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イギリスのウィノウ。厨房のごみ箱にAIカメラを付けると、手入力で抜けていた大きな廃棄まで残った

2026.10.13
イギリスのウィノウ。厨房のごみ箱にAIカメラを付けると、手入力で抜けていた大きな廃棄まで残った

イギリスの会社ウィノウ(Winnow)は、業務用の厨房のごみ箱の下にはかりを置き、捨てた食べ物の重さと品目を記録する仕組みを売っています。最初の版は、捨てるたびに料理人がタブレットで品目を選ぶ形でした。後の版「ウィノウ・ビジョン(Winnow Vision)」では、ごみ箱の上のカメラの写真から、学習したAIが品目を見分けます。アメリカのコーネル大学の研究者が876か所の厨房の記録を調べたところ、カメラ版に切り替えた42か所では、1食あたりの食品の廃棄が、切り替えから1年でさらに約3割減っていました。研究者が2024年6月にまとめた、学術誌に載る前の論文にもとづく内容です。

何が起きたか

業務用の厨房では、仕入れた量は分かっても、何をどれだけ捨てたかはほとんど記録されません。ウィノウの最初の版「ウィノウ・クラシック」は、ごみ箱の下のはかりとタブレットの組み合わせです。捨てると重さが自動で残り、料理人は画面で品目と理由(作りすぎ、傷み、調理の失敗、切りくず、食べ残し)を選びます。画面では、まず大きな分類を、次に品目を選ぶ形で、何度かタッチが必要でした。

カメラ版は、ごみ箱の上に小さなカメラを付けます。食べ物が捨てられるとすぐ写真を撮ります。前の写真と比べて新しく捨てられた物を切り出し、写真から品目を当てるように学習したAIが見分けます。AIは、人が品目を付けた廃棄の写真で学習しています。切り替えの直後はウィノウの担当者が写真に品目を付け、その厨房向けにAIを学習させました。

論文が使ったのは、2016年5月から2019年11月に入れた71社・876か所の記録で、捨てた回数は約1283万回です。約4分の3はレストランで、ほかにホテルや社員食堂などが入っています。入れ始めには、2週間〜4か月、厨房の人に結果を見せずに記録だけをとる期間がありました。研究者は、この期間と、まだ入れていない厨房を比べる相手に使っています。

何が変わったか

左は論文の数字です。どれも、入れていない時期や厨房と比べた推定です。

論文の数字 こちらで確認できていないこと
手入力の版を入れた178か所では、1食あたりの廃棄が3か月で約29%減った。売上は下がっていない 共同研究の外の第三者による、同じ規模の測定
手入力の時期は、品目のない記録が回数で3%だった。その3%が、捨てた重さでは約26%を占めていた 量の多いときに品目が付かなかった理由を、厨房の人に聞いた記録
カメラ版に切り替えた42か所では、切り替えから1年で廃棄がさらに約30%減った。作りすぎ・傷みは約30%、調理の失敗は約21%、切りくずは約43%減った カメラの分類だけの効き目か(切り替えに伴う厨房のやり方の変化と分けられていない)
1日800食未満の厨房は、切り替えでさらに57%減った。800食以上は21%だった 機器の費用と、元が取れるまでの期間

29%と30%は、別の厨房の組と別の時期の推定で、足して6割減とは言えません。カメラ版に替えたあとは、ほぼすべての廃棄に品目が付きました。論文は、一度にたくさん捨てた記録が手入力では抜けやすく、カメラ版でそれが残るようになったことで、作りすぎや調理の失敗が見えるようになったと説明しています。

論文の著者は、ウィノウと長く共同で研究してきました。カメラの見分け方も、著者と相談して作られています。データは新型コロナの前の期間に限っています。この論文には2026年8月に改めた新しい版があり、調べた厨房は1000か所超に増えていますが、29%と30%の数字は同じです。ほかの数字は新しい版の本文で確かめられておらず、変わっている可能性があります。

誰に関係するか

従業員100〜200人規模の印刷会社で、刷り損じの紙を捨てる場所にはかりとカメラを置く使い方が考えられます。厨房と同じように、何百枚も刷り直した大きな失敗ほど日報から抜けているなら、重さと写真が自動で残ることで、どの仕事で、なぜ大きく捨てたかを後から見直せます。

まとめ

ウィノウの記録では、捨てた食べ物を手入力で記録し始めると3か月で廃棄が約29%減り、カメラで品目を見分ける版に替えた厨房では、1年でさらに約30%減りました。どちらも1食あたりの廃棄です。手入力の時期は、回数で3%の品目のない記録が、重さでは約26%を占めていました。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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