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米シアトル市、住宅の建築許可の申請をAIの道具で事前に確かめる試験をし、書類がそろっているかの点検から本番で試すよう勧めた

2026.10.26
米シアトル市、住宅の建築許可の申請をAIの道具で事前に確かめる試験をし、書類がそろっているかの点検から本番で試すよう勧めた

米シアトル市は、住宅の建築許可の申請に不備がないかを、出す前にAIの道具で確かめる試験をしました。過去の申請29件では、試験で調べた項目について、職員が見つけた不備の87%を道具も見つけました。審査中の申請57件では、道具の判定が審査員の最後の判断と91.7%一致しました。受付の期間が最大46日縮むという数字は、申請者が指摘を全部直し、受付の点検を全部自動にしたと仮定した見積もりです。道具はまだ本番では使っていません。

何が起きたか

シアトル市では、住宅の値段と、家を建てる費用が上がり続けています。市は、建築許可の手続きを速くすることを、自分で動かせる手段のひとつと見ています。

建築許可の申請は、2つの段階で審査します。最初の「受付の点検」では、書類がそろっているかを見ます。次の「審査」では、設計が建築の規則に合っているかを見ます。どちらの段階でも、市が不備を戻し、申請者が直して出し直すことをくり返します。タウンハウスや一戸建てなど小さな住宅の申請では、真ん中の値で受付の点検を2.6回、審査を3.7回くり返し、1回にほぼ1か月かかります。

市の改善の担当部署と建築・検査局(SDCI)は、2025年3月から10月まで、シブチェック(CivCheck)という道具を試しました。本番ではない、区切った環境での試験です。試験の途中で、シブチェックはクラリティ(Clariti)というソフトウェアの会社に買われました。報告書のまとめは2026年6月に出ました。

AIの使い方

シブチェックは、AIで申請の書類を読みます。図面のPDFなどから中身を取り出し、項目ごとのデータにまとめます。

そのデータで、書類がそろっているか、書き漏れがないか、設計が規則に合っているかを判定します。判定は、決めた規則どおりの計算で行い、AIに推し量らせていません。市は報告書で、この道具のAIの使い方は限られていると書いています。

判定の理由は画面で見え、職員は判定を上書きしたり、説明を足したりできます。

本番では、申請者が自分で道具に書類を入れて結果を見る形を考えています。ただ試験では、シブチェックの社員が過去の申請を道具に入れ、市の職員が結果を確かめました。職員約40人が使える状態になり、少なくとも14人が結果を確かめました。

試験の対象は、タウンハウス、一戸建て、離れの小さな住まいなどです。書類がそろっているかの項目を34個、規則に合うかの項目を67個、道具に入れました。

発表された数字

📊 試験 件数 結果
受付の点検(過去の申請) 29件 職員が戻した理由90件のうち、35件は試験の対象外。対象の55件のうち48件(87%)を道具も見つけ、7件は見逃した
受付の点検の食い違い 4件 道具は測量の図が要ると指摘したが、職員は事情を見て免除していた
審査(審査中の申請) 57件・1,262項目 審査員の最後の判断との一致は91.7%
審査の誤り 同上 直すべきなのに合格とした割合6.4%、合格なのに不合格とした割合1.9%

出典:シアトル市「CivCheck AI Pre-Screening Pilot Report」(2026)

市は、期間がどれだけ縮むかも見積もりました。下の表の「実際」は、道具を使っていない今の手続きの数字です。受付の2行では、「見積もりA」は試験と同じ項目だけを点検した場合、「見積もりB」は受付の点検を全部自動にした場合です。審査の2行では、見積もりAは用途地域と構造の審査を1回ずつ省けた場合、見積もりBは審査を1巡まるごと省けた場合です。どちらも、申請者が道具の指摘を全部直してから出すと仮定しています。

📊 真ん中の値・平均 実際 見積もりA 見積もりB
受付の点検を通るまでの日数 54.5日 29日 8日
受付の点検の回数(平均) 2.55回 1.75回 1回
審査を通るまでの日数 161日 146日 117日
審査で直す回数 3.72回 3.39回 2.72回

出典:シアトル市「CivCheck AI Pre-Screening Pilot Report」(2026)

報告書の「最大46日」は、受付の点検の54.5日が8日になる見積もりBの差です。

試験に関わった職員14人の調査では、71%が試験の前よりAIに好意的になったと答えました。86%は道具の役に立つ点のどれかに賛成しました。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ 確認できていない点
受付の期間が最大46日縮む 申請者が全部直し、受付の点検を全部自動にした場合の見積もりで、実際の申請では測っていない
受付の点検の正確さは87%(市のブログ) 報告書では「職員が見つけた不備のうち道具も見つけた割合」で、職員が見つけなかった不備は数えていない
正確さは使うほど上がる 試験の途中で調整した前と後の数字
職員の71%がAIに好意的になった 答えたのは14人
申請者が自分で使う形にする 申請者が実際に使った結果。外の20人は、AIが動かない見本で説明を受けただけ
本番の試験を勧めた 費用。会社が買われたあとの、市の新しい安全の審査とAIの審査の結果

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:シアトル市の報告書(2026)・ブログ(2026-06-17)

市は、書類がそろっているかの点検だけに絞り、申請者が選んで使う本番の試験を勧めています。規則に合うかの点検は、効果を見積もりにくく、申請者の期待の扱いも難しいためです。市の2026年の予算には、AIの許可の道具に75万ドルが入っています。ただ、2026年7月1日の市の情報技術部の報告では、建築・検査局はまだ道具を入れておらず、いくつかの試験を比べているところです。

誰に関係するか

取引先から請求書や見積書を受け取り、書き漏れや添付の不足を戻している経理の担当者に関係します。シアトル市と同じく、AIには書類の読み取りだけをさせ、そろっているかの判定は決めた規則で行えます。

保育園や介護の施設の入所の申し込みを受け付ける役所や団体で、必要な書類が事情によって変わる場合は、どの事情でどの書類がいるかを先に決めておかないと、自動で判定できません。

結果を数えるときは、見逃した不備と、要らない指摘を分けると、どちらを減らすべきかが見えます。

まとめ

87%と91.7%は、試験のチームが自動で判定できると考えた項目だけの数字です。職員が戻した理由90件のうち35件は、試験の対象の外でした。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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