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デンマークの地域暖房の会社。大きなヒートポンプが凍って止まりそうな兆しを、AIが最大14時間前に知らせた、と開発側の報告

2026.10.10
デンマークの地域暖房の会社。大きなヒートポンプが凍って止まりそうな兆しを、AIが最大14時間前に知らせた、と開発側の報告

デンマークのリングステズ・フォシュニング(Ringsted Forsyning)は、町の家や建物にお湯で熱を送る地域暖房の会社です。大きなヒートポンプが冬に凍って止まる問題に、いつもと違う動きを見つけるAIを試しました。モデルづくりを手伝ったコンサルタント会社によると、試験の期間には、凍りつきの兆しを最大14時間前に見つけました。これまでの警報が鳴るのは、ふつう止まる3時間前でした。以下は、その会社の事例ページと、同じ会社が取りまとめた研究事業(2025年11月に終了)の最終報告にもとづく内容です。

何が起きたか

会社には、外の空気から熱をくみ上げる8メガワットのヒートポンプがあります。安く、温室効果ガスの少ない熱を送るための設備です。ところが冬には、空気から熱を受け取る部分(蒸発器)に氷が付きます。氷は霜取りで溶かしますが、そのやり方やタイミングがまずいと、ポンプが止まったり、電気を余計に使ったりします。これまでの制御は、氷が付いてから動く作りで、霜取りが遅れがちでした。止まると、ガスの予備のボイラーなど、ほかの燃料で4000軒の客に熱を送ることになり、大きな費用がかかります。しかも凍りやすいのは、熱がいちばん要る寒い時期です。

そこで会社は、コンサルタント会社のヴィーガン・モーエ(Viegand Maagøe)の手を借り、機械学習を工場や設備で試す研究事業(2023〜25年。デンマーク工科大学などが参加)の中で、AIのモデルを作りました。モデルは、温度・圧力・流量など60か所以上の計測から「いつもの動き」を学び、凍りつきにつながりそうなずれを見つけます。見つけたずれは、運転の担当者が見る簡単な画面に、その場で出ます。担当者は、ファンの速さを変えたり、早めに霜取りをしたりして、止まる前に手を打てます。計器を大がかりに買い足さず、すでに取っているデータを使うのが、この研究事業の方針です。

運転責任者のスティーン・ウルリク・ハンセン(Steen Ulrik Hansen)さんは「早めに使える合図が出るようになり、運転がずっと落ち着いた」と話します。

何が変わったか

左は、コンサルタント会社の事例ページと最終報告の説明です。

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
凍りつきの兆しを、最大14時間前に見つけた。これまでの警報は、ふつう止まる3時間前だった(最終報告)。事例ページは「担当者がふだん対応するより最大14時間前」と書く 試験の期間の長さ。14時間前に見つけたのが何回あったか(最終報告の図は1回の実例)。外れの警報がどれだけ出たか
試験の期間は、多くの場合、止まる前に問題を解決できた(事例ページ) 実際に止まった回数が、前と比べてどれだけ減ったか
省エネの見込みは、年に最大約710万円(事例ページ。30万デンマーク・クローネを1クローネ23.7円でこちらが換算)と、年40万キロワット時を超える量(最終報告。ヒートポンプの効率が上がり、予備のガスのボイラーに頼る分が減ることから) 実際に減った電気やガスの量。モデルづくりの費用

最終報告は、次の段階として、運転を助ける道具から、より自動で動く仕組みに進めることを挙げています。

誰に関係するか

地方の酒蔵で、タンクごとに付けている仕込みの温度の記録から、いつもの発酵の進み方をAIに覚えさせる使い方が考えられます。外れ始めたタンクを画面で知らせれば、冷やす・温めるの手当てを、見回りで気づくより早く打てます。

まとめ

リングステズ・フォシュニングは、ヒートポンプの60以上の計測でAIに「いつもの動き」を覚えさせ、外れ始めを担当者の画面に出しました。これまでの警報(止まる3時間前)より早く手を打つための使い方です。省エネの数字は見込みで、止まる回数が実際にどれだけ減ったかは示されていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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