決めるのも人工知能なのです。権利を侵害するのも守るのも同じ人工知能で行われているという事実は、技術は社会的文脈でその効果を見なければならないことを教えてくれているでしょう。

石井大智

慶応SFC 2年

一般社団法人Bizjapan

 

 

 

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