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ポルトガルのコルク栓。見た目を深層学習が判定し、1本あたり12回の決定を出す

2026.09.21
ポルトガルのコルク栓。見た目を深層学習が判定し、1本あたり12回の決定を出す

ポルトガルのコルティセイラ・アモリム(Corticeira Amorim)傘下、アモリム・コルク(Amorim Cork)は、コルク栓の見た目分類に人工知能を使っています。社内ニュース(2026年3月11日)が、工業責任者ティアゴ・ピーニョ(Tiago Pinho)氏の説明を中心に紹介しています。

コルク栓の見た目を深層学習(ディープラーニング。多層の学習モデル)が判定します。1本あたり複数回の決定を出し、ロットのそろいを上げ、熟練への依存を減らします。

何が起きたか

アモリム・コルクの工場では、1日あたり約2,500万本のコルク栓を生産しています。ロボティクスは15年以上前から進めていました。人工知能が入ったのは2020年からです。最初は機械学習(マシンラーニング)で、主に見た目に基づく栓の分類を改善しました。写真に加え、X線などのデータも使い、大量の情報から学習して精度と効率、ロットのそろいを上げ、工程の予測しにくさを減らしました。

導入前の分類は、1万行を超えるコードのアルゴリズムでした。書いた人しか中身を理解できない、とピーニョ氏は話します。機械は2Dと3Dの画像を解析していましたが、決定は70の調整可能なパラメータに依存していました。複雑さが解析の一貫性を高めず、計算資源も限られていたため、進化が必要だと分かりました。

目標は、人の介入を減らし、システムをより信頼でき予測しやすくすることです。高度な熟練に頼らず、変えるパラメータは2〜3で済む仕組みにしたかった。その人材は希少だからです。

解として選んだのが、あらかじめ書いたルールではなく、具体例から学ぶニューラルネットです。開発パートナーは、ギマランイス(Guimarães)のスタートアップ、センティネル(Sentinel)です。マイクロソフトの産業向けプログラムを通じてつながりました。センティネルは、以前この領域で進めていた3コントロール(3Control)との仕事を引き継ぐ形で、新しいアルゴリズムモデルを開発しています。最初は意思疎通が難しく、役割を入れ替え、ソフト技術者が工場フロアへ入り、ピーニョ氏のチームはAIを学ぶ必要がありました。

いまは深層学習の領域です。より洗練されたアルゴリズムで、人の脳の働きを簡略化した形で再現します。人の脳と違い、ニューラルネットは忘れず継続学習できます。過去の記憶を上書きせずにデータを足し、データを増やして誤差を減らします。人の評価は本質的に不完全で、同じやり方を同じように適用する再現性は、最高でも75%を超えない、とピーニョ氏は比較します。機械は、同じ画像について同じ決定を、90%のケースで行います。極端なばらつきが減り、そろいに近づけます。

秘訣はアルゴリズムそのものではありません。使う側が、機械ごとに欲しい出力をはっきり決めることです。データの質と量が、信頼できる決定を可能にします。固定ルールと手入力パラメータ、壊れやすいコードから、継続改善できるニューラルネットへの転換でした。

アモリム・コルクはスキルを内製し、チームがモデルを継続的に学習・評価・改善できるようにしました。いくつもの段階的な版を経て、人の介入を大きく減らし、システムはかなり自律に近い状態です。いま各コルク栓は、アルゴリズムに4回検査されます。見た目の分析に基づく決定は、1本あたり合計12回です。AIにより分類の効率とそろいが上がり、人の評価に伴うばらつきが減り、人は判定以外の仕事へ移せます。継続学習により、決定の再現性は60%から80%へ進みました。本数・75%/90%・60%→80%・12決定は、アモリム社内ニュースとピーニョ氏の説明です。

同グループの他事業では、知識共有のチャットボットやエージェントも進んでいます。本記事の中心は、コルク栓の見た目深層学習による等級付けです。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
1日あたり約2,500万本のコルク栓(アモリム社内ニュース) 工場別の内訳・稼働日数の定義
2020年からAI。見た目分類。写真・X線等。機械学習から深層学習へ 導入開始工場名の一覧
導入前は1万行超コード。2D/3D解析だが70パラメータ(ピーニョ氏) 旧方式の誤等級率の公開表
変えるパラメータを2〜3に。高度熟練への依存を減らす(ピーニョ氏) 熟練者数の前後比較
センティネル(ギマランイス)。マイクロソフトの産業プログラム。3コントロールの続き 契約条件・共同開発範囲の詳細
人の再現性は最高75%超えない。機械は同一画像で90%同決定(ピーニョ氏) 測定プロトコルとサンプル数の独立監査
1本を4回検査=見た目決定が計12 4回の工程位置の公開図
再現性が60%→80%(継続学習) 60%・80%の定義と期間の第三者検証
チームが学習・評価・改善を内製。かなり自律 残る人手介入の割合%

誰に関係するか

木材・皮革・タイルやセラミック・青果など、外観等級をラインで繰り返し、長いルールや多数のパラメータ、熟練検査に頼っている現場への接点があります。見た目分類を深層学習へ移し、変えるパラメータを少数に抑えます。判定の再現性を人の上限と比べ、継続学習でそろえます。

まとめ

長いルールコードと多数パラメータの見た目分類を、例から学ぶ深層学習に移します。変えるパラメータは少数にし、1本を複数回見てそろえます。継続学習で再現性を上げます。本数・75%/90%・60%→80%・12決定は、アモリム社内ニュースとピーニョ氏の説明です。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)