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インドの農家向け融資。衛星画像で畑の出来を点数にし、権利書のない農家にも保険つきで貸した

2026.10.13
インドの農家向け融資。衛星画像で畑の出来を点数にし、権利書のない農家にも保険つきで貸した

インド東部のオディシャ州で、社会的企業のドゥヴァラ・Eレジストリ(Dvara E-Registry)は、衛星画像から畑の出来を点数にする「ケートスコア(KhetScore)」を作り、土地の権利書がない農家にも作物の保険つきでお金を貸しました。点数、低い利息、担保なし、保険を一緒にした貸し方です。国際食料政策研究所(IFPRI)などの研究者は、58の村をくじで半分に分け、2021〜2022年の3つの作期で比べています。この貸し方を入れた村では、正規の貸し手から借りた人の割合が21ポイント増えました。研究者が2024年10月にまとめたIFPRIの討議用論文にもとづく内容です。

何が起きたか

この地域の農家には、人の土地を借りたり、収穫を分け合う約束で耕したりする人が多くいます。土地の権利書がないと担保にできず、銀行から借りにくいため、利息の高い金貸しに頼りがちです。

ケートスコアでは、次の順で貸すかどうかを決めます。

  • 担当者がスマートフォンで畑の写真を位置情報つきで撮り、持ち主か借り手かに関係なく畑を登録する
  • 衛星画像から、その畑の過去と今の作物の育ち具合を見積もる。運営会社は2021年8月、雲で見えない日の育ち具合を、雲を通すレーダー衛星の画像から推定するAI(深層学習)を作り、ケートスコアに使うと書いている
  • 出来(40%)、育ちの変化(20%)、水分(15%)、過去の被害(13%)、養分(7%)、広さ(5%)を重みづけて0〜100点にし、40点以上なら貸す
  • 貸した額と同じだけの作物の保険を付ける。2週間ごとに畑の写真を撮り、被害が出たときは会社の農業の専門家が写真を見て支払いを決める

貸す額は、米を1エーカー(約0.4ヘクタール)作る費用にあたる約6万円(3万インドルピー)です。利息は年14%で、地域の小口融資の24%より低く、収穫前に2〜3回、収穫後に残りを返します。この試験の間、保険料は全額を補助しました。

研究者は、ジャジプル県の58村を、貸す村(29村)と貸さない村(29村)にくじで分けました。2020年末から2021年初めに1706人に聞き取り、2022年11〜12月に1621人に聞き直しています。貸す村で声をかけた農家のうち、申し込んだのは毎作期平均で約28%でした。論文に書かれた返済率は83%です。

何が変わったか

左は論文の数字で、貸す村と貸さない村の差です。「ポイント」は割合の差で、21ポイントなら100人あたり21人多いという意味です。

論文の数字 こちらで確認できていないこと
正規の貸し手から借りた人の割合は21ポイント増え、金貸しなどから借りた人の割合は20ポイント減った 借りた総額の変化
返済に困ったと答えた借り手は、貸す村で約20%、貸さない村で76%だった 比べた借り手の借り先が村ごとに違う(貸さない村は金貸しが多い)。点数そのものの効き目(低い利息、担保なし、保険、分割返済と一緒に動いており、分けられていない)
女性の借り手では、正規の借り入れが26ポイント増え、借り入れ全体も約16ポイント増えた 点数が40点に届かず断られた人のその後
実際に借りた人は、雨季の作物の利益が1エーカーあたり約1万8000円(約9100ルピー)多かった 保険料の補助がなくなっても同じ結果になるか

論文は、返済に困る人が減った理由の一部は利息の低さにあると書いています。運営会社が2021年8月にページで紹介したこのAIが試験の時期に使われていたか、どれだけ当たるかは、論文にも会社のページにも書かれていません。論文はIFPRIの通常の査読を通っておらず、研究には運営会社が協力しました。2026年6月のIFPRIのブログは、この結果を受けて仕組みがより大きく広げられたと書いていますが、規模の数字は出していません。

誰に関係するか

従業員100〜200人規模の種苗会社で、取引の浅い小さな農家に種や苗を掛け売りする枠を決める場面に当てはまります。衛星画像で畑の過去の作付けを点数にし、天候の被害の保険と組み合わせれば、決算書のない相手にも少額から枠を出せるかを試せます。

まとめ

オディシャ州では、衛星画像から畑の出来を点数にして、土地の権利書がない農家にも保険つきで貸しました。くじで分けた試験では、この貸し方を入れた村で、正規の貸し手から借りた人の割合が21ポイント増えました。ただ、結果は点数、低い利息、保険をまとめた効き目で、点数だけの効き目は分かっていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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