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ドイツの栄養補助食品工場。透明計量スプーンを深層学習が缶の中で見つける

2026.10.02
ドイツの栄養補助食品工場。透明計量スプーンを深層学習が缶の中で見つける

ドイツ・ラインヘッセン地方のオストホーフェン(Osthofen)にあるネッスル・ヘルスサイエンス(Nestlé HealthScience)の工場では、成人向け栄養粉末の缶に入れる透明な計量スプーンを、深層学習のカメラで見つけています。実装はシック(SICK)のピコカム(picoCam)/ピコカム2(picoCam2)と、ディースタジオ(dStudio)です。色の画素を数える古いやり方では、リサイクル向けの透明スプーンをアルミ箔の上で見分けられなくなったのがきっかけです。

何が起きたか

粉末を詰める前に、計量スプーンを空の缶へ落とします。完成後はアルミ封のすぐ下にスプーンが来ます。自動化担当のマルクス・カウフ(Marcus Kauf)氏の説明では、人の目なら有無は分かるが、毎分80缶超では誤りなくはできません。ビジョン・システムズ・デザイン(Vision Systems Design)では毎分40から80缶、1ラインでおよそ13の品目(SKU)を回し、オプティファイバー(Optifibre)やリソース(Resource)、シックン・アップ(Thicken Up)などが並びます。

以前は色付きスプーンの画素を数えていました。リサイクルのため無色透明へ替えると、灰色がかった透明体が凹凸のある反射アルミ箔の上に載ります。古典的な画像処理は明暗の画素数えに近く、二つの灰色を分けられませんでした。導入直後はシフトごとに人が欠品缶を抜いていました。導入側のアルマンド・シモーニ(Armando Simoni)氏は、1時間もすると厳しいと振り返ります。

シックの案は二次元スナップショットカメラとディースタジオ上のニューラルネットです。さまざまな姿勢のスプーン画像で学び、判定をカメラへ移します。クラウス・カイテル(Klaus Keitel)氏は研究室と現場の双方で試験しました。設計は2021年4月、本番は2022年6月です。照明はプラニスター(planistar)の矩形LEDバックライトで、判定結果をジーメンス(Siemens)のラインを動かす制御装置(PLC)へおよそ50ミリ秒で渡します。

初回学習だけでは足りず、落下位置のばらつきを増やす二巡目が要りました。缶径ごとにニューラルネット(学習モデル)を分け、直径73ミリと99ミリ用と、140ミリ用の二本です。誤り率はゼロに近い、欠品識別はほぼ100%、と導入側・ベンダーは説明しています。当初は欠品でラインを止め、補充後に自動再開しました。2023年には欠品缶を押し出す装置を足し、停止を減らしています。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
透明スクープ×反射アルミ箔で画素カウントが破綻。picoCam/picoCam2+dStudio(SICK/業界誌) 旧システムの誤判定件数の生ログ
40–80缶/分(業界誌)。80缶/分超では人手不可、とカウフ談(SICK)。約13品目(業界誌) 品目別の実測タクトと欠品率
多姿勢学習。学習モデルは73/99mm用と140mm用の2本。カメラ→PLC約50ms(業界誌) 学習枚数と、どの誤りが何件あったかの内訳表
誤り率はゼロに近い(SICK)。欠品識別はほぼ100%(シモーニ/業界誌) 独立監査済みの検出率
設計2021-04、本番2022-06。2023に排出器追加(業界誌) 他拠点への展開範囲

誰に関係するか

化粧品の透明パウチや、洗剤・サプリの透明計量パーツなど、反射する封の上で色に頼れなくなった包装・充填では、姿勢のばらつきを含めて有無だけをニューラルネットに覚えさせ、カメラから制御へ結果だけ返す使い方ができます。

まとめ

多姿勢の画像で有無だけをニューラルネットに教え、判定はカメラ上で行い制御へ返します。欠品缶は線を止めず押し出す構成にも進め、毎分数十缶の速度に載せます。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)