ENTRY

◀︎ AI NEWS TOPへ

スロベニアの射出成形。ガスメーター筐体の傷をYOLO系の深層学習が見る

2026.10.05
スロベニアの射出成形。ガスメーター筐体の傷をYOLO系の深層学習が見る

スロベニアのプラスティカ・スカザ(Plastika Skaza)は、ガス流量計向けのプラスチック筐体を、イネア(INEA)の産業用画像検査と深層学習で見る仕組みを、既存のラインに載せています。本社の周辺はヴェレニエ(Velenje)です。

何が起きたか

対象はガス業界向けの流量計の筐体です。形が複雑で、傷や欠け、塗布の不良、透明窓のゆがみなど、不良の種類が増え続けます。人手の見た目判定では基準がそろいにくく、不良を後工程まで流すリスクがありました。

新しい検査は、既存のロボットセルに組み込みます。空間とサイクル時間を延ばさないことが条件でした。高解像度カメラと産業用の発光ダイオード(LED)照明を使い、ロボットのハンドで部品を回して、複数方向から撮ります。背面からの光で、透明窓の異常を目立たせます。画像は、全体と区画のコントラストを同時に見ます。

複雑な形状では、従来の画素比較だけでは足りません。YOLO(画像の中の異常を一度に探す深層学習)を併用します。既に定義した不良だけでなく、まだ文書化していない異常のパターンも拾います。

イネアの説明では、実装は2024年3月です。製品1個あたりの画像は9枚で、各およそ2000万画素です。計算の層が何段も重なった仕組みで、層の一つあたりの計算単位が300万を超え、全体では5000万を超えます。判定はロボットへ返し、合格の列と、分類し直す列へ仕分けます。生産性は70%増、廃棄物は50%減、クレームは50%減で、投資の回収は10か月未満です。

スカザの受賞記事(2024年11月29日)では、スマートメーターの筐体にカメラ6台を使い、潜在的な欠陥を12種見ます。二次元コード(QR)と射出成形の条件を結び、追跡と苦情対応を速くします。商工会議所系のゴーデジタル(GoDigital)2024を受賞しています。イネアの本文はカメラ5台と照明10で、6台とは一致しません。

何が変わったか

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
既存のロボットセルへ、産業用の画像検査とYOLO系の深層学習を統合。サイクル時間は延ばさない(イネア) モデルの版と、適合率・再現率
画像9枚/製品・各約2000万画素。計算単位の合計は5000万超(イネア) 学習枚数と現場の誤判定の記録
生産性+70%/廃棄物−50%/クレーム−50%/投資回収10か月未満(イネア) 効果の数字を第三者が確かめた記録
カメラ6台・欠陥12種・二次元コードと射出の条件の連携。ゴーデジタル2024の受賞(スカザ) イネアの「カメラ5台」との差

誰に関係するか

家電の操作窓や、車の灯具の透明カバーでは、傷と曇りの種類が増え、人の目では基準が揃いません。いまあるロボットの動きの中で、複数のカメラとYOLO系の深層学習が良否を返します。二次元コードで、成形の条件まで戻す使い方ができます。

まとめ

ロボットが筐体を回すあいだに複数方向から撮り、YOLO系の深層学習が傷と透明窓の異常を分け、合格と不合格をロボットが別の列へ送ります。二次元コードで、射出の条件まで戻せるようにします。

参考文献

Tags

タグ一覧へ ▶︎

Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

今すぐわかる。報酬シミュレーション