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米国の柑橘パッキング。難欠点を深層学習で見て等級する

2026.09.24
米国の柑橘パッキング。難欠点を深層学習で見て等級する

米国のキングス・リバー・パッキング・グループ(Kings River Packing group)は、トムラ(TOMRA)のルカイ(LUCAi)深層学習を、既存のスペクトリム(Spectrim)ビジョン選別に載せ、柑橘の等級を回しています。フレッシュプラザ(FreshPlaza)が2025年6月13日付で報じ、ソースはトムラ・フードです。CEOのボビー・ハインズ(Bobby Hines)、コブストーン・フルーツの工場責任者コルビー・キャンベル(Colby Campbell)、トムラ北米の営業担当クリントン・ジェフリーズ(Clinton Jeffries)、同社の応用エンジニアリング責任者クリストファー・ジョンストン(Christopher Johnston)博士のコメントが載っています。米国内で柑橘向けルカイを最初に本番展開した、と報じる導入です。

グループは家族経営で、キングス・リバー・パッキング、コブストーン・フルーツ(Cobblestone Fruit)、ジレー・パッキング(Jireh Packing)の3つの柑橘パッキングハウスを持ちます。スペクトリムを備えた選別レーンへ、ルカイを順に広げています。

何が起きたか

コブストーン・フルーツの20レーンで通期の試験を行い、そのあと各パッキングハウスのほぼ100レーンへ拡大しました。既存のスペクトリムを入れ替えるのではなく、深層学習を載せて使う形です。レモン、マンダリン、オレンジ向けにルカイが使えます。

ハインズは、コブストーンでのルカイの性能を「突出していた」と評します。ある程度の改善は見込んでいたが、実際はそれよりはるかに印象的でした。

キャンベルは、ルカイが検出の難しい欠点を識別し、全体としても精度が高い点を挙げます。顧客へ良い品を安定して届けることや、今後のシーズンの事業の取り分(リターン)にもつながる、と見ています。現場のヘッドオペレータは、精度・速度・使いやすさが一段進んだ、と評します。ライン全体の性能に集中しやすく、等級の調整も速く、結果の一貫性を信頼できるようになった——キャンベル経由の評です。

ジェフリーズは、オペレータが工程で重要な役割を持ち続け、最終のソート条件はオペレータが握る点を強調します。使いやすさも重視しています。

ジョンストン博士の説明では、腐敗、日焼け、はさみで付く傷(クリッパー傷)、軸が長い実(長茎)など難しい欠点について、ルカイは精度99%超を示し、トムラの従来の最良写像モデルより良いです。

従来の写像(ピクセル写像)は、疑わしい欠点を示す数画素だけに注目するため、クリッパー傷のような難欠点では分類・等級が難しくなります。果実全体の広い文脈を見ないからです。ルカイは果実全体を見て欠点を分類します。

ルカイは、スペクトリム上のりんご向け、インビジョン2(InVision2)上のさくらんぼ向けに先行し、柑橘(レモン・マンダリン・オレンジ)へ広がりました。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
キングス・リバー・パッキング・グループは家族経営。3パッキングハウス(フレッシュプラザ/トムラ) 各ハウスの処理量・従業員数の独立統計
既存スペクトリムをアップグレードし、米国内で柑橘向けルカイを最初に本番展開 「米国内初」の第三者確認
コブストーン20レーンで通期試験のあと、ほぼ100レーンへ拡大 レーン別の導入完了日・稼働率ログ
CEO: コブストーンでの性能は期待以上、とのコメント 改善幅の定量KPIの第三者測定
GM: 難欠点を識別し全体精度が高い、とのコメント 欠点種別ごとの検出率・見逃し率の監査
オペレータが最終ソート条件を握る(ジェフリーズ) 操作画面の権限設計の公開仕様
レモン・マンダリン・オレンジ向け。腐敗・日焼け・クリッパー傷・長茎で精度99%超 99%の測定条件・サンプル数の第三者監査
従来ピクセル写像は数画素のみ。ルカイは果実全体の文脈で分類(ジョンストン) 従来モデルとのA/B試験の公開データ
先行: りんご(スペクトリム)、さくらんぼ(インビジョン2) 柑橘以外の数値KPIとの直接比較表

誰に関係するか

ナッツの見た目等級、生花の出荷そろえ、菓子・惣菜の微小欠点、卵のひび、木材の表面欠点など、外観の難欠点を既存レーンのまま精度を上げたい現場があります。現行ビジョンに深層学習を載せ、対象全体の文脈で欠点を分類し、最終の基準値(しきい値)は人が調整する運用にします。

まとめ

既存ビジョンに深層学習を載せ、果実全体を見て難欠点を等級します。最終のソート条件はオペレータが握ります。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)