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2018.06.07 Thu |

若い子たちへの教育方法(AI編)その1

この記事は、大学生1年~大学院生までのAI教育をかれこれ2年半行ってきた、鈴木瑞人が執筆します。

最近、将来小学校で英語教育やプログラミング教育が導入されるという話を耳にした方も多いと思います。

グローバル化やIT技術の進歩、人工知能(AI)技術の発達に伴い、教育の内容にも変化が求められているようですね。

今回は、その中でも、AIの教育をどのようにすべきかについて書いてみようと思います。

以下6つの観点から、書いていきます。教育対象は大学1年生以上です。
1, AIの技術進歩速度の観点から
2, ビジネスマン・エンジニアという職種による違いの観点から
3, ビジネスの開発・運用という立場から
4, Amazon、Tencentといった、海外のIT企業の今後という観点から
5, 働き方改革という観点から
6, 学ぶ側がどうしたらモチベーション高く学び続けることができるかという観点から。

この記事では、
1, AIの技術進歩速度の観点から
2, ビジネスマン・エンジニアという職種による違いの観点から
について書きます。
3, ビジネスの開発・運用という立場から
4, Amazon、Tencentといった、海外のIT企業の今後という観点から
については、次の記事「若い子たちへの教育方法(AI編)その2
5, 働き方改革という観点から
6, 学ぶ側がどうしたらモチベーション高く学び続けることができるかという観点から
については、その次の記事「若い子たちへの教育方法(AI編)その3」をご覧ください。

1, AIの技術進歩速度の観点から

AIの技術進歩速度の観点からAI技術の「何を学べばよいか」、「誰から学べばよいか」、「どのように学べばよいか」などを書いていきます。
AI分野は、資金と優秀な人が大量に集まって開発が進んでおり、非常に速く進歩が進んでいます。
単に研究が進むのが早いというだけでなく、実際のサービスに実装されるスピードが速いという点も特筆すべき点です。
Google社など米国の大手IT企業では、サービスに実装してから研究論文を出すということも多くなってきました。
最先端の研究がすぐに実装され、一般の人が使えるようになっている現状があるため、
「あるべきAI教育」というのも常に変化しています。
AIを作れることも重要ですが、使える(使いこなせる)ことも重要だからです。

AIを作ることを学ぶにせよ、AIを使うことを学ぶにせよ、詳しく知っている人から学ぶ必要があります。
「AIを詳しく知っているかどうか」の判断基準として、「AIを作ることができる」ことは重要と思います。
何かAIを使ったサービスが出てきたとき、それが誇大広告なのか、そうでなくてちゃんと内実を伴ったものであるかは、「AIを作ることができる」人の常識がないと判断できないためです。

AIを学びたい人は、
AIを詳しく知っており、AIの進歩に応じて教育内容を変えることができる指導者から以下のことを学ぶとよいでしょう。
・AIのどこからどこまで(範囲)を学ぶべきか
・AIの各コンテンツをどの深さで学ぶべきか(単に知識の存在を知っておけばいいレベルなのか、実装できるレベルまで学ぶべきか)
・各個人がどのようにAIを学ぶべきか(レクチャー動画や本を勧めたり、直接教えたりする)

2, ビジネスマン・エンジニアという職種による違いの観点から

次は、ビジネスマン・エンジニアという職種の違いから、どれくらいAIを学んだほうが良いかについて書きます。
結論から言うとビジネスマンもエンジニアもAIについては、できるだけ深く広く知っておいたほうが良い(実装もできたほうが良い)のです。
その理由は、例えば、ビジネスマンだとしても、AIを実装できるくらい深く知っておかないと、
・有用なツール(サービス)が出てきたときにその情報を拾えない。
・AIを使ったサービスが出てきたときに、それが本当に有用なのか、単なる誇大広告なのかを見極めることが判断できない。
・AI技術を知らないと適切な質問ができず、目の前にAIを使えるという人が現れた時にその人が本当にAIを使えるのか判断できない。
からです。
「目の前にAIを使えるという人が現れた時にその人が本当にAIを使えるのか判断できない」ことに関してさらに説明を加えますと、普通ある分野での人の実力を把握するとき、その人の過去の実績や、修士号や博士号などの学位、賞や、肩書(教授、准教授)などから判断しますが、DeepLearning関連のAIが出てきたのが比較的最近(2012年にDeepLearningのブレークスルーがあったばかり)なので、そういうものが必ずしも通用しない現状があります。実際に、日本の有名国立大学での機械学習の博士号や准教授の肩書を鵜呑みにして痛い目にあった(技術が古くて使い物にならなかった)人を何人か見てきました。

上記ではざっくりと「ビジネスマン」という単語を使ってきましたが、単にビジネスマンといっても様々な内容の職業があります。
ここでは、ついでに「システム開発を主導するビジネスマン」についても触れてみます。
今までは、システム作成を主導するビジネスマンは、プログラミングの細部は知らなくてよく、プログラミングでどんなことができるのかをざっくりと知っていて、システムの仕様を決定して、エンジニアに指示できれば良かったかもしれません。

その「システム開発を主導するビジネスマン」は、AI開発では基本的に通用しないでしょう。例外もあり、超優秀なAIエンジニアがいれば(非常に少ないでめぐり合うのは至難の業でしょう)、今までのビジネスマン像でも可能と思います。それでも「システム開発を主導するビジネスマン」は日々増えていく「AIが取り組めるタスク」の種類と内容は把握しておく必要があると思います。

ビジネスマンがどんなシステムを作りたいかにもよりますが、基本的にそのビジネスマン自身が「超優秀なAIエンジニア」になることが遠回りに見えて一番の近道、と個人的には思っています(優秀なAIエンジニアが少ない現状ではその状況はあと数年は続くでしょう)。特に日本では、「超優秀なAIエンジニア」がほとんど存在せず(僕が知っている範囲だと10-15人くらいです)、人材を探すより、自分自身が1-2年勉強して、「さまざまなAIシステムを開発できるAIエンジニア」になってしまった方が早いです。

世の中にたくさんいる初級から中級のAIエンジニアは基本的に既存のコードのコピペしかできず柔軟性に欠けます。PFNを除けば、汎用性のあるAI技術を持ったAIエンジニアは、各AIベンチャーに数名から多くて5人くらいです。

AIの実装に関しては、Webページ作成のようなパッチワーク(継ぎはぎの仕事)では何とかなりません。
AIを作成する際は、実装は少人数精鋭で行い、書くコードは多くて数千行程度です(データ収集や前処理を除く)。

僕の結論としては、AIシステム作成にかかわる人で、ちゃんと炎上せずに仕事をやり遂げたいなら、ビジネスマンでもできるだけ深く広く学び、自分で手を動かすことが大切と思います。

題名と少しずれた内容になってしまいましたが、
「若い子たちへの教育方法(AI編)その1」はここで終わりにします。

鈴木瑞人
東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 博士課程
株式会社パッパーレ 代表取締役社長
実践的機械学習勉強会 代表
NPO法人Bizjapan テクノロジー部門BizXチームリーダー

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