デンマークのベルックス(Velux)は、シック(SICK)のディープラーニング(Deep Learning)を使い、窓ブラインド用のアルミ部品に入れたフォームの充填を検査しています。規則で合否を書きにくい見た目を、ニューラル網に学習させます。
シックのセンサブログ(2022年6月28日)が、上級オートメーションプログラマのラッセ・ハマー・ヘデビー(Lasse Hamer Hedeby)の説明をもとに、経緯をまとめています。
ベルックスは、天窓や窓まわりの製品で知られます。ソフト部門は、生産と品質管理向けのソフトを自社で作り、機械ビジョンも使ってきました。部品の一部は、これまで人手で見ていました。経験の差で判定がずれたり、同じ判定を一日中続けると目が慣れて見落としやすくなったりします。そこでカメラ検査を足し、作業者を支える方向へ進めました。
ただし、工程は多く、新しいマシンビジョンのたびに規則ベースのソフトを書く必要がありました。その開発は、最大でおよそ200人時かかることがあります。シックのアプリ基盤アプスペース(AppSpace)上のディープラーニングを使うと、書く量が減り、およそ20人時まで短縮できました。単調な規則作りから熟練者を外し、別の仕事へ回す狙いもあります。
最近の題材のひとつが、窓ブラインド用のアルミの細長い型材(プロファイル)へのポリエチレンフォーム充填です。膨らみ方は均一でなく、規則で「足りている/足りない」をはっきり書きにくい課題があります。完全に充填された見え方をソフトに教え、結果は良かった一方で、最初から完璧ではありませんでした。型材は細長いため評価情報が画像のごく一部にしか出ず、標準のセンサアプリを直して画像を3枚に分け、学習の効率を上げました。
次の課題は、ブラケットのねじが締まっているかを見る検査です。金属とねじの表面が多様で光を反射し、ふつうの規則ベースでは難しい一方、初期の兆しは良い、とヘデビー氏は話します。
人時の200と20、および検出の良しあしは、担当者とベンダーブログの説明です。第三者による監査や、検出率のパーセントは、この一次情報にはありません。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 規則ベースの新ビジョン開発は最大約200人時。ディープラーニングで約20人時(ヘデビー氏/シックブログ) | 人時計測の定義と第三者監査 |
| ブラインド用アルミへのポリエチレンフォーム充填を検査(同) | 充填不良の見逃し率% |
| フォームの膨らみが均一でなく、規則でyes/noしづらい(同) | 規則ベース試作の失敗ログ全文 |
| 画像を3分割して学習を効率化(同) | 分割前後の精度比較の独立測定 |
| ディープラーニングはニューラル網に基づく、と説明(同) | 学習枚数・クラス定義の公開表 |
| 次はブラケットのねじ締め検査へ(同) | ねじ検査の本番稼働時期とKPI |
家具のウレタン注入、断熱材の吹き付け、シール材のビード幅など、材料の広がり方が一定でなく、規則で合否を書きにくい現場があります。画像を分割して学習させ、新検査の立ち上げ人時を短くする使い方があります。
膨らみが均一でない充填の見え方をニューラル網に学習させ、細長い部品の画像を3分割して検査を立ち上げます。新検査の規則書きを短くし、次は反射の多いねじ締めへ進めます。