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スペインの生ハム工場。スライスに隠れた骨片を短波赤外とAIが見つける

2026.09.30
スペインの生ハム工場。スライスに隠れた骨片を短波赤外とAIが見つける

スペインのプロロンゴ・ファクサ(Prolongo-Faccsa)は、乾燥ソーセージと生ハムの工程で、オムロン(OMRON)の画像処理装置「エフエイチ・シリーズ(FH Series)」を使った人工知能(AI)検査を入れています。拠点はマラガ(Málaga)近郊のカルタマ(Cártama)です。スペインの産業技術開発センター(CDTI)が承認し、費用を出して支えた研究計画「アリメンテ21(ALIMENTE21)」です。オムロンの顧客向け導入事例(PDF)が、この導入を紹介しています。

何が起きたか

乾燥からスライス、包装まで、工程ごとに見るべき点が違います。枝肉の汚染確認や熟成の見極めは、長いあいだ人の目と経験に頼っていました。スライスした生ハムの層のあいだに隠れた骨片や、加工面に残る細菌の膜(バイオフィルム)は、ふつうの自動化では拾いにくい対象でした。

アリメンテ21では、オムロンのFHシリーズを共通の土台にし、用途の異なる検査を同じ制御とソフト、同じAIの枠組みの上に載せました。FH上では、不良の規則をひとつずつ書かず、良品の画像から検査モデルを作る「AIファインマッチング(AI Fine Matching)」があり、わずかな異常を拾います。

スライスの工程では、短波赤外(SWIR)のカメラとAIを組み合わせます。短波赤外は可視光より食品の表面の奥側まで見えやすく、層のあいだに隠れた、およそ10ミリメートルまで小さい骨片を探すのに使います。ラインの速さでは、人の目やふつうの可視光カメラでは安定して拾えません。乾燥室では、別のカメラがソーセージの縮み(サイズや重量の変化)を追い、予測モデルで出荷できる時期を見積もります。熟成の待ち時間とエネルギー使用は減り、庫の回転は早まります。

同じ計画のなかには、枝肉での胆汁や腸内容物の検出、搬送チェーンの電流・振動から摩耗の兆しを見る予知保全、紫外線カメラによるバイオフィルムの見分けもあります。アドバンスト・ファクトリーズ2026(Advanced Factories 2026)で、この取り組みが公開の場で紹介されました。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
アリメンテ21でFHシリーズ上に6用途のAI検査(オムロンの導入事例) 用途ごとの検出率%の第三者測定
AIファインマッチング(良品画像からのモデル)(同) 学習枚数と誤検知率の監査ログ
短波赤外とAIでおよそ10ミリまで小さい骨片(同) 骨片サイズ別の再現試験
乾燥室の縮み監視と完了時期予測(同) 短縮日数・エネルギー削減の定量
アドバンスト・ファクトリーズ2026で公開(同) 会場資料の全文アーカイブ

誰に関係するか

板を重ねた乾物や、シートを重ねた電子部品で、表面の奥に欠けや異物が入り、可視光のカメラではライン速度で拾いにくい検査があります。波長を変えたカメラと、良品の画像から覚える検査を一段にし、別のカメラでは縮みや色の変化から、仕上げの時期を予測します。

まとめ

スライスの層に隠れた骨片は、短波赤外で表面の奥側を見て探します。乾燥室ではソーセージの縮みをカメラで追い、予測モデルで出荷できる時期を見積もります。土台は同じ画像処理のシリーズです。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)