米国のキングス・リバー・パッキング・グループ(Kings River Packing group)は、トムラ(TOMRA)のルカイ(LUCAi)深層学習を、既存のスペクトリム(Spectrim)ビジョン選別に載せ、柑橘の等級を回しています。フレッシュプラザ(FreshPlaza)が2025年6月13日付で報じ、ソースはトムラ・フードです。CEOのボビー・ハインズ(Bobby Hines)、コブストーン・フルーツの工場責任者コルビー・キャンベル(Colby Campbell)、トムラ北米の営業担当クリントン・ジェフリーズ(Clinton Jeffries)、同社の応用エンジニアリング責任者クリストファー・ジョンストン(Christopher Johnston)博士のコメントが載っています。米国内で柑橘向けルカイを最初に本番展開した、と報じる導入です。
グループは家族経営で、キングス・リバー・パッキング、コブストーン・フルーツ(Cobblestone Fruit)、ジレー・パッキング(Jireh Packing)の3つの柑橘パッキングハウスを持ちます。スペクトリムを備えた選別レーンへ、ルカイを順に広げています。
コブストーン・フルーツの20レーンで通期の試験を行い、そのあと各パッキングハウスのほぼ100レーンへ拡大しました。既存のスペクトリムを入れ替えるのではなく、深層学習を載せて使う形です。レモン、マンダリン、オレンジ向けにルカイが使えます。
ハインズは、コブストーンでのルカイの性能を「突出していた」と評します。ある程度の改善は見込んでいたが、実際はそれよりはるかに印象的でした。
キャンベルは、ルカイが検出の難しい欠点を識別し、全体としても精度が高い点を挙げます。顧客へ良い品を安定して届けることや、今後のシーズンの事業の取り分(リターン)にもつながる、と見ています。現場のヘッドオペレータは、精度・速度・使いやすさが一段進んだ、と評します。ライン全体の性能に集中しやすく、等級の調整も速く、結果の一貫性を信頼できるようになった——キャンベル経由の評です。
ジェフリーズは、オペレータが工程で重要な役割を持ち続け、最終のソート条件はオペレータが握る点を強調します。使いやすさも重視しています。
ジョンストン博士の説明では、腐敗、日焼け、はさみで付く傷(クリッパー傷)、軸が長い実(長茎)など難しい欠点について、ルカイは精度99%超を示し、トムラの従来の最良写像モデルより良いです。
従来の写像(ピクセル写像)は、疑わしい欠点を示す数画素だけに注目するため、クリッパー傷のような難欠点では分類・等級が難しくなります。果実全体の広い文脈を見ないからです。ルカイは果実全体を見て欠点を分類します。
ルカイは、スペクトリム上のりんご向け、インビジョン2(InVision2)上のさくらんぼ向けに先行し、柑橘(レモン・マンダリン・オレンジ)へ広がりました。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| キングス・リバー・パッキング・グループは家族経営。3パッキングハウス(フレッシュプラザ/トムラ) | 各ハウスの処理量・従業員数の独立統計 |
| 既存スペクトリムをアップグレードし、米国内で柑橘向けルカイを最初に本番展開 | 「米国内初」の第三者確認 |
| コブストーン20レーンで通期試験のあと、ほぼ100レーンへ拡大 | レーン別の導入完了日・稼働率ログ |
| CEO: コブストーンでの性能は期待以上、とのコメント | 改善幅の定量KPIの第三者測定 |
| GM: 難欠点を識別し全体精度が高い、とのコメント | 欠点種別ごとの検出率・見逃し率の監査 |
| オペレータが最終ソート条件を握る(ジェフリーズ) | 操作画面の権限設計の公開仕様 |
| レモン・マンダリン・オレンジ向け。腐敗・日焼け・クリッパー傷・長茎で精度99%超 | 99%の測定条件・サンプル数の第三者監査 |
| 従来ピクセル写像は数画素のみ。ルカイは果実全体の文脈で分類(ジョンストン) | 従来モデルとのA/B試験の公開データ |
| 先行: りんご(スペクトリム)、さくらんぼ(インビジョン2) | 柑橘以外の数値KPIとの直接比較表 |
ナッツの見た目等級、生花の出荷そろえ、菓子・惣菜の微小欠点、卵のひび、木材の表面欠点など、外観の難欠点を既存レーンのまま精度を上げたい現場があります。現行ビジョンに深層学習を載せ、対象全体の文脈で欠点を分類し、最終の基準値(しきい値)は人が調整する運用にします。
既存ビジョンに深層学習を載せ、果実全体を見て難欠点を等級します。最終のソート条件はオペレータが握ります。