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ノルウェーの地方紙。役所の建築の書類をAIが記事になりそうな順に並べ、並べ方は記者が付けた印で学ばせている

2026.10.12
ノルウェーの地方紙。役所の建築の書類をAIが記事になりそうな順に並べ、並べ方は記者が付けた印で学ばせている

ノルウェー北部のトロムソの地方紙イートロムソ(iTromsø)は、市が公開する建築の許可の書類を毎日集め、AIが要約して「記事になりそうな順」に並べる仕組みを使っています。並べ方は、記者が「記事になる」「ならない」と付けた印で学ばせています。仕組みの名前はジン(Djinn)で、新聞社がIBMやベルゲンのIT会社ビジト(Visito)と2023年に作りました。以下は、報道の業界団体の事例紹介(2024年と2025年)、開発会社の説明、新聞社と開発側が書いた論文の要旨(2024年)にもとづく内容です。

何が起きたか

イートロムソは、記者など20〜25人の新聞社です(2024年と2025年の紹介)。建築の許可の書類には、店の開店や隣どうしのもめごとなど、地元の記事の種が入っています。ただ、書類は一度に何百件も出ることがあり、記者は市の文書の置き場で、毎日2〜3時間ほど探していました。題名だけを頼りに探すので、見落としもありました。

ジンは、次の順で動きます。

  • 市の文書を自動で集める(2024年の紹介では、月に1万2000件を超えるPDF)
  • 書類ごとに要約と要点を付ける。要約には公開されている言語モデル(メタのLlama)を使う
  • 学習したモデルが「記事になりそうか」で順位を付け、記者に一覧で見せる
  • 記者は一覧を見て「記事になる」「ならない」の印を付け、その印でモデルを学ばせる

新聞ごとに自分の市町村向けのモデルを持ち、別に中央の並べ役もあります。開発会社の2024年6月の説明では、記者は今も印を付け続けています。

何が変わったか

時間の数字は、新聞社の担当者と開発側の説明です。出典ごとに少しずつ違うので、並べて書きます。

公表されている説明 こちらで確認できていないこと
記者は書類を探すのに1日2〜3時間かけていた。ジンを使うと、記事の候補を見る時間は1日10分ほどになった(業界団体の紹介、2024年8月) 何人の記者の、どの期間の記録か
新聞社のジンの担当者は「2時間かかっていたのが5分になった」と話した(2025年11月)。開発会社は「90〜120分が10〜15分、80%減」とする(2024年6月) 5分・10分・15分のどれが近いか
使い始めて1週間で、ジンが手がかりになった1面の記事が6本出た 記者が付けた印と、実際に記事になったかの当たり具合
2023年8月にグループ内で広げ始め、2024年2月までに35の編集部が使うようになった。運用費は月約75万円(5000ドル。1ドル150円で換算) 論文の「記事の数と読者の反応が大きく増えた」の具体的な数字

市によっては、建築の書類がそもそも見られない、または請求しないと見られない状態でした。新聞社が市と話し合い、見られるようにしてから広げています。開発側は、記者の代わりにすることも、記事を書かせることも、はじめから考えていなかったと書いています。

誰に関係するか

特許事務所で、毎日出る特許の公報を読み、顧問先に関係する他社の出願を探している仕事に当てはまります。AIに公報を要約させて「関係ありそうな順」に並べ、所員が上から読んで「関係ある」「ない」の印を付けます。その印で並べ方を学ばせれば、業種の違う顧問先ごとに、並び順を変えられます。

まとめ

イートロムソのジンは、市の建築の書類をAIが要約し、記者が付けた印で学んだモデルが記事になりそうな順に並べる仕組みです。書類を探す時間は1日2〜3時間から数分〜15分ほどになったと新聞社と開発側は説明し、2024年2月までに35の編集部に広がりました。ただ、時間の数字は出典ごとに違い、第三者が測った数字はありません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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