ENTRY

◀︎ AI NEWS TOPへ

フィンランドの化粧品工場。多品種エアゾールの不良をラインAIが見る

2026.09.15
フィンランドの化粧品工場。多品種エアゾールの不良をラインAIが見る

フィンランド・カンガサラ(Kangasala)の化粧品メーカー、タエロソル(Taerosol)は、エアゾール製品の外観をライン上でAIが見る検査を入れました。フィンランドのマーシャルAI(MarshallAI)が、参照ページで紹介しています。タエロソルはヘアケアとエアゾールのプライベートラベル(他社ブランドの製造)と自社ブランドを手がける家族経営です。

多品種のエアゾール缶をラインの速さのままAIが見て、ラベルやキャップの不良を除き、品目が変わっても検査を続けます。

何が起きたか

タエロソルは家族経営で、工場はカンガサラにあります。1960年代から北欧のプライベートラベルとブランド供給を続けています。

会社サイトの記載では、品質はISO 9001、ISO 14001、ISO 22716(GMP)に沿い、2025年の売上は1000万ユーロ(約16億円前後。記事時点の目安換算)です。マーシャルAIの参照ページでは、売上820万ユーロ・人員8名ともあり、時点の違いがある可能性があります。

課題は、多品目(SKU)が多く、入れ替わりが激しいことでした。ラベルの不良、キャップの不良、ラベルの位置ずれなど、見るべき点が品目ごとに違います。契約製造では新品目も頻繁に増えます。ルールで固定した従来の画像検査では、切替に合わせにくい、とベンダーは整理しています。

マーシャルAIは、生産ラインに組み込む検査(インライン)のステーションを入れました。ラインの速さを落とさず、流れてくる缶をすべて見ます。いまある品目の不良の型を学習し、新品目が来たら品目ごとの検査の型(プロファイル)を足して追従します。品目が変わるたびにプログラムを書き直す必要を減らします。ケースでは、傷やへこみ、ラベル上の見えにくい傷の例も示しています。

ベンダーが挙げる結果では、エラーの99%超を捕捉し、品目の入れ替わりに素早く追従でき、人手の外観検査から人を他の仕事へ回せるようになったほか、不良が顧客へ届くリスクを下げ、新しい契約を取るときの検査の組み直しも減らせた、としています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
多品目のエアゾールラインでラベル・キャップ・位置ずれが課題 切替頻度、品目数の公開リスト
ルールベース画像検査では追従しづらい、との整理 導入前の見逃し率・クレーム件数
ラインに組み込む検査で、速さを落とさず全数 処理個数/時、カメラ台数
新品目は検査の型を足して追従。再プログラムを減らす 新品目学習に要する時間・枚数
エラーの99%超を捕捉(マーシャルAI) 測定条件、サンプル数、第三者監査
人手の外観検査から人を他の仕事へ回す 再配置人数の前後比較
会社サイト: 売上1000万ユーロ(2025)、ISO認証 マーシャルAI記載の人員8・売上820万との突合

誰に関係するか

医薬やサプリの包装外観、飲料のラベル貼付後検査、電子部品キットのキャップやシール確認など、品目が変わるたびに見た目検査を合わせ直すラインで使えます。課題の型は、ラインに見た目検査を組み、新品目は例画像で追従し、切替ごとの再プログラムを減らすことです。

まとめ

ラインに見た目検査を組み、新品目は例を足して追従します。切替のたびに検査プログラムを書き直さない運用です。エラーの99%超はベンダーが挙げた数字です。

参考文献

  • Mastering QA in High-Mix Manufacturing: Rapid Changeovers and >99% Accuracy at Taerosol(MarshallAI)、https://marshallai.com/taerosol-automated-qa-in-high-mix-manufacturing/ 、確認日 2026-09-15
  • Taerosol(会社サイト)、https://www.taerosol.com/ 、確認日 2026-09-15

Tags

タグ一覧へ ▶︎

Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)