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ノルウェーのサーモン養殖。稚魚の性別を超音波とAIで分ける

2026.09.14
ノルウェーのサーモン養殖。稚魚の性別を超音波とAIで分ける

ノルウェーのサーモン生産者ノードラクス(Nordlaks)が、養殖テックのグリーンフォックス・マリン(Greenfox Marine)の超音波とAIを使った仕分けを、スモルト(稚魚)の現場で採用します。ウィーアー・アクアカルチャー(WeAreAquaculture)が2025年12月3日に報じています。性別の仕分けと健康の検査を、一つの流れで行う仕組みです。

ワクチン接種のラインに超音波と光学とAIを組み込み、スモルトを性別・大きさ・健康で自動で分け、別飼いにします。

何が起きたか

ノードラクス・スモルト(Nordlaks Smolt AS)の運用責任者(オペレーションディレクター)、オイビンド・シェブリング(Øivind Skjevling)氏は、「魚の健康を見守りつつ生産を効率よくする良い手段だ」と話しています。

仕組みは三つです。外観を見るビジョン(光学)系、内臓を見る超音波チャネル、性別・大きさ・健康のプロファイルで分ける仕分け部です。ノードラクス向けは、いまあるワクチン工程にそのまま組み込みます。

グリーンフォックスは、姉妹会社でワクチン機をつくるルーミック(Lumic)と組んで機械を供給します。グリーンフォックス自体は、ブルー・フューチャー・ホールディング(Blue Future Holding)の完全子会社です。

グリーンフォックスのバイオテクノロジスト、エイビンド・レイアビク・ネルゴール(Eivind Leirvik Nergaard)氏によれば、性別仕分けと健康の指標付けを、ワクチンなど既存の工程に無理なく入れられる段階まで技術が進んでいます。

ノードラクスが注文した仕様では、体重20〜500グラムの魚を扱い、毎時最大2万尾まで仕分けできます。モジュールを増やすと、分析と仕分けは毎時最大4万尾まで上げられます。

グリーンフォックスはこの技術で、2025年8月のアクア・ノール(Aqua Nor)2025イノベーション賞を受賞しています(ウィーアー・アクアカルチャー)。アクア・ノール公式の2025年8月12日の紹介では、当時は同賞へのノミネート段階でした。

健康面では、外観だけでなく内部の状態も見ます。ベンダーの監視例には、早期の性成熟と腎石灰沈着症(nephrocalcinosis)があります。シェブリング氏は、性別仕分けだけでなく、健康状態をよりよく見られる機会にも期待しています。加えて、将来の専用の心臓検査ステーションでは、ノードラクスがパイロット顧客になります。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
ノードラクスがグリーンフォックスのAI超音波を採用。性別仕分けと健康検査を一つの工程で行う ノードラクスでの稼働開始日、設置台数
ビジョン(外部)+超音波(内部)+性別・大きさ・健康で仕分け ノードラクス固有の判定精度%、誤検知率
既存ワクチン工程へ組込。ルーミックのワクチン機と連携 組込後の魚への負荷の独立測定
20–500 g、最大毎時2万尾。モジュール追加で最大毎時4万尾 実測の平均処理尾数(時間あたり)、稼働率
アクア・ノール2025イノベーション賞を受賞(ウィーアー・アクアカルチャー)。8月12日稿はノミネート紹介 受賞発表の独立議事録の突合(本稿では報道に依拠)
顧客が性別選別を始めてから生産と収穫重量が4,000トン超増えた(グリーンフォックスの顧客一般の説明) ノードラクスでの増産・収穫重量の実測
性別別ケージで雄雌の収穫時期を分けられる。雌のフィレ歩留まりが良い、など(ベンダー/バイオ説明) ノードラクス現場での歩留まり・死亡率の前後比較
早期性成熟・腎石灰沈着症を健康監視の例として言及 当該疾患の検出感度・特異度の公開値
将来の心臓検査ステーションのパイロットにノードラクス パイロットの開始時期と評価指標

4,000トン超や歩留まりの話は、グリーンフォックスが顧客一般について述べている内容です。ノードラクスの成果としては扱いません。

誰に関係するか

畜産の性別・体重仕分けや、種苗・苗のロット分けでは、外観と内部(または透過)の情報を一つの流れで見て、別ロットにできます。人が手作業でプローブを当てていた計測を、接種や麻酔など既存の処理ラインに組み込む現場向けです。サーモンの孵化場でも、同じ組み込み方が使えます。

まとめ

既存の接種ラインに計測を足し、性別と健康で別ロットにします。毎時2万尾などの仕様は注文内容の説明です。4,000トン超の増産はベンダー顧客一般の数字で、ノードラクス固有の実測ではありません。

参考文献

  • Nordlaks adopts Greenfox Marine's AI technology for automatic smolt gender sorting(WeAreAquaculture)、https://weareaquaculture.com/news/technology/nordlaks-adopts-greenfox-marines-ai-technology-for-automatic-smolt-gender-sorting 、確認日 2026-09-14
  • Introducing the World’s First Fully Automated Gender Sorting Machine for Salmon Smolt(Aqua Nor)、https://aquanor.no/en/2025/08/12/greenfox-marine-nominated-for-the-2025-innovation-award/ 、確認日 2026-09-14
  • Nordlaks tar i bruk vår prisvinnende KI-teknologi for automatisk kjønnssortering(Greenfox Marine)、https://greenfoxmarine.no/en/news/nordlaks-tar-i-bruk-var-prisvinnende-ki-teknologi-for-automatisk-kjonnssortering/ 、確認日 2026-09-14(取得時409の場合あり。内容はWeAreAquaculture側で突合)

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)