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フィンランドの合板工場。樺の単板で紛れる樹皮と健全節を、ニューラルネットワークが見分ける

2026.09.21
フィンランドの合板工場。樺の単板で紛れる樹皮と健全節を、ニューラルネットワークが見分ける

フィンランドの木材加工会社コスキセン(Koskisen)は、樺合板の単板接合ラインに、ラオテ(Raute)のAI単板解析を入れました。ラオテの顧客事例と、専門媒体のウッド・アンド・パネル(Wood & Panel)が、この更新を紹介しています。

樺単板の樹皮欠陥と健全節を、ニューラルネットワーク(神経網型の学習モデル)の解析でリアルタイムに見分け、約30年使ったコンポーズ(単板をつなぐ)ラインの精度と働きやすさを上げます。

何が起きたか

コスキセンは1909年創業です。本拠はフィンランドのヤルヴェラ(Järvelä)です。合板の年産は約6万5千立方メートルで、輸出先は世界向けです。

更新前の単板接合ラインは、約30年動いていました。工場では、最も望まれない作業場のひとつでした。従来の機械ビジョン(ルールや閾値で見た目を見る方式)は、樺単板で樹皮の欠陥と健全な節を取り違えやすかったのです。誤検知や見逃しは、品質のばらつき、材料の無駄、余分な検査につながりました。

開発技術者のマルコ・ホッカネン(Marko Hokkanen)氏は、「樺は木材加工のAIで最も難しい課題のひとつだ。構造が複雑で欠陥検出が極めて難しい。これまでの機械ビジョンは、信頼できるリアルタイム精度を出せなかった」と話します。

そこでコスキセンはラオテと組み、更新したコンポーズラインにニューラルネットワーク型のAI解析を載せました。従来のルール型ビジョンと違い、単板の特徴をリアルタイムに解析し、樹皮と健全節をより正確に識別します。誤検知を減らしつつ、適した単板だけを先へ進めることで、品質保証を強め、材料の無駄を抑える助けになります。慣れ親しんだ操作の流れは保ち、大きな作業の切り替えを抑えました。現場の作業者(オペレーター)は、従来の生産の流れの中で作業を続けられます。

ラオテのブログでは、同一の単板を旧方式とAIで並べた可視化例があります。その単板には樹皮欠陥が3箇所あります。旧方式は、樹皮を正しく1箇所、誤った欠陥種別で1箇所、見逃しを1箇所、と分けます。AIでは樹皮3箇所すべてが緑で囲まれ、正しく検出されます。さらに、通常は難しい健全節もAIでは非常に正確に検出されます。これはAI機能の説明用の可視化です。コスキセン工場の廃棄率や歩留まりの公式KPIとしては、ソースは断定していません。

作業場の印象も変わりました。ベンダー側の叙述では、更新後のラインは最高性能級で求められる作業場のひとつになり、自動化と検査の一貫性が上がり、現場の作業者の自信と満足も改善しました。

コスキセンのコンポーズ更新に使う実体は、産業用マシンビジョンと深層学習を組み合わせた欠陥検出です。単板ごとに詳細な欠陥マップを出し、切り取り(クリップ)や接合、仕分けの判断をそろえます。ラオテの2026年6月15日の製品ニュースでは、解析器開発は50年以上、単板処理の経験は50種超の樹種に及びます。マルクス・シルヴィオ(Markus Sirviö)氏は、原料のばらつきが増えるほど、工程の早い段階での誤りが後工程で高くつく、と話します。検出が一貫すると、歩留まりを上げ、工程全体に残る非効率を避けやすくなる、というのが同社の説明です。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
1909年創業、ヤルヴェラ。合板年産約6万5千立方メートル、輸出は世界向け(ラオテ) 導入前後の歩留まり%・廃棄%の独立監査
コンポーズラインは更新前に約30年稼働(ラオテ/ウッド・アンド・パネル) 更新工事の期間・投資額
従来ビジョンは樹皮と健全節を取り違えやすい。品質問題・無駄・余分な検査(両ソース) 誤検知率・見逃し率の公開数値
ホッカネン氏: 樺はAIで最難級。従来はリアルタイム精度が足りない 発言以外の第三者検証
ニューラルネットAIで樹皮・健全節をリアルタイム検出。操作の流れは維持(ラオテ) 他のラインへ広げる時期
ブログ可視化: 旧は樹皮3のうち正1・誤種別1・見逃し1。AIは3すべて+健全節も正確(ラオテ) コスキセン生産KPIとしての同一数値
作業場が最高性能級・人気へ。現場の作業者の満足向上(ベンダー叙述) 満足度調査の方法と人数
産業用ビジョン+深層学習、欠陥マップ、50種超・解析器50年以上(2026-06-15) コスキセン固有の処理速度公表値

誰に関係するか

見た目が似て取り違えやすいものを、ライン上で切り取りや仕分けに振る現場への接点があります。産業用ビジョンに深層学習を足し、1枚ごとの欠陥マップで判断をそろえます。操作の流れは従来に近づけます。たとえば、再生プラ片の異物と正規材、布のシミと柄、果実の傷と自然な斑、コルク表面の欠陥選別などです。

まとめ

コンポーズの見た目判定に、産業用ビジョンと深層学習の欠陥マップを足し、樹皮と健全節の判定をそろえます。操作の流れは従来に近づけます。ブログの樹皮3箇所の並びは機能説明の可視化で、工場の歩留まり数値ではありません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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