カナダ西部のセントラル・オカナガン地域行政区(Regional District of Central Okanagan)は、資源ごみの収集車にAIのカメラを付けました。カートの中に混ざってはいけないものがあると、その家に写真入りのはがきが届きます。2023年10月から2024年3月の試験で、カートへの混入は23%減った、と地域行政は発表しています。以下は、地域行政の発表(2025年2月)と、地元の報道2本、カメラの会社の画像データづくりを手伝った会社の事例記事にもとづく内容です。
この地域では、家ごとのカートで資源ごみを集めます。州の資源ごみの団体、リサイクルBC(Recycle BC)との取り決めでは、資源ごみに資源にならないものが混ざる割合を、5%以下にしなければなりません。ところが、最近の調べではいつもこれを上回っていました。これまでは、収集の運転手が混入を手で記録していました。
そこで、収集を受託する会社の収集車に、プレーリー・ロボティクス(Prairie Robotics)のカメラを付けました。カートの中身をトラックにあける瞬間に写真を撮り、AIが資源にならないものを見つけます。カメラの会社から画像のラベル付けを請け負った会社の事例記事によると、このAIは、人が中身にラベルを付けた写真で学ばせた機械学習のモデルです。見つけた混入は、GPSの位置から家の住所とつながります。地域行政は、その家に、トラックが撮った写真と出し方の説明を載せたはがきを郵送します。
試験は4台の収集車で行い、はがきは8777枚送りました。4台に付けた費用は約750万円(6万8000カナダドル。1カナダドル111円でこちらが換算)で、半分はリサイクルBCが出しました。多かった混入は、袋や包み紙などのやわらかいプラスチック、ふつうのごみ、発泡スチロールでした。
試験のデータでは、住民の45.9%は正しく出していました。35.6%は、はがきを1枚受け取ったあと、次からの出し方を変えました。一方で、くり返し混ぜる6.7%の家が、混入の3分の1を超えていました。
結果を受けて、2025年2月から常設にしました。受託会社は、全部の資源ごみ収集車に付ける方針です。2025年9月の報道では、7台のうち4台に付き、残りの3台も数週間のうちに付く予定でした。担当のシンシア・コーツ(Cynthia Coates)さんは「係の人がカートを一つずつ見て回るより、ずっと速い」と話します。
左は、地域行政の発表と地元の報道の説明です。
| 公表されている説明 | こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 試験の期間に、カートへの混入が23%減った(地域行政) | 何と比べた23%か。重さか件数か。比べた期間 |
| 正しく出している住民は45.9%。はがき1枚で出し方を変えた住民は35.6%(地域行政) | 「出し方を変えた」をどう数えたか |
| くり返す6.7%の家が、混入の3分の1を超えていた(地域行政) | その家に、はがきのあと何をしたか |
| AIが資源にならないものを見つける | AIの見落としや見まちがいの割合。はがきの前に、人がどれだけ写真を確かめているか(発表は、確かめて報告を作る手間が大きく減った、とだけ書いている) |
いくつもの現場を持つ地方の建設会社で、産業廃棄物の分別コンテナに別のものが混ざる場合が考えられます。回収のときにコンテナの中身を撮ってAIに混入を見つけさせ、その現場の責任者にだけ写真つきで知らせれば、全部の現場に同じ注意を回すより、直す相手がはっきりします。
試験では、多くの家がはがき1枚で出し方を変えた一方で、混入はくり返す少数の家に集まっていました。地域行政は、こうした家の多い地区に、説明や取り締まりを向けるとしています。23%の比べ方と、AIの見まちがいの割合は示されていません。