インドネシアの医療アプリ、ハロドック(Halodoc)は、チームごとに作っていたAIエージェントを、共通の土台に集めました。土台とは、すべてのエージェントを登録して動かす仕組みです。答えの確かめも、土台に一か所だけ置いています。移って約3か月で、本番のエージェントは9本から10本と、1本増えただけでした。増えたのは道具のほうで、約60から100を超えるまでになりました。道具とは、医師を探す、カートに入れるといった、エージェントが呼ぶ社内の機能です。
この記事は、同社の技術者が2026年9月25日に自社の技術ブログに書いたものにもとづきます。数字はすべて同社の発表で、外の人による確かめはありません。
同社では、この1年でいくつものチームがAIエージェントを作りました。ここでのエージェントは、利用者の言葉を読み、何をすべきかを考え、社内のサービスを呼んで用事を済ませるプログラムです。アプリの案内役、薬局向けに在庫や注文を手伝う役、オンライン診察の前の確認をする役などが、すでに本番で動いていました。
ただ、AIを呼ぶ仕組みも、してよいことの決まりも、チームごとに別々でした。医師を勧める機能が二つのチームで要れば、二つ作っていました。
同社が気にしたのは、安全の確かめまで重ねて作っていたことです。医師を勧めるエージェントには、実在しない医師をAIが勧めないようにする確かめが要ります。それがいくつもの場所に別々にあると、どこかで少し間違える機会もその数だけ増えます。医療では、その間違いがそのまま患者に届きます。
同社は技術者1〜2人と約3か月をかけ、土台を本番に出しました。土台の上では、どのエージェントも次の三つの決まりに従います。
道具は一度作れば、どのエージェントにも登録できます。既にある道具を使い回す新しいエージェントは、設定のファイルを足すだけで作れるようにしました。
答えの確かめも、土台に一つにまとめました。AIの答えを道具が実際に返した中身と照らし、道具から来ていない部分は消して、AIに作り直させます。この確かめはAIと利用者の間にある普通のプログラムなので、モデルや指示を替えても抜け落ちない、というのが同社の説明です。処方の確認のような業務の決まりも、プログラムの中に置いています。
同社によると、移って約3か月の変化は次のとおりです。
| 項目 | 前 | → | 後 |
|---|---|---|---|
| 🤖 本番のエージェント | 9本 | → | 10本新しいのは保険向けの病院チャット |
| 🧰 道具 | 約60 | → | 100超 |
| 👥 関わった技術者 | 14人移る前の4か月 | → | 24人移った後の3か月。うち18人は前のコードに触れたことがない |
数字はすべて同社の発表(移って約3か月の時点)。
増えた道具の多くは、今あるエージェントに足されました。たとえば、メッセージアプリで薬を注文するエージェントは、医師の診察の受け付けもできるようになりました。問い合わせのエージェントは、人の担当者に引き継いだり、問い合わせの記録を作ったりできるようになりました。
関わる人が増えたのは、道具を足すのにエージェント全体の作りを知らなくてよくなったからだと、同社は見ています。これは同社の見立てで、確かめた結果ではありません。
直し方も変わりました。AIを呼ぶ社内のサービスが思わない形で答えを返すと、エージェントが止まるおそれがあると分かりました。これを1回直しただけで、本番のすべてのエージェントに効いたといいます。
同社は、作る手間の目安も出しています。既にある道具と組み合わせ方を使い回す型のエージェントは、前は1〜2週間かかりました。今は設定だけで約3日だとしています。組み立てを一から書く新しいエージェントは、今も約1〜2週間です。それでも、安全の確かめは作り直さなくてよくなりました。
同社は、次に五つを土台に足すとしています。一つ目は権限です。今は、どの道具も呼べる共通の合言葉(トークン)が一つだけあります。これを、役割ごとの権限に替えます。ほかの四つは、長い会話の要約、支払いのような取り消しにくい操作を人が確かめてから行う仕組み、答えを書きながら表示する仕組み、時間のかかる頼みを後で処理する仕組みです。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| エージェントは9本から10本、道具は約60から100超に増えた | ⚠️ 何を1本・1つと数えたか ⚠️ どの日付の時点か |
| 関わった技術者は14人から24人に増え、18人は初めて | ⚠️ 期間が4か月と3か月で違う ⚠️ 同じ時期に人の配置が変わったか |
| 使い回すエージェントは約3日で出せる | ⚠️ 実際に何本をその速さで出したか ⚠️ 目安の値か、測った値か |
| 答えの確かめで、道具から来ていない中身を消す | ⚠️ 消した件数や、誤った答えがどれだけ減ったか |
| 1回の修正で全エージェントに効いた | ⚠️ 実際に止まったことがあるか ⚠️ 利用者への影響 |
凡例:📢=同社が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
部署ごとにAIのチャットや自動化を作り始めていて、同じ確かめや同じ機能を何度も作り直している会社に関係します。
たとえば、宅配と店舗の両方を持つ地方の生協で、宅配係が注文受付のAIを、店舗が問い合わせのAIを、別々に作っているとします。どちらにも「ない商品や、ない配達日を答えない」確かめが要ります。そこで、商品の台帳と配達日の表を引く道具を一つだけ作り、AIが答えてよいのは道具が返した商品と配達日だけ、という確かめを一か所に置きます。新しい案内を足すときは、新しいAIを作らず、今あるAIに道具を足します。
ハロドックは、チームごとに作っていたAIエージェントを一つの土台に集め、答えの確かめも一か所にしました。同社によると、約3か月でエージェントは1本しか増えませんでした。増えたのは道具で、約60から100超になりました。関わる技術者も増えたとしています。何をどう数えたかの細かい条件は書かれていません。