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フランスの温室。5分ごとの設定値をAIが出し、栽培者は戦略を残し、手動調整を減らす

2026.09.21
フランスの温室。5分ごとの設定値をAIが出し、栽培者は戦略を残し、手動調整を減らす

フランス・ナント近郊の温室会社エスセエア・ラ・プレン(SCEA la Plaine)は、ブルーラジックス(Blue Radix)のクロップコントローラー(Crop Controller)で自律栽培を始めました。ブルーラジックス公式の事例(2026年4月2日公開)が、栽培者ベノワ・ミュッセ(Benoît Musset)氏の導入を紹介しています。

温室の換気や温度などをまとめて操作する装置(気候コンピュータ)へ、AIが5分ごとに温度や換気などの目標の数値(設定値)を送ります。栽培者は自分の戦略を残し、日常の手動調整を減らします。

何が起きたか

ミュッセ氏は33歳で、5年前に父から事業を引き継ぎました。トマト、ナス、キュウリを育て、会社の面積は5.5ヘクタール(キュウリ2/トマト2.5/ナス0.9)です。働くのは二人で、日々の気候管理はミュッセ氏が一人で担います。換気、温度、遮光スクリーン、湿度のバランスを、その都度決めなければなりません。気候を一人で見ると、どこにでもいなければならないほどで、設定とデータの確認に多くの時間がかかります。

2025年の初めに自律栽培へ踏み切りました。きっかけは据付パートナーのディバテック(Divatec)で、リッダー(Ridder)の気候コンピュータとクロップコントローラーを接続しました。クロップコントローラーが5分ごとに設定値を計算し、人手を介さず気候コンピュータへ送ります。設備の動きは気候コンピュータが実行します。自分の戦略をシステムが追い、すぐ判断を助けてくれる点が魅力でした。稼働は2025年5月からです。

製品説明では、クロップコントローラーは栽培者の独自戦略を最適化し、実現します。24時間動く仮想の同僚のように栽培者と並んで働き、制御と効率を高めます。気候制御と灌水を5分ごとに計算し、3日先まで予測します。自律の気候と灌水を組み合わせると、栽培者は気候コンピュータ作業の約80%を削減できます。

働き方の変化にも時間が要ります。手動でギアを変えていた車が、急にオートマになるようなものです。慣れるには観察が必要で、数週間で信頼が生まれ始めます。

いちばん大きい変化は時間です。ミュッセ氏によると、毎日、気候コンピュータに費やす時間が約1時間減りました。大したことがないように聞こえますが、週やシーズンでは大きい変化です。浮いた時間は、温室内の観察や他の作業に使います。システムの動きと理由が見える画面(ポータル)では、システムが何をしているか、なぜそうしているかが分かります。それが信頼につながります。

開始当初は、ブルーラジックスの担当者とデータの入れ方や初期設定を密に進めました。正しいデータを入れなければならず、最初はシステムを知らなかったので助けが必要でした。最初はやり取りが多く、その後は監視と結果の話し合いに移ります。

開始から4か月未満で、自律気候の対象を2ヘクタールから5.5ヘクタールへ広げました。動きと効果が分かったための拡大です。換気の開き方や熱の抜き方も精密で、気候が安定しやすくなります。

開始後の2月には、トマトとナスの作付けにもクロップコントローラーを入れました。いまはエネルギー・スクリーン(遮光・保温用のスクリーン)の設定と最適化を進めています。新しい温室を建てたり買ったりするなら、最初からクロップコントローラーを入れる意向です。通常、温室を本当に理解するのに約3年かかりますが、こうしたシステムがあると、その過程を大きく速められます。

フランスの栽培者には自律栽培がまだ新しく、周囲の様子を見てから動くことが多い、とミュッセ氏は見ます。アドバイスは、まず試すこと。気候コンピュータがあればすぐ始められます。最初は制御を失うように感じますが、ポータルで動きが見えるので安心につながります。事例ページは、ブルーラジックスが幅広いパートナー・販売店と組んでいることに触れ、この事例ではリッダーとディバテックの貢献を明示しています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
ミュッセ氏33歳。5年前に父から継承。トマト・ナス・キュウリ(ブルーラジックス) 収量・品質・エネルギー単価の独立比較
5.5 ha(キュウリ2/トマト2.5/ナス0.9)。二人体制。気候は氏が一人担当 他拠点の有無
2025年初に決断。ディバテック経由。リッダー+クロップコントローラー。5分設定値を人手なし送信。2025年5月稼働 統合の詳細仕様書
戦略を24/7最適化。気候+灌水5分ごと。3日先予測。気候コンピュータ作業約80%削減(製品説明) 「約80%」の測定条件と独立監査
気候コンピュータが約1時間/日減。観察時間増。ポータルで理由が見える(ミュッセ氏) タイムスタディの第三者測定
4か月未満で自律気候を2 ha→5.5 ha 拡大時の一時的な不具合の有無
開始後の2月にトマト・ナスへ導入。スクリーン設定中。新規温室にも最初から入れる意向 2月の西暦の別紙確認(ページは開始後の2月と記載)
リッダー・ディバテックを謝意表示 契約形態・料金の公開

誰に関係するか

植物工場やきのこ栽培、畜舎の温湿度、酒蔵や乾物の保管温湿度、ビルや倉庫の空調設定など、環境の手動調整が重い現場への接点があります。既存の気候・環境コンピュータに、数分周期の設定値計算と数日先の予測を接続し、人は戦略と巡回観察に時間を移します。

まとめ

既存の気候コンピュータへ、5分ごとの設定値を人手なしで送り、栽培者は戦略と観察に時間を移します。気候コンピュータ作業の約80%削減は製品説明、約1時間/日減はミュッセ氏の説明です。

参考文献

  • Autonomous growing brings peace of mind and clarity for French grower Benoît Musset(Blue Radix)、https://blue-radix.com/autonomy-brings-peace-of-mind-and-clarity-for-french-grower-benoit-musset/ 、確認日 2026-09-21

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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