ジブチのジブチ・ポーツ・コリドー・ロード(Djibouti Ports Corridor Road SA、以下ディーピーシーアール)は、港と隣国をつなぐ道路の穴やひびを、車載カメラの映像と物体検出の人工知能(AI)で見つける仕組みを動かしています。名前はコリドービジョン・エーアイ(CorridorVision AI)です。管理する回廊はおよそ642キロメートルです。
ディーピーシーアール公式の説明では、この回廊はエチオピア向け貨物の主な陸路です。気温が摂氏40度を超える日が多く、砂嵐と重い車が続き、路面の傷みが早いのが実情です。以前の点検は人手の目視で、見る人ごとに判定がずれ、車の横で歩く安全リスクがあり、大きく壊れてから直す保全になりやすい状態でした。
車に高性能の4K/超高精細カメラ(アクションカメラやドラレコ)を載せ、映像を集めます。手ブレを抑える機能と、高温でも動き続けることを重視しています。映像を1枚ずつの画像に分け、ラベルボックス(Labelbox)上で穴、ひび割れの模様、わだちなどを人が印付けします。そのデータで、YOLOv8という物体検出モデルを学習します。画像の中の物の種類と位置を一度に見つけられるため、1枚のなかで複数の欠陥を同時に拾えます。
学習したモデルはラピッドキャンバス(RapidCanvas)上で動かします。新しい映像を自動で検出し、分類し、それぞれの検出に全地球測位システム(GPS)の位置を付けて、保全の地図と順番付けに使います。
公式の初期結果では、844キロメートルを超える区間を処理し、選んだ欠陥4種類で2174件を検出しました。平均標高は399メートル、ゴープロ(GoPro)内部の温度はピークで摂氏79.11度でも撮影は続きました。状態は展開と校正の途中です。壊れる前の補修、人と資材の割り振り、傷み方の記録、交通脇での点検を減らすことを見込んでいます。
協力会社のラピッドキャンバスは、別のケース記事で、保全費30%減により年およそ39万ドル(記事中のドル表記)の節約見込み、AI投資の5倍の回収、年42.5万ドルの節約などを示しています。ディーピーシーアール側は「見込む」「校正中」で、節約額の確定値としては扱いません。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 回廊約642km。車載4K映像→Labelbox注釈→YOLOv8→RapidCanvas+GPS(DPCR公式) | 適合率・再現率など精度表 |
| 844km超、欠陥4種で2174検出。標高399m、GoPro内温度ピーク79.11℃(同) | 4種の内訳件数と誤検出数 |
| 展開・校正中。予防保全や資源配分を見込む(同) | 見込み効果の達成時期と監査 |
| 保全費30%減・年39万ドル節約見込み等(RapidCanvasケース) | ベンダー主張の独立検証 |
工場構内の舗装や、空港の誘導路、太陽光サイトの作業路など、巡回写真が山のままで補修の順番を揃えられていない現場では、市販カメラの映像をフレーム化し、物体検出で欠陥を拾い、位置付きで一覧にして保全の順番に載せる使い方ができます。
市販の車載カメラで撮った映像をフレーム化し、人が印付けした欠陥で物体検出モデルを教え、新規映像の検出に位置を付けて保全の地図と順番に載せます。