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オランダのPETトレイ再生。食品用かどうかをAIで見分ける

2026.09.25
オランダのPETトレイ再生。食品用かどうかをAIで見分ける

オランダのシレック(Cirrec)は、シュタインエルト(STEINERT)のユニソートPRエボ5.0(UniSort PR EVO 5.0)と、インテリジェント・オブジェクト・アイデンティファイア(Intelligent Object.Identifier。以下IOI)で、家庭から回収したPETトレイを、食品に使える品質(食品グレード)の再生材へ回しています。シュタインエルト公式(2026年1月14日)が導入を伝え、パッケジング・ヨーロッパ(Packaging Europe)も同月16日付で報じています。フェルヒ(Faerch)の技術プロジェクトマネージャは、シモーネ・ティレッリ(Simone Tirelli)です。材質が同じPETでも、食品に触れていたトレイかどうかを物体認識で分けるラインです。

シレックはフェルヒ傘下で、工場はデュイフェン(Duiven)にあります。2024年4月から稼働し、年6万トン、トレイに換算すると30億個を超える処理です。

何が起きたか

欧州連合の規則2022/1616では、食品向け再生PETに戻せるのは、すでに食品に触れていた包装に限られます。弁当のトレイは対象になり、ねじ用のブリスターは対象外です。どちらも化学的にはPETのため、従来の近赤外(NIR)選別だけでは区別できません。

シレックはユニソートを3台置き、トレイを1枚ずつ見ます。たくさんの波長で見る近赤外(ハイパースペクトル)のカメラが化学組成を取り、色カメラが見た目の特徴を取ります。二つのセンサが材料上の同じ点を同時に見る仕組み(センサ融合)です。学習用のデータ品質が上がり、選別精度も上がります。

二つのデータ列を、IOIが使います。IOIは食品包装を認識するよう学習した、人工知能ベースの選別プログラムです。弁当トレイの形、よくある印刷、表面の質感といったパターンを見つけます。シュタインエルト側の選別で、食品向けの品質に必要な純度95%超を達成し、その後の工程の条件を整えます。

ティレッリのコメントでは、食品向けの品質に求められる厳しい基準には、選別の精度が欠かせません。この工場では、プラスチックの廃棄物を使える資源へ変えることに取り組んでいます。

工程は、ベール到着のあと、オーバーヘッド磁石(UME)で鉄系、渦電流分離(CanMaster)で非鉄を除きます。光学選別のあと、粉砕・洗浄を経てフレークとペレットにします。

フェルヒ・グループの生産へ渡り、新しい包装の再生材平均含有率は70%です。ライフサイクル評価(LCA)では、トレイ用再生PETはバージンPETより二酸化炭素が57%少ないです。

入力の組成や包装デザインが変わっても、ハードを替えずにIOIを再学習できます。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
シレックはフェルヒ傘下。デュイフェンで2024年4月稼働。年6万トン/トレイ30億個超(シュタインエルト) 処理量・トレーサビリティの第三者監査
ユニソートを3台。たくさんの波長で見る近赤外+色カメラの同時視点 センサ校正手順・同時視点の誤差仕様
IOIが形・印刷・表面の質感で食品包装を認識 学習件数・誤分類率の独立測定
食品向けの品質に必要な純度95%超 95%の定義・サンプリング条件の監査
EU規則2022/1616により食品接触済みのみ循環可。従来近赤外では同材区別が困難 規則解釈の法務レビュー全文
再生材平均含有率70%。ライフサイクル評価で二酸化炭素57%減 ライフサイクル評価の境界・第三者検証
産業規模のトレイtoトレイ食品グレードは世界唯一、との自己説明 「唯一」の競合調査

誰に関係するか

見た目が似る返却容器と使い捨ての仕分け、病院・ラボの同樹脂容器の接触履歴分け、小売の回収トレイの食品/雑貨混在など、材質センサでは同じに見えるのに、用途や接触履歴で戻せる循環が違う現場があります。材質センサと見た目センサを同じ点で取り、物体認識で用途の線を光学選別に載せます。

まとめ

ハイパースペクトル近赤外と色カメラで同じ点を同時に取り、弁当トレイの形・印刷・質感で食品包装を分けます。純度の条件を選別側で整えてから、粉砕と洗浄へ進みます。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)