ヴィーラント・グループ(Wieland Group)はカプジェミニ(Capgemini)と組み、銅と銅合金の半製品の見た目検査に深層学習の画像判定(コンピュータビジョン)を入れています。カプジェミニ公式の顧客事例が、この導入を紹介しています。
ヴィーラントは、銅と銅合金の半製品では大手のひとつです。従業員は約9,500人、拠点は80を超えます。機能だけでなく見た目の品質も重視しており、人手の目視検査に大きな労力をかけてきました。
難しさは二つあります。一つは被検体が丸いこと。もう一つは、銅特有の金属光沢で光が反射することです。規則ベースの画像処理だけでは、欠陥の見え方が安定しにくい条件です。
共同チームはまず実現可能性を調べました。実世界の制約をいったん外し、光学的な表面欠陥を深層学習モデルが拾えるかを確認しました。ここで標本(欠陥品のサンプル)が足りないことが分かりました。そこでデータ拡張(data augmentation)で学習用画像を人工的に増やし、狙いの欠陥を見分けられる見込みを得ました。
次に、現実のライン条件へ落としました。ネットワークや基盤が落ちても動き続けられるよう、応答の速いエッジコンピューティングを選びました。カメラ角度や背景も調整し、実地で認識が使えることを確認しました。既存の計測システムのプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)とロボットによる材料供給は、工場の機械同士でデータをやり取りする仕組み(OPC UA)でつなぎ、エッジ装置へ部品を渡します。クラウドは、分析とAIの管理の土台になります。
大規模に広げる段階では、カプジェミニの「クレア(CLEA:Check Live Easy & Automatized)」を使いました。画像判定の器として、現場ごとのAIモデルを載せ替えられる枠組みです。ハード、エッジ、クラウドの設定まで含め、ヴィーラント側が自分たちで他の検査セルや製品へ広げられる状態を目指しました。
検査セル20超・製品50超へ広げられる可能性があります。週あたり100万個を検査でき、スクラップ率は1.5%、という数字が事例にあります。最高戦略責任者のミヒャエル・デマー(Michael Demmer)は、AIと機械学習による自動検査で生産性を一段上げたとコメントしています。オペレーション担当のヴィオラ・ゴールドバッハ(Dr. Viola Goldbach)は、反射する銅表面でも成熟した自分で学び直せる仕組みが他工程へ広げられる、とコメントしています。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 深層学習ビジョンで銅半製品の外観検査を自動化(カプジェミニ事例) | 導入前後の見逃し率の独立測定 |
| 丸物+金属反射が課題。データ拡張で標本不足を補う(同) | 拡張手法の詳細と元標本数 |
| エッジ推論、OPC UAでPLCとロボット供給を連動(同) | レイテンシ実測の公開ログ |
| 20超セル・50超製品へ広げられる。週100万個、スクラップ率1.5%(同) | スクラップ率の定義と監査 |
| CLEAを他セル・製品へ広げる器として利用(同) | 工場ごとの展開完了数の一覧 |
メッキした締結部品や、鏡面に近い化粧品の容器など、光が回り込む曲面を全数目視しきれない現場があります。欠陥の写真が少なくても画像を増やして教え、判定はライン脇、モデルの入れ替えはクラウド側、という分け方が使えます。
丸くて光る部品の見た目は、規則の画像処理より学習モデルで見ます。足りない欠陥画像は人工的に増やして教え、判定はライン脇の装置、広げ方の枠はクラウド上のクレアに置きます。