フランスのシュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)は、開閉器まわりのコンタクタ組立で、コグネックス(Cognex)のインサイト(In-Sight)カメラとワンビジョン(OneVision)のAI開発環境を組み合わせた検査を動かしています。拠点はシャスヌイユ(Chasseneuil)の製品パワー部門(Product Power Division)です。フランスで先進検査を作り、うまくいけば世界の工場へ同じ検査の仕組みで広げる、というのが狙いです。
以前のビジョンは、組立確認や寸法など限られた測定が中心でした。検査点を増やしつつサイクルを落とさず、製造コストも抑えたい。一方で、熟練のビジョン技術者は足りず、拠点ごとのばらつきも抑えたい、という課題が並んでいました。シュナイダーはいま使っているコグネックスの仕組み(カメラとソフトの組み合わせ)を替えず、あらかじめ決めた規則での検査(ルールベース)のツールと高度なAIツールを一つのインサイト・ビジョン・スイート(In-Sight Vision Suite)に載せる方針を選びました。
新しい構成では、検査の対象を従来の重要5領域から、17の制御領域へ広げました。事例が挙げる内容は、高さの管理、ねじの位置と回転の確認、仕分け、向きの判定、コンタクタの基部や頭部の不足検知などです。ワンビジョンの高度なAIでは、画像に細かくラベルを付け、見る範囲(関心領域)を整え、モデルを短い周期で学び直せます。少数の画像から始めて、共同の環境で何度も直せます。以前は高度なAI検査に高性能のグラフィックカード(GPU)付きPCが要ることが多くありました。ワンビジョンではその必要がなくなり、ハードの費用と構成の複雑さが下がりました。
クラウド利用のため、セキュリティの審査も行いました。コグネックス側が第三者向けの質問票や証明を出し、シュナイダーの厳しい基準を満たしました。試験と妥当性確認はおよそ6か月で、前半に学習と現場での信頼性確認が集中しました。スマート・オペレーション担当のクリストフ・エルニス(Christophe Ernis)氏は、ワンビジョンはビジョン分野の標準を全工場へ再現できる機会を与える、と言います。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 重要5領域から17制御領域へ拡大。高さ・ねじ位置/回転・仕分け・向き・基部/頭部不足など(Cognex) | 17点それぞれの不良見逃し率の第三者測定 |
| 高度AIで false bad(誤って不良とみなす率)を70分の1に(同) | 計測期間・母数・監査済みログ |
| サイクル400msから200msへ(同) | ライン全工程での実測タクトとの対応 |
| 新規検査アプリの統合が約30%短縮(同) | 比較対象アプリの範囲定義 |
| GPU付きPC不要、品質・コスト改善がおおよそ従来の2倍ペース、と表現(同) | 金額換算と「生産量2倍」断定の独立根拠 |
コネクタやリレー、小型ポンプなど、ねじ締めと部品の有無が並ぶ電機・機械組立では、いまの産業用カメラに規則検査を残したままAI分類を足し、見る点を増やしつつ誤って不良とみなす率を下げ、整えたモデルを中央から他拠点へ配る使い方ができます。
ルール検査を残したままAI分類を足し、ねじ位置や部品の不足など見る点を増やします。フランスで整えたモデルを、他工場へ配れる形にしておきます。