アメリカのイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)とメタの研究者は、生成AIに、強さの条件を満たしつつCO2の少ないコンクリートの配合を作らせました。シカゴの生コン会社オジンガ(Ozinga)は、その案を地元の材料と寒さに合わせて直し、2021年にデータセンター工事の重要でない建物の床に打ちました。どちらの床も強さなどの規格を満たしました。2022年にACMの学会(COMPASS)の論文集に載った論文にもとづく内容です。
コンクリートは、セメント・水・砂・砂利に、セメントの代わりになる材料(製鉄でできるスラグ、石炭を燃やした灰のフライアッシュ)を混ぜて作ります。セメントを作るときに多くのCO2が出るので、セメントを減らすほど負荷は下がりますが、強さが足りなくなるおそれがあります。
研究者は、公開されている配合と強さのデータに、業界の環境負荷の計算ツールの値を合わせてAIに学習させました。AIは「28日目にこの強さ」という条件を受けて、CO2の少ない配合の案を出します。実験室で5つの案を試すと、どれも28日目の目標の強さを7日目で超えました。
オジンガは、いちばん使えそうな案を自社の試験室で試し、2つの理由で配合を変えました。セメントの代わりになる材料は場所と時期で手に入りにくいこと、現場が寒く固まるのが遅くなることです。フライアッシュは案の3分の1以下に減らしました。この配合を、2021年3月に工事事務所の床、約3700平方メートル(4万平方フィート)に、6月に守衛所の床、約42平方メートル(450平方フィート)に打ちました。現場の配合には、CO2を練り込む材料や、寒い日に固まりを早める薬剤も加えています。
| 📢 論文とオジンガが公表している結果 | ⚠️ こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 3月の床は、28日目の強さが約48〜52メガパスカル(6970〜7592 psi)。目標は約28メガパスカル(4000 psi) | 重要な建物に使ったときの結果 |
| 6月の床は、28日目の強さが約43メガパスカル(6260 psi)。流れやすさ・空気の量・縮みも合格。縮みは0.033%で、基準の0.032%未満をわずかに超えたが、15%以内の超過は認める扱いだった | 何年かたったあとの傷み方 |
| 寒い3月の床は、規格にはないが望ましい「5日目に28日目標の75%」に届かず、施工会社が気にした | 寒さに合わせてAIの案をどう直せばよいか |
| CO2は地域の基準より40%少ない(オジンガの発表) | 現場で使った配合そのもののCO2の計算の中身。CO2を練り込む材料の分を含むか |
📢=当事者が公表している説明(左の列)。⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点(右の列)。強さは試験体を割って測った値(論文)。CO2の数字はオジンガの発表。
強さは、打設の日に取った試験体を割って測った値です。研究の費用の一部はメタの寄付で、オジンガも協力した当事者です。現場の配合はAIの案から大きく変えてあります。
従業員100〜200人規模の園芸用の培養土のメーカーで、ピートを減らした配合を作る仕事に当てはまります。過去の配合と育ちの試験の記録でAIに案を出させ、地元で手に入る材料と季節に合わせて作り手が直します。試験の鉢で育ちを確かめてから、まず自社の売り場の一部で使います。
イリノイ大学などは、生成AIにCO2の少ないコンクリートの配合を作らせました。シカゴの生コン会社が地元の材料と寒さに合わせて直し、工事現場の床2か所に打つと、強さなどの規格を満たしました。寒い日は5日目の強さの出が遅く、使ったのは重要でない建物だけです。