ポルトガルのコルティセイラ・アモリム(Corticeira Amorim)傘下、アモリム・コルク(Amorim Cork)は、コルク栓の見た目分類に人工知能を使っています。社内ニュース(2026年3月11日)が、工業責任者ティアゴ・ピーニョ(Tiago Pinho)氏の説明を中心に紹介しています。
コルク栓の見た目を深層学習(ディープラーニング。多層の学習モデル)が判定します。1本あたり複数回の決定を出し、ロットのそろいを上げ、熟練への依存を減らします。
アモリム・コルクの工場では、1日あたり約2,500万本のコルク栓を生産しています。ロボティクスは15年以上前から進めていました。人工知能が入ったのは2020年からです。最初は機械学習(マシンラーニング)で、主に見た目に基づく栓の分類を改善しました。写真に加え、X線などのデータも使い、大量の情報から学習して精度と効率、ロットのそろいを上げ、工程の予測しにくさを減らしました。
導入前の分類は、1万行を超えるコードのアルゴリズムでした。書いた人しか中身を理解できない、とピーニョ氏は話します。機械は2Dと3Dの画像を解析していましたが、決定は70の調整可能なパラメータに依存していました。複雑さが解析の一貫性を高めず、計算資源も限られていたため、進化が必要だと分かりました。
目標は、人の介入を減らし、システムをより信頼でき予測しやすくすることです。高度な熟練に頼らず、変えるパラメータは2〜3で済む仕組みにしたかった。その人材は希少だからです。
解として選んだのが、あらかじめ書いたルールではなく、具体例から学ぶニューラルネットです。開発パートナーは、ギマランイス(Guimarães)のスタートアップ、センティネル(Sentinel)です。マイクロソフトの産業向けプログラムを通じてつながりました。センティネルは、以前この領域で進めていた3コントロール(3Control)との仕事を引き継ぐ形で、新しいアルゴリズムモデルを開発しています。最初は意思疎通が難しく、役割を入れ替え、ソフト技術者が工場フロアへ入り、ピーニョ氏のチームはAIを学ぶ必要がありました。
いまは深層学習の領域です。より洗練されたアルゴリズムで、人の脳の働きを簡略化した形で再現します。人の脳と違い、ニューラルネットは忘れず継続学習できます。過去の記憶を上書きせずにデータを足し、データを増やして誤差を減らします。人の評価は本質的に不完全で、同じやり方を同じように適用する再現性は、最高でも75%を超えない、とピーニョ氏は比較します。機械は、同じ画像について同じ決定を、90%のケースで行います。極端なばらつきが減り、そろいに近づけます。
秘訣はアルゴリズムそのものではありません。使う側が、機械ごとに欲しい出力をはっきり決めることです。データの質と量が、信頼できる決定を可能にします。固定ルールと手入力パラメータ、壊れやすいコードから、継続改善できるニューラルネットへの転換でした。
アモリム・コルクはスキルを内製し、チームがモデルを継続的に学習・評価・改善できるようにしました。いくつもの段階的な版を経て、人の介入を大きく減らし、システムはかなり自律に近い状態です。いま各コルク栓は、アルゴリズムに4回検査されます。見た目の分析に基づく決定は、1本あたり合計12回です。AIにより分類の効率とそろいが上がり、人の評価に伴うばらつきが減り、人は判定以外の仕事へ移せます。継続学習により、決定の再現性は60%から80%へ進みました。本数・75%/90%・60%→80%・12決定は、アモリム社内ニュースとピーニョ氏の説明です。
同グループの他事業では、知識共有のチャットボットやエージェントも進んでいます。本記事の中心は、コルク栓の見た目深層学習による等級付けです。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 1日あたり約2,500万本のコルク栓(アモリム社内ニュース) | 工場別の内訳・稼働日数の定義 |
| 2020年からAI。見た目分類。写真・X線等。機械学習から深層学習へ | 導入開始工場名の一覧 |
| 導入前は1万行超コード。2D/3D解析だが70パラメータ(ピーニョ氏) | 旧方式の誤等級率の公開表 |
| 変えるパラメータを2〜3に。高度熟練への依存を減らす(ピーニョ氏) | 熟練者数の前後比較 |
| センティネル(ギマランイス)。マイクロソフトの産業プログラム。3コントロールの続き | 契約条件・共同開発範囲の詳細 |
| 人の再現性は最高75%超えない。機械は同一画像で90%同決定(ピーニョ氏) | 測定プロトコルとサンプル数の独立監査 |
| 1本を4回検査=見た目決定が計12 | 4回の工程位置の公開図 |
| 再現性が60%→80%(継続学習) | 60%・80%の定義と期間の第三者検証 |
| チームが学習・評価・改善を内製。かなり自律 | 残る人手介入の割合% |
木材・皮革・タイルやセラミック・青果など、外観等級をラインで繰り返し、長いルールや多数のパラメータ、熟練検査に頼っている現場への接点があります。見た目分類を深層学習へ移し、変えるパラメータを少数に抑えます。判定の再現性を人の上限と比べ、継続学習でそろえます。
長いルールコードと多数パラメータの見た目分類を、例から学ぶ深層学習に移します。変えるパラメータは少数にし、1本を複数回見てそろえます。継続学習で再現性を上げます。本数・75%/90%・60%→80%・12決定は、アモリム社内ニュースとピーニョ氏の説明です。