ポルトガルの廃棄物管理組織リポール(LIPOR)と関連自治体は、ポルト(Porto)のエコパーク(Ecopark)に、ポルトガル初のパイロット繊維選別ユニット、UPTT(Pilot Textile Sorting Unit)を公開しました。発表は2025年9月23日です。リポールのプレスリリース(2025年9月24日)と、光学選別メーカーのピクビザ(PICVISA)の事例ページが紹介しています。
埋め立てに回りやすい使用済み衣類を、光学選別とAIで組成・色のカテゴリに分け、再利用・リサイクルの入口を作ります。
UPTTは、統合プロジェクトBe@T(Bioeconomy for Textiles and Clothing。繊維・衣料のバイオエコノミー)の一環です。主導はシテーベ(CITEVE)で、企業・大学・技術センターなど54団体が関わります。ポルトガルの復興・レジリエンス計画(PRR)の資金が入り、期間の枠は2021〜2026年です。気候移行のなかの持続可能なバイオエコノミー推進が位置づけです。
産業パイロット規模で、処理能力は50トン/年です。組成と色で14カテゴリを読み分けます。
工程には手選別と自動選別、付属品の除去、ベール化(圧縮して束ねる工程)が含まれます。知識づくりと、廃棄物・繊維の両分野の育成、新しい事業モデルや再利用・リサイクルの入口づくりが目的です。
リポール理事会会長のジョゼ・マヌエル・リベイロ(José Manuel Ribeiro)氏は、このパイロットがポルトガルの繊維循環の先頭に立つ一歩であり、設備というより問題をほどいて解を縫い合わせる出発点だ、と開会であいさつしています。
リポールが回収を担う地域では、年間2.3万トンを超える繊維が埋立へ回り、地域の総廃棄物のほぼ6%にあたります。同日のセミナー「繊維の循環はどう縫い合わされるか」では、規制、分別収集、繊維と繊維ごみの区別、拡大生産者責任(作り手が回収・処理の責任を負う仕組み)、啓発、選別・収集基準の統一などが議題に上がりました。登壇にはシテーベ、環境当局、研究機関、業界団体、Be@Tのパートナーが並びました。
ピクビザ側では、公開入札のプロジェクトとして、エコソート・テキスタイル(ECOSORT TEXTILE)の光学選別機を2台入れています。AIとハイパースペクトル視覚(多くの波長の光で素材を見分ける技術)で、繊維と組成を自動分類します。収集とリサイクルの新しいモデルを試し、将来の拡大に備えます。ピクビザは、EUの持続可能な繊維と資源効率の目標にも沿うとしています。
次の目標として、リポールはパイロットの拡大可否の評価、具体的な性能指標の収集、新たな公共コンテナに頼らない地域収集モデル(ドロップオフ拠点、移動拠点、戸別収集など)の検討を挙げています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 2025年9月23日発表。ポルトガル初の繊維選別パイロット(UPTT)(リポール) | 選別精度・回収率の独立測定 |
| 処理能力50トン/年。組成と色で14カテゴリ(リポール) | カテゴリ一覧の公開表、実稼働トン数 |
| 手選別と自動選別、付属品除去、ベール化を含む(リポール) | 各工程の人員配分とタクトタイム |
| エコソート・テキスタイルを2台。AI+ハイパースペクトルで繊維・組成を分類(ピクビザ) | モデル種・学習データの公開詳細 |
| 圏内で年間2.3万トン超の繊維が埋立、総廃棄物の約6%(リポール) | 導入後の埋立回避量の前後比較 |
| 拡大可否の評価と性能指標の収集が次の段階(リポール) | 商用スケールの時期と投資額 |
ホテルや病院のリネン回収、プラスチックや紙の組成別選別など、組成と色で分けないと次工程が動かない現場でも使えます。入口でハイパースペクトルとAIの光学選別を置き、カテゴリへ分けてから手作業の付属品除去やベール化へ渡します。まずパイロット規模で指標を取り、そのあと拡大します。
入口で組成・色に自動分けし、付属品除去とベール化は人へ渡します。パイロットで指標を取ってから拡大します。