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カナダの孵化場。ひなの性別を翼の画像と機械学習で分ける

2026.09.16
カナダの孵化場。ひなの性別を翼の画像と機械学習で分ける

カナダ・ケベック州スコット(Scott)の家族経営孵化場クボワール・スコット(Couvoir Scott)は、ひなの性別分けにターガン(TARGAN)のウィングスキャン(WingScan)を入れました。ターガン公式のケース(2026年8月3日)で紹介されており、ウィングスキャンは2026年4月から動いています。

熟練の手作業による羽色の性判別を、翼の画像と機械学習の自動仕分けに置き換え、処理の速さと出荷の時刻をそろえます。

何が起きたか

クボワール・スコットは、ブロイラー(肉用鶏)のひなを出す孵化場です。週に約100万羽のひなを出し、約5年で週約150万羽へ増やす計画です。総支配人はセバスチャン・モラン(Sébastien Morin)氏です。家業はグレゴワール=モラン(Grégoire-Morin)家が4世代にわたって家禽業に関わってきました。

導入前は、人手で羽の色を見て性別を分けていました。作業席が16の回転台を、人手の席を16から30へ広げる手動台へ変える計画もありました。売上は増えていましたが、熟練の性判別者を十分に雇うのが難しく、処理の速さと配達の予定に影響していました。

ウィングスキャンは、ひなの翼をカメラで読み、機械学習で性別を判定し、仕分けます。モラン氏は、この技術を商業化した最初の会社がターガンだったこと、施設を見たうえで契約したことを挙げています。設置と研修は短期間で進み、現場の技術者支援もありました。

処理の速さは大きく変わりました。手動では最大でおよそ毎時3万2,000羽だった性判別が、平均でおよそ毎時6万5,000羽になりました。ふ化率が良いときは、およそ毎時8万5,000羽まで上がります。いちばん忙しい日でも、性判別は約4時間で終わり、ひなは正午までに出荷の準備ができます。羽数は増えましたが、従業員の数はおよそ同じで、一部の部署ではやや減っています。

性判別の誤りは、手動のときと比べておよそ2%減りました。モラン氏は、ウィングスキャンは比較的やさしい工程で、ひなの福祉や死亡率に大きな影響は見ていない、と述べています。配達では、トラック到着時にひなの準備がそろい、運転手は早く出発できるようになりました。顧客からは、配達が速く安定した、という声もありました。

モラン氏は、ケベック州でウィングスキャンの契約を結んだ最初の孵化場であり、ほかの州内孵化場にも勧めた、と話しています。

なお、ターガンの製品ページでは、ウィングスキャン全体として精度97〜99%、最大でおよそ毎時16万羽、ビジョンと機械学習と仕分け、と説明しています。これらはウィングスキャン製品としての全体の説明であり、クボワール・スコット単体で測った結果ではありません。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
スコットの家族経営孵化場。週約100万羽。約5年で週約150万羽へ拡大計画(ケース) 独立した出荷台帳や監査での羽数確認
導入前は手動の羽色性判別。作業席16→30の手動台を計画。熟練者の採用が難しかった 採用難の人数・期間の公開データ
ウィングスキャンは2026年4月から稼働 稼働後の停止時間や保守コストの公開値
性判別:手動最大約3.2万羽/時 → 平均約6.5万羽/時。ふ化率良好時は最大約8.5万羽/時(ケース・モラン氏) 第三者による速度計測、測定日・ロット条件
繁忙日でも約4時間で性判別完了。正午までに出荷準備。従業員はほぼ同数で羽数増 配達遅延件数の前後比較
性判別誤差が手動比で約2%減。福祉・死亡率に大きな影響なし(モラン氏) 誤差の定義、独立試験、死亡率の監査表
ケベック州で契約した最初の孵化場、とモラン氏 「州初」の第三者確認
製品ページ(全体):精度97〜99%、最大約16万羽/時(製品としての全体の説明) スコット現場での同精度・同速度の実測

誰に関係するか

家禽以外でも、見た目のわずかな差で品を分ける手作業が、人手不足で遅れているラインに近いです。青果の等級分け、種苗の雌雄株分け、部品の左右・極性の仕分けなど、カメラと学習モデルで仕分け速度をそろえ、出荷時刻を前倒しする使い方が考えられます。

まとめ

熟練の視覚仕分けをカメラと学習モデルに移し、出荷時刻をそろえます。毎時の羽数や誤差の改善は、ベンダーケースと総支配人の説明です。製品ページの精度97〜99%や最大16万羽/時は、スコット単体の数字ではありません。

参考文献

  • Case study: Couvoir Scott accelerates hatchery operations with WingScan(TARGAN)、https://www.targan.com/news/case-study-couvoir-scott-accelerates-hatchery-operations-with-wingscan 、確認日 2026-09-16
  • WingScan(TARGAN製品ページ)、https://www.targan.com/wingscan 、確認日 2026-09-16

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)