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インドのメカニカルシール。上下両面を深層学習が見て、毎分120個まで通す

2026.09.22
インドのメカニカルシール。上下両面を深層学習が見て、毎分120個まで通す

インドのエイボン・シールズ(Avon Seals Pvt. Ltd.)は、ジドカ(Jidoka)の深層学習による外観検査で、カーボンとセラミックのメカニカルシール(機械用シール)の上下両面を見ています。ジドカ公式の事例ページが、導入の狙いと仕組み、公表している数値をまとめています。

農機・家庭用・自動車用水ポンプ向けのシールを作り、OEM(相手先ブランド製造)はインド、欧州、米国に及びます。手作業の両面検査では微小な欠陥を見逃しやすく、疲労で判定がぶれ、記録が残りにくい、という課題がありました。上下を連続で見ること、28品種を超える色・直径・仕上げへの対応、0.3ミリメートル級の欠陥、毎分120個の処理が、自動化の条件でした。

何が起きたか

検査の流れは、同じライン上で上下を連続して見ることです。水ポンプ用のシールは、面の傷や欠けが漏れや寿命に直結しやすいため、両面を同じ連続の流れのなかで見る必要があります。同期したカメラが2台あります。ステーション1では、専用の照明で上面を撮ります。そのあと、流れを止めない自動反転でシールを裏返し、ステーション2が下面を見ます。製品の直径は20〜40ミリメートルで、色や表面仕上げが違う28品種を超える品を、同じ装置構成で扱います。

判定にはジドカの深層学習エンジンを使います。欠け、ショートフィル(材料の不足)、割れ、表面の線、ラッピング痕(研磨の跡)といった微小欠陥を拾います。感度(欠陥を見逃さない割合)は99%超、特異度(良品を誤って弾かない割合)は95%超です。

部品ごとに、OK、NG、Rework(再加工)、Manual-Verification(人手確認)へ振り分けます。判定結果は即座にPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ。ライン制御装置)へ送られ、NGと再加工品は空圧で排出されます。OK品はそのまま下流の梱包へ進みます。既存ラインへの組み込みは、生産の流れを止めにくくしています。

装置の基盤は、コンパス(Kompass)とティグリス(Tigris)、およびイーグルアイ(Eagle-Eye)のビジョン検査です。ひとつのセットアップで28品種と毎分120個まで対応し、将来の拡張でもハードの変更をゼロにできる設計です。検査データは欠陥画像と生産指標とともに記録され、ライブのダッシュボード、追跡、品質改善に使います。

ジドカが大きな成果として挙げるのは次です。欠陥検出が40%向上し、微小な欠けや割れを手作業が見逃していた分を拾います。毎分120個の両面検査がタクトに合い、28品種を同一ハードで切り替えて切替の停止時間はゼロです。

現場の作業者の定型作業は90%超減り、疲労由来の誤りを減らします。カーボンとセラミックのシール面は検査が難しく、ラッピング痕や欠け、影の見え方に差があります。疑わしい品を誤って合格させるより拒否する、と事例ページの顧客コメントにあります。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
エイボン・シールズはインド大手メカニカルシール。農機・家庭・自動車用水ポンプ。OEMはインド・欧州・米国(ジドカ) 工場別の生産量・従業員数の公開表
手動両面は微小欠陥見逃し・疲労・追跡不足 導入前の見逃し率・クレーム率の独立数値
上下連続、28品種超(色・直径20〜40ミリメートル・仕上げ)、0.3ミリメートル級、毎分120個 品種一覧と直径別の割合
ステーション1上面→自動反転→ステーション2下面。同期カメラ2台 反転機構の図面・タクト内訳
欠け・ショートフィル・割れ・表面線・ラッピング痕。感度(欠陥を見逃さない割合)>99%・特異度(良品を誤って弾かない割合)>95%。OK/NG/Rework/Manual-Verification 測定条件・サンプル数の第三者監査
判定をPLCへ。NG・リワークは空圧排出。OKは下流へ 誤排出率・再加工率の前後比較
コンパス+ティグリス/イーグルアイ。28品種・毎分120個・同一セットアップ。欠陥画像と生産指標をログ 契約形態・導入費用の公開
欠陥検出40%向上、切替ダウンタイムゼロ、定型作業>90%減(大きな成果として) 40%・>90%の定義と独立測定
疑わしい品は誤合格より拒否する、との顧客コメント(ジドカ掲載) コメント発言者名・日時の別紙

誰に関係するか

軸受・ガスケット・小型金属部品、レンズやセラミック部品など、表裏の両面を連続で見なければならず、品種が多く、微小欠陥と速いタクトが両立しにくい検査現場でも使えます。表裏を止めずに見る二ステーションで通し、品種をハード組み替えせず、判定をライン制御へ渡して排出します。

まとめ

同じラインで上面を撮り、流れを止めない自動反転のあと下面を見ます。深層学習で微小欠陥を仕分け、判定をPLCへ渡して空圧排出します。28品種超を同一セットアップで通し、毎分120個・欠陥検出40%向上・定型作業90%超減は、ジドカ事例の説明です。

参考文献

  • How Avon Seals Achieved High-Speed Dual-Face Seal Inspection with Jidoka(Jidoka)、https://www.jidoka-tech.ai/case-studies/how-avon-seals-achieved-high-speed-dual-face-seal-inspection-with-jidoka 、確認日 2026-09-22

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)