フランス・ナント近郊の温室会社エスセエア・ラ・プレン(SCEA la Plaine)は、ブルーラジックス(Blue Radix)のクロップコントローラー(Crop Controller)で自律栽培を始めました。ブルーラジックス公式の事例(2026年4月2日公開)が、栽培者ベノワ・ミュッセ(Benoît Musset)氏の導入を紹介しています。
温室の換気や温度などをまとめて操作する装置(気候コンピュータ)へ、AIが5分ごとに温度や換気などの目標の数値(設定値)を送ります。栽培者は自分の戦略を残し、日常の手動調整を減らします。
ミュッセ氏は33歳で、5年前に父から事業を引き継ぎました。トマト、ナス、キュウリを育て、会社の面積は5.5ヘクタール(キュウリ2/トマト2.5/ナス0.9)です。働くのは二人で、日々の気候管理はミュッセ氏が一人で担います。換気、温度、遮光スクリーン、湿度のバランスを、その都度決めなければなりません。気候を一人で見ると、どこにでもいなければならないほどで、設定とデータの確認に多くの時間がかかります。
2025年の初めに自律栽培へ踏み切りました。きっかけは据付パートナーのディバテック(Divatec)で、リッダー(Ridder)の気候コンピュータとクロップコントローラーを接続しました。クロップコントローラーが5分ごとに設定値を計算し、人手を介さず気候コンピュータへ送ります。設備の動きは気候コンピュータが実行します。自分の戦略をシステムが追い、すぐ判断を助けてくれる点が魅力でした。稼働は2025年5月からです。
製品説明では、クロップコントローラーは栽培者の独自戦略を最適化し、実現します。24時間動く仮想の同僚のように栽培者と並んで働き、制御と効率を高めます。気候制御と灌水を5分ごとに計算し、3日先まで予測します。自律の気候と灌水を組み合わせると、栽培者は気候コンピュータ作業の約80%を削減できます。
働き方の変化にも時間が要ります。手動でギアを変えていた車が、急にオートマになるようなものです。慣れるには観察が必要で、数週間で信頼が生まれ始めます。
いちばん大きい変化は時間です。ミュッセ氏によると、毎日、気候コンピュータに費やす時間が約1時間減りました。大したことがないように聞こえますが、週やシーズンでは大きい変化です。浮いた時間は、温室内の観察や他の作業に使います。システムの動きと理由が見える画面(ポータル)では、システムが何をしているか、なぜそうしているかが分かります。それが信頼につながります。
開始当初は、ブルーラジックスの担当者とデータの入れ方や初期設定を密に進めました。正しいデータを入れなければならず、最初はシステムを知らなかったので助けが必要でした。最初はやり取りが多く、その後は監視と結果の話し合いに移ります。
開始から4か月未満で、自律気候の対象を2ヘクタールから5.5ヘクタールへ広げました。動きと効果が分かったための拡大です。換気の開き方や熱の抜き方も精密で、気候が安定しやすくなります。
開始後の2月には、トマトとナスの作付けにもクロップコントローラーを入れました。いまはエネルギー・スクリーン(遮光・保温用のスクリーン)の設定と最適化を進めています。新しい温室を建てたり買ったりするなら、最初からクロップコントローラーを入れる意向です。通常、温室を本当に理解するのに約3年かかりますが、こうしたシステムがあると、その過程を大きく速められます。
フランスの栽培者には自律栽培がまだ新しく、周囲の様子を見てから動くことが多い、とミュッセ氏は見ます。アドバイスは、まず試すこと。気候コンピュータがあればすぐ始められます。最初は制御を失うように感じますが、ポータルで動きが見えるので安心につながります。事例ページは、ブルーラジックスが幅広いパートナー・販売店と組んでいることに触れ、この事例ではリッダーとディバテックの貢献を明示しています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| ミュッセ氏33歳。5年前に父から継承。トマト・ナス・キュウリ(ブルーラジックス) | 収量・品質・エネルギー単価の独立比較 |
| 5.5 ha(キュウリ2/トマト2.5/ナス0.9)。二人体制。気候は氏が一人担当 | 他拠点の有無 |
| 2025年初に決断。ディバテック経由。リッダー+クロップコントローラー。5分設定値を人手なし送信。2025年5月稼働 | 統合の詳細仕様書 |
| 戦略を24/7最適化。気候+灌水5分ごと。3日先予測。気候コンピュータ作業約80%削減(製品説明) | 「約80%」の測定条件と独立監査 |
| 気候コンピュータが約1時間/日減。観察時間増。ポータルで理由が見える(ミュッセ氏) | タイムスタディの第三者測定 |
| 4か月未満で自律気候を2 ha→5.5 ha | 拡大時の一時的な不具合の有無 |
| 開始後の2月にトマト・ナスへ導入。スクリーン設定中。新規温室にも最初から入れる意向 | 2月の西暦の別紙確認(ページは開始後の2月と記載) |
| リッダー・ディバテックを謝意表示 | 契約形態・料金の公開 |
植物工場やきのこ栽培、畜舎の温湿度、酒蔵や乾物の保管温湿度、ビルや倉庫の空調設定など、環境の手動調整が重い現場への接点があります。既存の気候・環境コンピュータに、数分周期の設定値計算と数日先の予測を接続し、人は戦略と巡回観察に時間を移します。
既存の気候コンピュータへ、5分ごとの設定値を人手なしで送り、栽培者は戦略と観察に時間を移します。気候コンピュータ作業の約80%削減は製品説明、約1時間/日減はミュッセ氏の説明です。