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ベルギーの危険物ヤード。スタッカーのAIがタンクコンテナの位置を読む

2026.09.30
ベルギーの危険物ヤード。スタッカーのAIがタンクコンテナの位置を読む

ベルギーのファン・モール・ロジスティクス(Van Moer Logistics)は、タンクコンテナの所在を、スタッカーに載せたカメラと人工知能(AI)で更新しています。対象は化学物質や可燃物を運ぶタンクで、ハンブルク〜ルアーブル圏では最大級の拠点です。

何が起きたか

ヨーロッパのセベソ指令(Seveso Directive)では、危険物のタンクが今どこにあるかを、いつでも示せる必要があります。忙しいヤードでは、記録上の位置と実物がずれることがあります。忙日に10%から、例外的には60%までずれることもある、と公式事例にあります。1個の置き違えが次の置き違えを呼び、作業者は探しと手直しに時間を取られます。ファン・モールでは、1日平均で約1,250回のコンテナ移動があり、ピーク日のトラックは約1,350台です。

タグをコンテナに付ける代わりに、動かす車両側から見る方式を選びました。スタッカー(積み替え車両)にステレオカメラを載せ、画像と距離を同時に取り、インフォファーム(InfoFarm)が作った専用のAIモデルが枠の中のコンテナを認識したうえで、光学文字認識(OCR)でコンテナIDを読みます。車両側の高精度の位置測位(GPS)でスタッカー自身の位置を取り、スタッカーからの距離でコンテナの位置を出します。コンテナは積み上がるため、同じ緯度経度を共有します。そこで映像の各コマについて何段目かを決める処理を足し、高さの位置まで出します。

生の映像を常時送ると通信とバッテリの負担が大きいため、モデルで判定する処理は車両上のエヌビディア・ジェットソン(NVIDIA Jetson)で行います。送るのは処理結果だけにし、通信はプロキシマス(Proximus)の構内専用の高速通信(プライベート5G)です。クラウド側はクラウドウェイ(Cloudway)がマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)上に組み立て、位置の更新データを受けてヤードの現況を照会できる形にしています。エクスプロア・グループ(Xplore Group)も同事例を公開しています。

導入から3週間で全コンテナの約70%を正しく位置特定でき、全体の検出率は96%、スタッカー作業者は探しと訂正で1シフトあたり平均33分減る、と公式事例にあります。設計上は、将来1日あたり最大約4万本の監視にも広げられます。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
スタッカーのステレオカメラ+専用AI認識+OCR+段判定(Cloudway/Xplore) 認識モデルの学習データ規模と混同率の第三者測定
ジェットソン上の判定、結果のみを5G経由でアジュールへ(同) 拠点サイト別の実測レイテンシ
3週間で約70%正位置、検出率96%(同) 監査済みの位置一致ログ
作業者1シフトあたり平均33分削減(同) シフト定義と計測期間の生データ
将来1日最大約4万本対応の設計(同) 実運用での上限到達実績

誰に関係するか

建材の仮置き場やレンタル機材の屋外置き場など、現品票と実物がずれやすい現場があります。フォークやクレーンにカメラを載せ、箱や機材を認識して番号を読み、高さや区画まで含めて在庫位置を直す使い方ができます。

まとめ

コンテナにタグを付けず、動かす車のカメラで枠内の箱を拾い、番号を読み、車の位置と何段目かまで含めて所在を直します。重い映像は車のそばで判定し、送るのは結果だけにします。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)