ベルギーのファン・モール・ロジスティクス(Van Moer Logistics)は、タンクコンテナの所在を、スタッカーに載せたカメラと人工知能(AI)で更新しています。対象は化学物質や可燃物を運ぶタンクで、ハンブルク〜ルアーブル圏では最大級の拠点です。
ヨーロッパのセベソ指令(Seveso Directive)では、危険物のタンクが今どこにあるかを、いつでも示せる必要があります。忙しいヤードでは、記録上の位置と実物がずれることがあります。忙日に10%から、例外的には60%までずれることもある、と公式事例にあります。1個の置き違えが次の置き違えを呼び、作業者は探しと手直しに時間を取られます。ファン・モールでは、1日平均で約1,250回のコンテナ移動があり、ピーク日のトラックは約1,350台です。
タグをコンテナに付ける代わりに、動かす車両側から見る方式を選びました。スタッカー(積み替え車両)にステレオカメラを載せ、画像と距離を同時に取り、インフォファーム(InfoFarm)が作った専用のAIモデルが枠の中のコンテナを認識したうえで、光学文字認識(OCR)でコンテナIDを読みます。車両側の高精度の位置測位(GPS)でスタッカー自身の位置を取り、スタッカーからの距離でコンテナの位置を出します。コンテナは積み上がるため、同じ緯度経度を共有します。そこで映像の各コマについて何段目かを決める処理を足し、高さの位置まで出します。
生の映像を常時送ると通信とバッテリの負担が大きいため、モデルで判定する処理は車両上のエヌビディア・ジェットソン(NVIDIA Jetson)で行います。送るのは処理結果だけにし、通信はプロキシマス(Proximus)の構内専用の高速通信(プライベート5G)です。クラウド側はクラウドウェイ(Cloudway)がマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)上に組み立て、位置の更新データを受けてヤードの現況を照会できる形にしています。エクスプロア・グループ(Xplore Group)も同事例を公開しています。
導入から3週間で全コンテナの約70%を正しく位置特定でき、全体の検出率は96%、スタッカー作業者は探しと訂正で1シフトあたり平均33分減る、と公式事例にあります。設計上は、将来1日あたり最大約4万本の監視にも広げられます。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| スタッカーのステレオカメラ+専用AI認識+OCR+段判定(Cloudway/Xplore) | 認識モデルの学習データ規模と混同率の第三者測定 |
| ジェットソン上の判定、結果のみを5G経由でアジュールへ(同) | 拠点サイト別の実測レイテンシ |
| 3週間で約70%正位置、検出率96%(同) | 監査済みの位置一致ログ |
| 作業者1シフトあたり平均33分削減(同) | シフト定義と計測期間の生データ |
| 将来1日最大約4万本対応の設計(同) | 実運用での上限到達実績 |
建材の仮置き場やレンタル機材の屋外置き場など、現品票と実物がずれやすい現場があります。フォークやクレーンにカメラを載せ、箱や機材を認識して番号を読み、高さや区画まで含めて在庫位置を直す使い方ができます。
コンテナにタグを付けず、動かす車のカメラで枠内の箱を拾い、番号を読み、車の位置と何段目かまで含めて所在を直します。重い映像は車のそばで判定し、送るのは結果だけにします。