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オランダのラスク工場。AIが見て、ロボットが焼き過ぎと重なりを弾く

2026.09.19
オランダのラスク工場。AIが見て、ロボットが焼き過ぎと重なりを弾く

オランダの製パンブランド、ボレッティエ(Bolletje)は、アルメロ(Almelo)工場のラスク(beschuit/zwieback。薄い乾パン)ラインに、AIで見てロボットが弾く検査セルを入れました。食品自動化のチン(QING Food Automation)が作りました。拠点はアルンヘム(Arnhem)です。同社のSTAQ(See Think Act。見て・考えて・動く、という枠組み)の上に載るキューソート(Q-Sort)です。チン公式のケースと、専門媒体アイオーティーメッシュ(iot-mesh、2026年3月5日)が紹介しています。

オーブン直後のラスクを人が目視していた工程を、高速カメラとAI分類、スカラロボット(水平多関節ロボット)の除去に移し、焼き色や重なりの不良を同じ基準で弾きます。

何が起きたか

ボレッティエは1867年創業で、ラスクで知られるオランダのブランドです。アルメロとヘールデ(Heerde)に拠点があり、2013年からボルフレーベ・グループ(Borggreve Group)の一員です。COOのロ・フルス(Lo Huls)氏は、人材不足と技能の引き継ぎのむずかしさを背景に、品質と経験を技術へ残す必要があると述べます。壊れる前に直す予定の保全や、工程・製品の状態を数字で見えるようにすることにもデータを使い、壊れてから直す待ちをやめたい考えです。

チンのケースでは、AIで品質を見て、不良のデータを返し、ロボットでラインから取り除く流れが中心です。いま稼働しているキューソートがラスクを判定し、不良の枚を自動で外します。STAQは人の判断を技術に移す枠組みで、不良の裏側の原因も追い、そのデータで工程を調整します。

導入前のアルメロでは、最大毎分1200枚のラスクを、およそ5人が目で見ていました。焼き過ぎや重なりを人手で拾うやり方は、人件費がかさみ、データの蓄積も限られていました。オーブン出口(記事では約200メートルのオーブンライン)に、マシンビジョンとAIを載せたセルを置きました。

セルの大きさは約1.8×3.2メートルで、既存のコンベアに組み込めます。高速カメラが各枚をミリ秒単位で撮り、AIが分類します。四軸のストーブリ(Stäubli)TS2-80 HEスカラが不良を側面シュートへ落とし、専用の針グリッパ(針で刺して持つ器具)で拾います。食品向けの衛生仕様(HE)で24時間稼働を想定し、除去は毎分およそ80枚です。チンは検査毎分1200枚・選別毎分80枚・針グリッパ・移設可とまとめています。

欠陥のパターンを機械の設定や生産指標と突き合わせ、ずれのきっかけを見つけるのがSTAQの解析側です。撮った画像を落とさず見比べ、品質基準に照らして分類します。疲労や手順のばらつきに左右されにくい点を、チンは利点として挙げています。

ロボットとコンベアの動きは、ストーブリ側のソフトで合わせます。速度に応じて動作を変え、停止を減らす狙いです。チンとボレッティエは設計段階から現場を巻き込み、AIの検査モデルを共同で育てました。ボレッティエは今後8〜9件の自動化案件を計画し、その一部でチンと連携する予定です。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
毎分最大1200枚を検査。焼き過ぎ・重なり・表面異常(チン/iot-mesh) 不良率改善・廃棄減の独立監査
スカラが不良を側面シュートへ。除去は毎分約80枚 稼働率、取りこぼし率の実測
セル約1.8×3.2メートル。既存コンベアに組み込み可能 据付日数・停止時間
以前は5人が目視(iot-mesh)。欠陥データで工程調整(チン) 「5人」の正式な労務データ、配置転換の内訳
針グリッパ専用開発。食品グレードHEで24時間想定(iot-mesh) 針痕のクレーム件数、衛生監査の公開結果
今後8〜9件の自動化を計画(iot-mesh) 件数の確定スケジュール

誰に関係するか

錠剤や電子部品の高速コンベア検品、印刷物の色むら除去、スナックやシリアルの焼き色チェックなど、高速ラインの見た目不良を人手で弾いている現場でも使えます。炉やオーブン出口に高速カメラとAI分類、コンパクトなスカラ除去セルを載せ、不良データを工程調整へ戻します。セルは既存コンベアに載せる大きさにします。

まとめ

オーブン出口の見た目不良はカメラとAIで同じ基準で分類し、スカラで弾き、欠陥データは工程の調整に戻します。毎分最大1200枚・除去約80枚・以前は約5人の目視は、チンとiot-meshの説明です。

参考文献

  • Bolletje maakt zich, samen met QING, klaar voor de toekomst(QING)、https://www.qing.nl/cases/bolletje 、確認日 2026-09-19
  • Bolletje deploys compact AI-driven inspection cell automating 1,200 slices(iot-mesh、2026-03-05)、https://www.iot-mesh.io/bolletje-zwieback-inspektion-almelo-qing-staq-zel-staeubli-ts2-80-he/ 、確認日 2026-09-19

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)