アメリカ・フロリダのティタン・グループ(TITAN Group)ペンスコ(Pennsuco)工場では、セメント用ボールミルの設定値を人工知能(AI)が動かしています。使うのはオプティミティブ(OPTIMITIVE)のソフト「オプティバット(OPTIBAT)」で、既存の制御につないで設定値を自動更新します。対象はエフエルスミズ(FLSmidth)製のボールミル3基です。オプティミティブ公式の成功事例が、2020年からの継続利用を紹介しています。
ティタンは建材・セメントの国際企業です。ペンスコ工場では、3基のボールミルでセメントを粉砕します。事例が示す電動機の出力は、3,700キロワット、5,300キロワット、4,600キロワットです。セメントの生産能力は合計で毎時450トンです。
粉砕は電力を多く使います。処理量を増やしつつ、ブレーン(Blaine)や残さ(residue)といった品質を守る必要があります。人手の操作や従来制御だけでは、変動の多い工程で「一番よい点」に長くとどまりにくい、という課題でした。
オプティバットは、過去データとリアルタイムデータから、直線では表しにくい関係(非線形)をモデル化します。既存の制御装置につなぎ、人が都度入れなくても設定値(セットポイント)を更新する仕組み(閉ループ)です。各ミルでは、エネルギー、品質、処理量のバランスをとるため、主要な変数を4つ同時に扱います。品質では、ブレーンと通過(passing)の値を同じか、それ以上に維持しています。
見出しの数字は、スループット(処理量)の7.1%向上と、トンあたりの電力(比エネルギー)消費の4.7%削減です。導入の流れは、プロセスデータの分析とAIモデリング、最適化戦略の設計、制御系への統合と試運転・教育です。同種プロジェクトの完了目安は3〜4か月です。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| ペンスコのボールミル3基にオプティバットを導入。2020年から継続(オプティミティブ) | 導入契約と稼働ログの第三者開示 |
| 非線形AI、閉ループ、ミルあたり主要変数4個(同) | 変数リストと制約式の全文 |
| スループット+7.1%、比エネルギー-4.7%(同) | 試験期間・ベースライン定義の監査 |
| ブレーンとpassingを同じかそれ以上に維持(同) | 品質試験の生データ |
| 同種案件の目安3〜4か月(同) | ペンスコ固有の実工期 |
粉砕以外でも、乾燥や反応など連続プロセスで、品質の上限・下限を守りつつ設定値の更新を学習モデルに任せる使い方があります。処理量とトンあたりの電力を同時に詰めたい現場向けです。
粉砕の設定値を、品質の上限・下限の中で学習モデルが自動更新します。処理量とトンあたりの電力を同時に詰める使い方です。