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ソフォス、AIエージェントが扱った調査は5月までの1年で平均約89秒

2026.10.15
ソフォス、AIエージェントが扱った調査は5月までの1年で平均約89秒

セキュリティ会社ソフォス(Sophos)は、顧客の会社への攻撃を見張り、調べて対応までを請け負うサービス(MDR:Managed Detection and Response)に、OpenAIのプログラム「デイブレイク(Daybreak)」のモデルで作ったAIエージェントを載せたと発表しました。OpenAIのページによると、エージェントを使った案件の平均対応時間は約89秒で、以前の人中心のやり方の平均は約38分でした。MDR案件の52%は、分析者が決めた境界の中で、調べてから対応を決めて終えるまで、人の手を介さずにAIが処理したとも説明しています。

この記事は、OpenAIが2026年10月9日に出した事例ページと、ソフォスのCTOが書いたブログにもとづきます。数字や説明は両社の発信で、外の人による確かめはありません。

何が起きたか

ソフォスは、自社製品と500を超える外部のセンサーをつなぎ、日々の出来事を兆単位で受け取ります。それを絞り込むと、調査対象の案件はおおよそ1日1,000〜2,000件になります。調査は9か所のセキュリティ運用センター(SOC)が担います。守っている組織は62.5万を超えます。MDRの顧客は約4万だと、ソフォスはブログで書いています。

デイブレイク導入前は、案件の調査と対応は主に人の専門知識に頼っていました。平均は約38分で、専門のSOCの96%より速かったと、CTOのジョン・ピーターソン(John Peterson)氏は言います。

ソフォスは、自社の脅威情報・対応の手順書・現場の知見に、デイブレイクのモデルを組み合わせて、分析者の代わりに案件を進めるエージェントを作りました。

どう変えたか

中心にあるのは、ソフォスの防御の仕組み「フュージョン(Sophos Fusion)」と、その中のMDRです。デイブレイク経由で作ったエージェントは、次のように動きます。

  1. 調査エージェントが、顧客の状況、検知、侵害の手がかり(IoC:Indicators of Compromise)、関係する脅威情報を集めます。
  2. 計画モデルが、計画→実行→見直しの繰り返しを作ります。調査の計画を立て、手順を進め、分析者が読む要約と推奨の対応を出します。
  3. 別のエージェントが、対応の一部を実行することもあります。

顧客側の許可の分け方は、人でもエージェントでも同じ三段階です。

  • 通知(Notify): ソフォスが調べて案を出す。実行は顧客がする。
  • 相談(Collaborate): 実行の前に、ソフォスと顧客が話し合う。
  • 代行(Authorise): 顧客に代わってソフォスが対応する。

壊す恐れのある操作には人の監督を付け、エージェントに任せるのが不安なものは人の判断に回す、とピーターソン氏は述べます。

何が変わったとするか

エージェントを使った案件の平均対応時間は、約89秒になりました。OpenAIのページの見出しは、調査の時間が96%減ったとしています。89秒は、AIに任された案件で、案件ができてから自動の対応を終えるまでの平均です(5月の発表の定義)。38分は以前のやり方の全案件の平均で、同じ物差しで比べたかは書かれていません。

MDR案件の約半分(52%)は、分析者が決めた境界の中で、AIだけで処理しました。ソフォスのブログにも、エージェント型のSOCでは案件の52%を平均89秒でAIだけで処理した、と同じ数字があります。

一方、ソフォスのブログは、分析者がそれぞれの発見を確かめて対応を指示し、すべての案件に人の分析者が関わるとも書いています。5月の発表は、量が多く範囲のはっきりした案件は人が外から見守るだけにし、影響の大きい判断は実行の前に分析者が確かめる、と2つに分けて説明しています。

狙いは、人を同じペースで増やさずに計算資源で規模を伸ばし、分析者の時間を例外や判断の要る案件へ戻すことです。今後は対応できる範囲を広げる予定です。

89秒や52%は、ソフォスが2026年5月の発表で、過去1年の本番の数字としてすでに出しています。この発表はデイブレイクに触れていません。ソフォスがOpenAIのサイバー向けのモデルを使い始めたのは6月だと、ソフォスのブログは書いています。89秒のうち、デイブレイクのモデルの分がどれだけかは分かりません。測った期間の始まりと終わり、エージェントを使った案件の割合の内訳は、どの出典にも詳しく書かれていません。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
エージェントを使った案件の平均対応時間は約89秒。以前の人中心のやり方の平均は約38分見出しは「調査時間96%減」 ⚠️ 38分と89秒が同じ種類の案件どうしの比べか(エージェントに回る案件が簡単なものに偏っていないか)
⚠️ 89秒のうち、デイブレイクのモデルを使い始めた後の分(5月の発表は導入前の1年の数字)
⚠️ 測った期間と、対象にした案件の条件
⚠️ 外の人による再計測
MDR案件の52%をAIだけで処理分析者が決めた境界の中 ⚠️ 境界の中身(どの操作まで自動か)の一覧
⚠️ 人が引き継いだ48%の内訳
調査はエージェントが材料を集め、計画モデルが計画→実行→見直し ⚠️ 使ったモデル名と版
⚠️ 誤検知・取りこぼしの割合
顧客の許可は通知/相談/代行の三段階。壊す恐れのある操作には人の監督 ⚠️ 三段階ごとの案件数や割合
1日1,000〜2,000件の案件、500超の連携、9か所のSOC ⚠️ エージェント導入前後で案件数や連携数がどう変わったか

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
数字と説明は、OpenAIの事例ページ(2026年10月9日)とソフォスのブログ・発表による。

誰に関係するか

監視や通報の一次対応を、少人数や外部の見守りで回している会社に関係します。

たとえば、従業員100〜200人規模の地域の警備会社が、店舗や倉庫の遠隔監視を請け負っているとします。センサーの異常や通報が来たら、AIに現場の状況・過去の類似・契約上やってよい対応の範囲を集めさせ、対応案の下書きまで出させます。鍵を開ける、電源を切るなど戻しにくい操作は人の判断に回し、依頼主ごとの許可(通知だけ/相談してから/代行してよい)を先に決めておきます。

まとめ

ソフォスは、MDRの調査と対応にデイブレイク由来のエージェントを載せました。エージェントを使った案件の平均対応時間は約89秒で、以前の人中心のやり方の平均は約38分だったとしています。ただ、二つが同じ物差しで比べた数字かは書かれていません。ソフォスはMDRの案件の52%をAIだけで処理したとし、その一方ですべての案件に人の分析者が関わるとも書いています。89秒と52%は、デイブレイクのモデルを使い始める前の1年の数字として、5月にすでに発表されていました。5月の発表は、見守るだけの案件と、実行前に確かめる案件に分けて説明しています。壊す恐れのある操作には人の監督を付け、許可は三段階に分けています。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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