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スコットランドの鶏卵パッキング。割れを深層学習で見て等級する

2026.09.26
スコットランドの鶏卵パッキング。割れを深層学習で見て等級する

スコットランドのファームレイ(Farmlay)は、2024年11月、サノボ・テクノロジー・グループ(SANOVO TECHNOLOGY GROUP)の人工知能(AI)ビジョン等級機に約4.7億円(約240万ポンド。2024年11月時点の概算換算)を投じる計画を明らかにしています。建屋の改修も含みます。

フード・マニュファクチャー(Food Manufacture)、アバディーン・アンド・グランピアン商工会議所(AGCC)、ラーダー・マガジン(Larder Magazine)が、同月に導入計画を報じています。経営責任者はイアン・チャップマン(Iain Chapman)です。新機はオランダのサノボ工場から出荷し、2025年1月に設置する予定です。

鶏卵を高解像の画像で撮り、深層学習が割れ・色・質感・形を分けます。従来は卵に触れて割れを見る検査が多く、新機は触らない画像検査へ切り替えます。

拠点はアバディーンシャーのコックミュア農場(Cockmuir Farm)です。アルディ(Aldi)、リドル(Lidl)、モリソンズ(Morrisons)、スパー(Spar)向けに卵を供給しています。フル稼働後は、処理量の増加に合わせて約10人の新規雇用を見込んでいます。

何が起きたか

需要が増えるなか、既存の等級機を長時間回す案もありました。チャップマンは、バックアップがなく故障時のリスクが残るため、長く続ける手ではないと判断しています。

現行の等級機は1時間あたり約500ケース(梱包の単位)、新しい機は約400ケースです。AGCCとラーダーでは、チャップマンが「二つ合わせて出力がほぼ倍になる」と説明しています。フード・マニュファクチャーは、新機の400ケースを「現行出力のほぼ倍」とも書いており、言い回しに差があります。

高解像の画像を深層学習で解析し、割れと正常な卵を分けます。色・質感・形の差も見て、新しいデータで学習を続けます。

機器側の技術説明は、エマージェント・ビジョン・テクノロジーズ(Emergent Vision Technologies)のサノボ事例にあります。これは製品技術の説明であり、ファームレイ固有の稼働後の数字ではありません。従来の割れ検知は卵に触れて力を測る方式が多く、割れを広げたり、良い卵を誤って捨てること(誤棄却)を増やしたり、汚れが別の卵へ移ること(交差汚染)を起こしたりするおそれがあります。サノボは触らない多カメラ方式へ切り替えています。

サノボ製品側の説明では、18列の等級構成で21台のカメラが卵1個あたり最大16枚を撮ります。上面・側面・下面を取り、殻全体の見え方をそろえます。画像は光ファイバー経由で、エヌビディア(NVIDIA)のGPUを載せた産業用PCへ流れます。深層学習が欠陥を分類し、結果を機械の制御へ渡して、割れや下位等級の卵を自動で外します。高能力構成では、1時間あたり最大約25万5000個まで対応します。誤棄却はこれまでで最も低い水準、とサノボ側は説明しています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
約4.7億円(建屋改修含む)。2025年1月設置予定。フル稼働で約10人の新規雇用(Food Manufacture/Larder、2024-11) 設置後の実稼働日・雇用の確定数
現行約500ケース/時、新機約400ケース/時。合わせてほぼ倍、とチャップマン(AGCC/Larder) ケース定義の監査。稼働後の実測スループット
Food Manufactureは新機400ケースを「現行のほぼ倍」とも記述 現行出力の定義がソース間で一致するか
深層学習で割れ・色・質感・形を分け、新データで学習を続ける(各紙) 検出率%・誤棄却%の独立測定(Farmlay稼働後)
サノボ製品:卵1個あたり最大16画像・21カメラ。最大約25万5000個/時。誤棄却はこれまで最低水準、とサノボ(Emergent事例) 上記がファームレイ導入機の実測であることの確認
接触式割れ検知の汚染・割れ拡大・誤棄却リスクを、非接触で下げる狙い(Emergent事例) 接触式との並列比較の第三者試験

誰に関係するか

薬のソフトカプセルのピンホール検査、びん詰めラインの微細ヒビ、種やナッツの殻の欠け仕分けなど、触ると傷や汚れが増えやすい曲面を、止めずに等級したい現場があります。力センサではなく多視点の画像と深層学習で、外観の差を分けます。

まとめ

卵に触れず多視点の画像を深層学習で見て、割れと色・質感・形を同じ流れで分けます。既存機と並行して処理量を増やす計画です。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)