ベルギーのプリンティング・インターナショナル(Printing International)は、シーメンス(Siemens)のインスペクト(Inspekto)をフレックスライン・エス10(FlexLine S10)に載せ、製薬向けパッド印刷の見た目検査を回しています。シーメンスInsightsの事例が、デモから約20分で稼働した経緯と、三つの検査ポイントをまとめています。
同社は1974年からパッド印刷機を手がけ、従業員は35人です。製薬・医療機器向けの印刷技術で強く、受け入れ試験では顧客が機械と最終品を厳しく見ます。目に見えない薄い汚れでも不合格になりうるため、見た目の品質管理を厳しく回す必要がありました。
単純なセンサではずれを十分に拾えず、従来のカメラは調整と保守が複雑でした。フレックスライン9より前は、キーエンス(Keyence)のクラシックなビジョンを使い、焦点・露光・ズームを手で設定していました。プロジェクトマネージャのディディエ・ヴェルファリ(Didier Verfaillie)によると、それが遅く、誤りやすくしていました。
現場デモでは、シーメンスのアカウントマネージャ、トマ・ヴェルメール(Thomas Vermeir)が自社セットアップでライブ試験をし、約20分でシステムが稼働しました。見る場所を示し、良品と不良を教えれば完了します。ソフトが焦点や露光を自動で合わせ、画像を最適化するため、手での細かい設定は不要です。
フレックスライン・エス10では、インスペクトが三つの検査を担います。第一は、載荷前にキャリアが空かどうかです。二重積みや製品の損傷を避けるためで、キャリアがコンベヤ上を動いているあいだに検査します。
第二は、載荷後に製品があり、正しい位置に乗っているかです。誤ると製品ではなくキャリアに印刷してしまうため重要で、移動中に連続で画像認識します。
第三は、ライン末端で排出トレイが満杯で向きが正しいかです。一つ欠けていれば拒否します。こちらは静止位置での静止画で、カメラ構成も異なります。移動中と静止の検査を一つの機械に載せる点が、この構成の特徴です。
以前は、製品がわずかにねじれていても検出できず、マンドレル(芯棒)に印刷してしまうことがありました。作業者が機械を止めて清掃に入り、OEE(設備総合効率)に大きく影響しました。いまはインスペクトがその状態を自動で検出します。
遠隔アクセスで訓練や調整ができ、顧客も見られます。正しくセットすれば安定します。顧客側も技術に詳しく、インスペクトを自ら学びたいと考えています。
フレックスライン・エス10全体は、I/O、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)、ドライブ、サーボ、HMI(人と機械をつなぐ操作画面)までシーメンスでそろえています。ユニファイド(Unified)HMIパネルも使います。製薬では記録と追跡が必要で、一つの製品群に揃えることが検証にも効きます。
顧客の要求仕様(URS)が数百項目になっても、シーメンス規格でそろえていると説明しやすくなります。事例は、立ち上げ分・専門不要・移動/静止・再学習などを利点としてまとめています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| プリンティング・インターナショナルは1974〜パッド印刷。従業員35人。製薬・医療機器向けが強い(シーメンス) | 売上・納入台数の公開表 |
| 従来はキーエンス等で焦点・露光・ズームを手設定。複雑で誤りやすい(ディディエ) | 導入前の設定工数・誤設定率の数値 |
| 現場デモでインスペクトが約20分で稼働。見る場所を示し良否を教える。ソフトが焦点・露光を自動調整 | 20分の定義(何から何まで)の第三者測定 |
| フレックスライン・エス10で3検査: 空キャリア/載荷位置/トレイ満杯・向き | 各検査の誤検知率・見逃し率 |
| わずかなねじれを以前は見逃し、マンドレル印刷→停止清掃でOEE低下。いまAIが検出 | OEEの前後%・停止回数の独立数値 |
| 遠隔で調整・訓練可。I/O〜PLC・ドライブ・HMIまでシーメンス統一 | 契約形態・導入費用の公開 |
| 利点: 20–30分立ち上げ、専門不要、移動/静止、新画像で再学習、製薬向け安定検査(要約) | 不良率%・ゼロ欠陥達成率の第三者監査 |
ラベル貼り機や小型組立セルなど、複数の目視ポイントを短時間で自動化したい装置メーカーでは、載荷前の空確認、位置ずれで治具側に印字してしまう失敗を止める、排出トレイの欠品・向きを静止で見る、といった使い方が近いです。
見る場所を示して良否を教え、空キャリア・載荷位置・トレイ満杯を、移動中と静止で同じ系統に載せます。ねじれによるマンドレル印刷は自動検出し、焦点や露光の手設定はソフトに任せます。約20分稼働とOEE影響の軽減は、ディディエおよびシーメンス事例の説明です。