インドのエイボン・シールズ(Avon Seals Pvt. Ltd.)は、ジドカ(Jidoka)の深層学習による外観検査で、カーボンとセラミックのメカニカルシール(機械用シール)の上下両面を見ています。ジドカ公式の事例ページが、導入の狙いと仕組み、公表している数値をまとめています。
農機・家庭用・自動車用水ポンプ向けのシールを作り、OEM(相手先ブランド製造)はインド、欧州、米国に及びます。手作業の両面検査では微小な欠陥を見逃しやすく、疲労で判定がぶれ、記録が残りにくい、という課題がありました。上下を連続で見ること、28品種を超える色・直径・仕上げへの対応、0.3ミリメートル級の欠陥、毎分120個の処理が、自動化の条件でした。
検査の流れは、同じライン上で上下を連続して見ることです。水ポンプ用のシールは、面の傷や欠けが漏れや寿命に直結しやすいため、両面を同じ連続の流れのなかで見る必要があります。同期したカメラが2台あります。ステーション1では、専用の照明で上面を撮ります。そのあと、流れを止めない自動反転でシールを裏返し、ステーション2が下面を見ます。製品の直径は20〜40ミリメートルで、色や表面仕上げが違う28品種を超える品を、同じ装置構成で扱います。
判定にはジドカの深層学習エンジンを使います。欠け、ショートフィル(材料の不足)、割れ、表面の線、ラッピング痕(研磨の跡)といった微小欠陥を拾います。感度(欠陥を見逃さない割合)は99%超、特異度(良品を誤って弾かない割合)は95%超です。
部品ごとに、OK、NG、Rework(再加工)、Manual-Verification(人手確認)へ振り分けます。判定結果は即座にPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ。ライン制御装置)へ送られ、NGと再加工品は空圧で排出されます。OK品はそのまま下流の梱包へ進みます。既存ラインへの組み込みは、生産の流れを止めにくくしています。
装置の基盤は、コンパス(Kompass)とティグリス(Tigris)、およびイーグルアイ(Eagle-Eye)のビジョン検査です。ひとつのセットアップで28品種と毎分120個まで対応し、将来の拡張でもハードの変更をゼロにできる設計です。検査データは欠陥画像と生産指標とともに記録され、ライブのダッシュボード、追跡、品質改善に使います。
ジドカが大きな成果として挙げるのは次です。欠陥検出が40%向上し、微小な欠けや割れを手作業が見逃していた分を拾います。毎分120個の両面検査がタクトに合い、28品種を同一ハードで切り替えて切替の停止時間はゼロです。
現場の作業者の定型作業は90%超減り、疲労由来の誤りを減らします。カーボンとセラミックのシール面は検査が難しく、ラッピング痕や欠け、影の見え方に差があります。疑わしい品を誤って合格させるより拒否する、と事例ページの顧客コメントにあります。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| エイボン・シールズはインド大手メカニカルシール。農機・家庭・自動車用水ポンプ。OEMはインド・欧州・米国(ジドカ) | 工場別の生産量・従業員数の公開表 |
| 手動両面は微小欠陥見逃し・疲労・追跡不足 | 導入前の見逃し率・クレーム率の独立数値 |
| 上下連続、28品種超(色・直径20〜40ミリメートル・仕上げ)、0.3ミリメートル級、毎分120個 | 品種一覧と直径別の割合 |
| ステーション1上面→自動反転→ステーション2下面。同期カメラ2台 | 反転機構の図面・タクト内訳 |
| 欠け・ショートフィル・割れ・表面線・ラッピング痕。感度(欠陥を見逃さない割合)>99%・特異度(良品を誤って弾かない割合)>95%。OK/NG/Rework/Manual-Verification | 測定条件・サンプル数の第三者監査 |
| 判定をPLCへ。NG・リワークは空圧排出。OKは下流へ | 誤排出率・再加工率の前後比較 |
| コンパス+ティグリス/イーグルアイ。28品種・毎分120個・同一セットアップ。欠陥画像と生産指標をログ | 契約形態・導入費用の公開 |
| 欠陥検出40%向上、切替ダウンタイムゼロ、定型作業>90%減(大きな成果として) | 40%・>90%の定義と独立測定 |
| 疑わしい品は誤合格より拒否する、との顧客コメント(ジドカ掲載) | コメント発言者名・日時の別紙 |
軸受・ガスケット・小型金属部品、レンズやセラミック部品など、表裏の両面を連続で見なければならず、品種が多く、微小欠陥と速いタクトが両立しにくい検査現場でも使えます。表裏を止めずに見る二ステーションで通し、品種をハード組み替えせず、判定をライン制御へ渡して排出します。
同じラインで上面を撮り、流れを止めない自動反転のあと下面を見ます。深層学習で微小欠陥を仕分け、判定をPLCへ渡して空圧排出します。28品種超を同一セットアップで通し、毎分120個・欠陥検出40%向上・定型作業90%超減は、ジドカ事例の説明です。