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マドリード空港の小包ハブ。荷姿をAIビジョンで掴んで誘導する

2026.09.26
マドリード空港の小包ハブ。荷姿をAIビジョンで掴んで誘導する

スペインのディーエイチエル・エクスプレス(DHL Express)は、マドリード空港バラハス(Barajas)の小包ハブで、フィジール(Fizyr)のビジョンと、エーダブリューエル(AWL)・ヴァンダーランデ(Vanderlande)のロボット誘導を本番運用しています。

ヴァンダーランデ公式がパイロットから本番までの経緯を伝え、ロッキングロボッツ(Rockingrobots)が2025年4月に事例をまとめています。フィジールは2026年2月10日付の記事で、マドリードでの数字を改めて示しています。

山積みの紙袋・ポリ袋・封筒を、AIビジョンが1個ずつ見分けて掴み、選別機(ソーター)へ渡す手前のベルトへ置くラインです。

ハブは1万4500平方メートルで、2018年に開業しました。ロボット・オート・インダクト(Robot Auto Induct)は、人が選別機へ荷物を載せていた位置に入り、2022年11月から本番です。連携側の呼び名はロシ(ROSI。RObotic SIngulation)です。

何が起きたか

誘導(インダクション)は、山から荷物を取り、選別コンベヤへ1個ずつ乗せる作業です。紙袋・ポリ袋・封筒が混ざり、形も重さもまちまちです。人手の反復が多く、夜勤の人員確保が難しい場面もあります。

ヴァンダーランデはエーダブリューエルと試作し、ディーエイチエルがマドリードで検証しました。フィリプ・パクス(Filip Pax)は、ハブにもともとヴァンダーランデの選別機があり、つなぎ込みやすかった点を挙げます。目的のひとつは、他拠点へ広げる設計図を得ることです。

フィジールのビジョンが山の中の1個を見分け、形状とサイズを決めて、掴む順番・掴み方・掴む位置をロボットへ渡します。吸引カップの本数は形と重さで切り替え、大きい重い袋ならカップをすべて使い、置きベルトへ移して離します。黒い包装や、光る反射面も見分けます。

置いたあとにベルト上を撮像し、置きが成功したか、2個を同時に掴んでいないかを確認してから、本選別へ送ります。処理対象は薄い荷物(フライヤー)と、最大2キログラムの荷物です。能力は約1500個/時です。精度はヴァンダーランデが99%、フィジールが99.9%(1500個超/時)、ロッキングロボッツが99.99%と、出典ごとに言い方が分かれます。

フアン・カルロス・カレテロ(Juan Carlos Carretero)にとっての利点は、荷物ごとにほぼ個別の扱いができ、反復作業を減らせることです。ラファエル・マテウ(Rafael Mateu)は、商用便向けの処理が1日30トンから60トンへ増えた点を挙げます。同じ数字はヴァンダーランデのファストフォワード(Fast Forward)記事にも出てきます。ただし同記事の、最大5000個/時から2万4500個/時への増は、選別システム全体の能力です。ハブ全体の選別能力の説明で、ロボット単体の約1500個/時ではありません。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
マドリード空港ハブにロボット・オート・インダクト。フィジールビジョン。エーダブリューエル・ヴァンダーランデ連携。2022年11月本番(ヴァンダーランデ) 本番後の稼働率・故障率の第三者監査
薄い荷物(フライヤー)・最大2kg。約1500個/時(各ソース) 計測条件(ピーク/平均)の監査
精度99%(ヴァンダーランデ)/99.9%(フィジール)/99.99%(ロッキングロボッツ) 定義の差・第三者測定
ビジョンが形状・掴む順番・掴み方・掴む位置を指示。吸引カップ数を切替。黒・反射面も識別(ヴァンダーランデ) 学習データ規模・誤把持率の独立測定
置き後画像で置成功と二重取りを確認(ヴァンダーランデ) 二重取り検出の再現条件
商用便向け30→60トン/日(マテウ/各ソース)。ハブ全体は最大5000→2万4500個/時(ファストフォワード) トン増のうちロボット単体の寄与割合

誰に関係するか

返品センターの袋・箱・緩衝材が混ざる投入口、病院・ラボの形状違いキットを1列に並べる手前など、形がそろわない荷物をベルトへ1個ずつ乗せる現場があります。置き後の画像で二重取りを見る流れは、選別機全体を入れ替えなくても、誘導の手前だけに載せられます。

まとめ

山の1個をビジョンで見分け、掴む位置と吸引カップの本数を決めてベルトへ置きます。置き後の画像で二重取りを弾いてから本選別へ渡します。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)