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スペインのプラスチック再生。赤外だけでは紛れるHDPEを、深層学習で洗う

2026.09.21
スペインのプラスチック再生。赤外だけでは紛れるHDPEを、深層学習で洗う

スペインのプラスチック再生会社エスラバ・プラスティコス(Eslava Plásticos)は、フランスの光学選別メーカーペレンクST(Pellenc ST)と組んでいます。高密度ポリエチレン(HDPE)の流れに、深層学習(ディープラーニング。画像から特徴を学ぶ手法)のモジュールを入れました。ペレンク公式(2025年9月25日)が導入を紹介しています。数字や効果の説明は、この公式に基づきます。

近赤外だけでは同じに見える混入物を、既存の光学選別に深層学習を足して形と見た目で分け、HDPEの純度を上げます。

何が起きたか

エスラバは1974年創業の家族企業です。低密度ポリエチレン(LDPE)、HDPE、ポリプロピレン(PP)など、同じ系統のプラスチック(ポリオレフィン)を再生します。ポリスチレン(PS)の再生でも先駆けで、年間4.5万トンの再生粒を出します。ヨーロッパの多素材再生では上位です。

主な拠点のひとつは、バレンシア州のクアルト・デ・ポブレ(Quart de Poblet)です。包装、自動車、農業などから来るHDPEを扱います。ペレンクとは約25年の協力関係があり、光学選別機で仕分けを細かくしてきました。

通常の近赤外(NIR。近赤外線で素材の違いを見る方式)は、多くの品で有効です。ただし、分光計で見ると同じ赤外のサインを出す混入物は、取り除くのが難しいです。

そこでペレンクは、既存機に足せる人工知能(AI)モジュールを開発しました。近赤外/可視光(NIR/VIS)と深層学習を組み合わせ、解析を速くし、複雑な仕分けに使います。

ニューラルネットワーク(多層の学習モデル)は数百万枚の画像で学習し、形・大きさ・見た目の差を見分けます。エスラバは、この新しいAI選別をHDPEの流れで最初に試し、検証した再生業者です。

モジュールは二つあり、役割が違います。CNSブレイン(CNS BRAIN™)は追加のエネルギー消費なしで動き、ポリエチレン(PE)の流れからシリコンカートリッジや鼻スプレーを分けます。AIソート(AISORT™)はコンピュータビジョン(機械の目)で食品包装と非食品を分け、ビーチサンダルやダイビングフィンなどをHDPEの流れから除きます。

工場長のハビエル・バジェステロス・マガダン(Javier Ballesteros Magadán)氏は、最終品の質が大きく上がり、人件費を増やさず処理量も増えた、とペレンクの記事で述べています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
年間4.5万トンの再生粒。ヨーロッパの多素材再生では上位(ペレンク) 第三者の生産量監査、順位の定義
クアルト・デ・ポブレでHDPEを処理。ペレンクと約25年協力 導入台数、モジュールの設置時期
NIRでは同じ赤外サインの混入除去が難しい 導入前の純度%の公開値
NIR/VIS+深層学習。数百万枚で学習。形・大きさ・見た目を識別 学習データの内訳、モデル構成の公開詳細
エスラバがHDPE流れで最初に試し検証 「最初」の第三者確認
CNSブレインでシリコンカートリッジと鼻スプレーをPEから分離。追加エネルギーなし 分離精度%、誤検知率
AIソートで食品/非食品を分離。ビーチサンダル・ダイビングフィン等を除去 食品グレード純度の前後比較
質が大きく上がり、人件費増なしで処理量増(工場長コメント) 純度・処理量・人件費の定量と独立監査

誰に関係するか

分光が同じで見た目だけ違う異物を人手で抜いている現場が近いです。薬の包装と中身の仕分け、見た目が似る金属スクラップ、色や形で紛れる青果・種子、繊維の見た目混入などが例です。既存の近赤外機に、形と見た目を学ぶモジュールを足し、人手を増やさず純度と処理量を狙います。

まとめ

既存の近赤外選別機に、形と見た目を学ぶ深層学習モジュールを足します。赤外信号が同じシリコンカートリッジやビーチサンダルなどを分け、食品/非食品も分けます。質向上と処理量増は、ペレンク公式に載った工場長の説明です。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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