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フィンランド気象研究所、短い時間の天気予報の癖をAIで直し、1年分の検証で外れ幅が直す前の計算より24〜29%減

2026.10.18
フィンランド気象研究所、短い時間の天気予報の癖をAIで直し、1年分の検証で外れ幅が直す前の計算より24〜29%減

フィンランド気象研究所(Finnish Meteorological Institute)は、フィンランドの国の天気予報を出す機関です。同研究所は1時間ごとに、0〜12時間先の短い予報を出しています。このうち気温・湿度・風速・最大瞬間風速について、計算が出す値の癖を、過去の予報と観測の差から学んだAIで直す仕組みを作りました。この仕組みは、本番で動く予報の仕組みに組み込まれています。同研究所の筆者による査読つき論文(2025年8月20日オンライン公開)によると、学ばせていない1年分の検証で、外れ幅が直す前の計算より24〜29%小さくなりました。

この事例で分からないこと

  • 24〜29%は、学ばせていない1年分(2023年8月〜2024年7月)の過去の予報で確かめた数字です。本番にいつ入れたか、入れたあとの数字は書かれていません。
  • 数字は同研究所の筆者による検証で、外の人による測り直しはありません。
  • 予報を使う人の側で何が変わったかは書かれていません。

何が起きたか

短い時間の予報は、大気の動きを式で計算するモデルの値をもとに作ります。同研究所が使うのは、北欧の気象機関が共同で動かすモデルです。1時間ごとに12時間先まで、2.5キロメートル四方の細かさで計算します。

計算の値には、決まった方向にずれる癖があります。たとえば、このモデルには風を少し強めに出す傾向があります。前の直し方は、いちばん新しい観測と予報の差を、固定の重みで4時間先まで足し引きするものでした。この方式には2つの弱みがありました。朝と夜でずれ方が変わることを扱えないことと、4時間より先に広げられないことです。

新しい直し方は、気温・湿度・風速・最大瞬間風速ごとに1つずつ、計4つのAI(XGBoost。簡単な判定の木をたくさん重ねて、数値を当てるやり方)を使います。学ばせた材料は、2020年1月〜2023年7月の約3年半分です。795〜888か所の観測所で、予報と実際の観測の差を集めました。記録は約4000万件です。

AIに渡す項目は次のとおりです。

  • 計算が出した気温・湿度・風などの値
  • 観測所の高さ、緯度・経度、その高さと計算の上での地面の高さの差
  • 時刻、月、何時間先の予報か
  • いちばん新しい観測で分かった予報のずれ

本番では毎時20分に動かします。観測が集まるのを待つためです。観測所ごとに出したずれを地図の上の細かいます目に広げ、計算の値から差し引きます。項目ごとに1つのAIで全部の観測所と先の時間を扱うので、新しい観測所が増えても学び直さずに使えます。

1年分の検証で分かったこと

検証には学ばせていない2023年8月〜2024年7月の1年分を使いました。比べた直す前の値は、本番で同じ時刻に手に入る、1時間新しい計算の値です。正解は観測所の実際の観測です。外れ幅は、予報と観測の差を、大きなずれほど重く数えてならした値です。

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
直したあとの外れ幅は、直す前の計算より24〜29%小さい 本番に入れたあとの外れ幅。本番に入れた時期
先の時間・項目ごとでは17〜43%小さい。単純な式で直した場合は5〜35% 外の人が同じ条件で測り直した結果
すべての先の時間で、前の直し方より外れ幅が小さい 前の直し方より何%小さいか(図のみで数字なし)
直せる先の時間が、前の直し方より7時間延びた 予報を使う人の側で変わったこと

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:Hieta & Partio, Meteorological Applications(2025-08-20オンライン公開)

気温と風は、どの方式でも冬の外れ幅が大きめでした。観測所ごとに見ると、ほぼすべてで良くなりました。ただ、スカンジナビア山地の1か所では、湿度の予報が直す前よりわずかに悪くなりました。理由は分かっていません。

直すプログラムは公開されています。学ばせたAIのファイルは含まれていません。

誰に関係するか

樹脂部品の金型設計者にも使えます。流し込みの解析ソフトが出す反りの値と、試し打ちで測った反りの差を、形・材料・肉厚・成形の条件と一緒にためます。差の癖をAIに学ばせれば、次の解析の値から差し引けます。使う前に、学ばせていない時期の分で、直す前と直したあとの外れを比べます。部品の種類ごとに、かえって悪くなるものがないかを確かめることも必要です。

まとめ

フィンランド気象研究所は、0〜12時間先の予報の値の癖を、過去の予報と観測の差から学んだAIで直す仕組みを、本番の予報の仕組みに組み込みました。学ばせていない1年分の検証では、外れ幅が直す前の計算より24〜29%小さくなり、直せる先の時間が7時間延びました。本番に入れた時期と、入れたあとの数字は書かれていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)