スウェーデンのエヌシーシー・インダストリー(NCC Industry)は、骨材ヤードの計量ゲートで撮ったトラック荷台の写真を、機械学習で見て巨大岩を見つける仕組みを動かしています。名前はアラン・イブリグ(Allan Ivrig)です。拠点はストックホルム近郊のバルカルビー(Barkarby)、エルヴネス(Älvnäs)、ヴォールビー(Vårby)、リュドボ(Rydbo)の4か所です。
巨大岩は、破砕機に入らない大きさの石です。小さく割る前処理が必要で、ヤード側に追加コストがかかります。掘削岩やトンネル工事で掘り出した岩くず(ずり)など、爆破由来の石材を大量に受け入れる現場では、荷の一部に巨大岩が混ざることがあります。ストックホルム地域だけでも、1日あたりおよそ1万トンが荷下ろしされます。
以前は運転手が計量し、自分で荷を登録する運用でした。巨大岩の見落としや意図しない誤登録があり、売上を取りこぼしていました。顧客センターのポーリーネ・ブローベリ(Pauline Broberg)氏が受入の改善余地を指摘し、ITのニクラス・ブルスケ(Niklas Bruske)氏が、ビクトリア(Viktoria)計量システムの写真データを使う案を出しました。
技術はマイクロソフト(Microsoft)の機械学習を土台に、自社向けへ合わせています。仕組みの呼び名はエーアイ・カーゴ・ビジョン(AI Cargo Vision)の巨大岩検出です。計量で撮った画像を、巨大岩向けに学習したモデルへ送ります。爆破岩か巨大岩かの取引として記録し、ビクトリアと請求や取引の流れを扱うシステム(Dynamics)につなぎます。
カメラは計量ターミナルで地面から12メートル上、荷台の中央上に固定し、色を整え切り抜いてからAIへ渡します。AIは巨大岩の確からしさを数値(確信度)で残し、翌朝に顧客センターが巨大岩と判定された荷の報告(逸脱報告)を人手で見て直し、その判断を再学習と評価に使います。
プロジェクトは2021年に始まり、2023年から2024年のパイロットを経て、いまは上記4サイトで使っています。エリア責任者のステファン・ウェストレーン(Stefan Westlén)氏の説明では、以前は全荷を確認できなかったが今はでき、巨大岩を含む荷を請求できます。顧客へは、巨大岩は処理コストが高い理由を説明すると理解を得やすい、という運用です。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 計量写真をMicrosoft由来MLで巨大岩検出。Allan Ivrig。4サイト(公式) | 検出率・誤検知率の監査済み数値 |
| カメラ12m上中央。色調整・切り抜き。確信度を文書化(公式) | 確信度のしきい値と現場運用ルール全文 |
| 朝の逸脱報告を人手確認し再学習(公式) | 1日あたりの逸脱件数と請求増の金額 |
| 全荷を確認でき、巨大岩荷を請求可能に、と説明(公式) | 「請求が大幅増」の定量 |
| ストックホルム地域で1日約1万トン荷下ろし(公式) | 4サイトそれぞれの取扱量内訳 |
金属スクラップや廃材の受入、木材・農産物の計量ゲートなど、カメラはあるのに巨大塊や規格外を請求に載せきれていない現場では、既存の計量写真を学習モデルに流し、例外の有無を確からしさ付きで見て、翌朝の人手確認でモデルを育て請求につなげる使い方ができます。
既存の計量写真を学習モデルに流し、巨大岩の確からしさを残します。翌朝の人手確認でモデルを育て、巨大岩を含む荷の請求につなげます。