韓国食品研究院(KFRI)は、三養食品(Samyang Foods)の密陽(Miryang)工場にある不鶏(ブルダッ)ソースの生産ラインで、ロボットとAIを使った現場実証を終えたと発表しました。公式の報道資料は2026年6月10日で、東亜サイエンスとヘラルド経済も同内容を伝えています。
高粘度のソースを詰めるラインで、ロボットが繰り返しの搬送を担い、AIが温度・圧力・重量の揺れを見て、作業者の判断を早めます。
不鶏ソースは輸出が増えている韓国発の食品(Kフード)の一つです。新しい容器デザインでは、コンベアで容器を連続搬送するときに揺れや干渉が起きやすいです。粘度が高いため、充填量、温度、包装の状態をそろえるのも難しいです。
実証は、産業通商資源部と韓国ロボット産業振興院が進める「AI自律製造ロボット実証事業」の一環です。KFRIが研究と実証をまとめ、SKパック(SK Pack)がロボット設備と自動化ラインを、ダイロテックス(DAIROTEX)が生産データの収集とAI分析を担いました。パートナー分担は東亜サイエンスの説明です。
ロボットは、空の容器を専用の受けに載せて正確な位置へ移す、フィルムラベル工程の前後で容器を分けたり載せ直したりする、小分けした製品を箱へ入れる、といった繰り返し作業を担当しました。
AIは、ラインの温度、圧力、重量、ロボットの状態を分析します。どこで作業が滞っているか、ソース注入量の誤差が大きくなっていないか、ロボットの動きが普段と違うかを、作業者がすぐ確認できる画面に出します。
実際の生産に当てた結果として、1日あたりの生産量は10トンから14.7トンへ増え、生産性は47%向上し、製造原価は35.5%減った、とKFRIは発表しています。
いまのラインは、量産の仕組みに合わせて設備と作業手順を安定させている段階です。運転条件がさらに整い、作業者が装置に慣れると、生産性と設備の安定はもう一段上がりうる見通しです。KFRIの安全流通研究団のオ・スンイル(Oh Seung-il)博士は、ロボットとAIが人を置き換えるのではなく、人がより速く正確に判断できるように支える使い方だと述べています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 日産10トン→14.7トン。生産性47%。製造原価35.5%減(KFRI等) | 測定期間、比較条件、第三者監査 |
| AIが温度・圧力・重量・ロボット状態を画面通知 | モデルの種類、学習データ量、誤報率 |
| ロボットが搬送・ラベル前後の載せ替え・箱詰めを担当 | ロボット台数、稼働率、停止時間 |
| 新容器の揺れ・干渉と高粘度管理が課題だった | 導入前の不良率・クレーム件数の公開値 |
| 最終判断は現場の人(KFRI/報道) | 判断権限の手順書の公開 |
| 量産向けに安定化中。習熟で追加改善の余地 | 安定化完了後の再測定 |
| SKパックがロボット、ダイロテックスがAI、と東亜 | 契約形態・費用の公開 |
電子部品のポッティング、化粧品のクリーム充填、医薬品の軟膏充填など、粘度が高く充填量と温度の管理が難しい工程でも使えます。容器の載せ替えや箱詰めは機械に渡し、工程データは画面で見て人が止めるかを決めます。味噌やジャム、ペーストの充填ラインでも同じ手順を当てはめられます。
繰り返しの容器搬送はロボットに渡し、温度・圧力・重量の揺れは画面で見て、止めるかは人が決めます。日産14.7トン・生産性47%・原価35.5%減はKFRIが発表した実証の数字で、いまは量産向けの安定化の途中です。