イタリアのイレン(Iren SpA)は、トリノ近郊コレニョ(Collegno)の紙・板紙選別工場で、ペレンクST(Pellenc ST)のコンパクトプラス(COMPACT+)光学選別機と、CNSブレイン(CNS BRAIN)深層学習を使い、紙・板紙を6区分へ分けています。
シュタドラー(STADLER)公式(2025年9月4日)とペレンク公式(2025年11月27日)が導入を伝えています。見た目が近い白い紙と白い板紙を分けるラインです。
工場の能力は時速8トンです。イタリアで、1本の選別線から紙・板紙を6区分へ落とす設備は初、と両社は書いています。
6区分は、大型段ボール、印刷インキを抜いて再生する向けの紙(脱墨紙)、白い紙、微細な紙、アルミ付きの多層、アルミなしの多層です。
流れは、まずシュタドラーの二重デッキ弾道分離(PPK2000とSTT2000)です。弾む/跳ねる原理で大きさなどに分け、大型段ボールと微細物を外します。中くらいの紙分は、ペレンクのコンパクトプラス光学選別機6台へ進みます。近赤外(NIR)と可視の分光に加え、CNSブレインが入っています。
ペレンクのイタリア担当、マッテオ・ロヤコーノ(Matteo Loiacono)は、繊維系の新しい用途として、白い紙と白い板紙の区別を挙げます。見た目は近いのに、価値が違います。
CNSブレインは既存の光学選別に直接載り、追加の設備や追加の電力を要しない、とロヤコーノは説明します。茶色の段ボールが増え、新聞や雑誌が減るなかで、オフィス紙など高価値区分の取れ高(歩留まり)を上げるのが課題です。
イレンのプロジェクトマネージャ、ダミアーノ・ジョヴァナルディ(Damiano Giovanardi)は、設計の途中で線の分離能力を上げる必要が出て、シュタドラーとペレンクがレイアウトを合わせて性能を確保しました。
既存の建屋に収める制約があります。シュタドラーのパオロ・クラヴェディ(Paolo Cravedi)は、供給部と、紙を圧縮して束にする梱包機(ベーラー)の位置の見直しを難所に挙げます。
旧設備の解体に3週、機械組立に3か月、電気工事に2か月、試運転に1か月で、予定どおり進みました。立ち上げと性能試験は4週で終え、同じ期間に運転訓練も行い、直後から自社運転へ移れました。
各区分は、人手の品質確認と、中身の割合を自動で見る分析(組成分析)のあと、梱包して保管します。バイパスや供給の切り替えもあり、市況に合わせて投入を変えられます。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| コレニョ工場。時速8トン。伊で単一線6区分が初(シュタドラー/ペレンク) | 「伊初」の競合比較表 |
| 6区分の内訳(大型段ボール〜アルミ有無の多層) | 区分ごとの純度・取れ高の独立測定 |
| 弾道分離のあとコンパクトプラス6台。近赤外+可視+CNSブレイン | 深層学習の学習件数・誤分類率 |
| ロヤコーノ: 白紙と白板紙は見た目が近いが価値が違う。追加電力なし | 「追加電力なし」の計測条件 |
| 既存建屋。解体3週・組立3か月・電気2か月・試運転1か月。性能試験4週 | 稼働率・障害ログの長期記録 |
| 茶色段ボール増・印刷物減への対応が狙い | 投入組成の長期統計 |
色が近い衣料の素材分け、見た目が似るプラスチック等級、焙煎色むら下の豆欠点、塗装むら下のキズ検査など、見た目や分光が近くても単価や次工程の仕様が違う素材を光学選別で切り分ける現場があります。近赤外と可視の選別に深層学習を足し、価値の違う区分だけを切り出します。
近赤外と可視の光学選別に深層学習を直接載せ、見た目が近い高価値区分だけを切り出します。弾道分離のあと光学機で6区分へ落とし、人手の品質確認と自動の組成分析のあとに梱包します。