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フランスの最高裁。判決文の名前を深層学習で見つけて毎週まとめて伏せ、人が確かめてから公開する

2026.10.15
フランスの最高裁。判決文の名前を深層学習で見つけて毎週まとめて伏せ、人が確かめてから公開する

フランスで民事・刑事の最高裁にあたる破毀院(Cour de cassation)は、判決文から人の名前などを深層学習で見つけて伏せる仕組みを、2020年のはじめに本番に入れました。法律で、判決は名前を伏せたうえで無料で公開することになっています。前のソフトでは手直しが追いつかず、年に18万件集まる判決のうち、公開できたのは1万5000件未満でした。2022年末には、過去の分も含めて約68万6000件の判決が公開されています。

何が起きたか

2018年から2019年まで使っていた伏せ字のソフトは、決めた規則で名前を探す方式でした。誤りが約5%あり、職員の手直しに時間がかかりました。規則を直すのにも手間と費用がかかりました。

破毀院は、国の外部人材の制度で専門家を受け入れ、自前で仕組みを作りました。まず、自分たちの判決約200万件で、言葉の使われ方を学ぶモデルを作りました。次に、職員が名前・生年月日・会社名などに印を付けた約18万3000文を例にして、文の中から伏せる語を見つける深層学習のモデルを学習させました。モデルの見落としは、8つの決まった規則で後から補います。たとえば、ある名前が1つの判決の中で2回より多く見つかったら、その名前はすべて伏せます。

判決は毎週まとめて自動で伏せられ、確認の画面に送られます。1〜2文字だけの名字のように迷いが残る箇所は、画面にメモとして出ます。2021年4月からは、ラベル(LABEL)という画面を使っています。事件の繊細さに応じて、人の確認の厚さを変えられます。

何が変わったか

📢 破毀院の数字 ⚠️ こちらで確認できていないこと
前の規則のソフトは誤り約5%。年18万件のうち公開は1万5000件未満。今のモデルは試験データで、名字を見つける点(F1)が約0.97、住所は約0.87(公開コードの説明) 本番の判決での見落としの割合。前のソフトの約5%と同じ物差しの数字
2022年末に約68万6000件を公開(破毀院約50万7000件、控訴院約17万9000件) 1947年以降の過去分約48万件を含む。法律で公開の範囲が広がった影響と、AIの効果は分けられない
毎週自動で伏せ、繊細さに応じて人が確認 人の確認にかかる時間が、前と比べてどれだけ減ったか

📢=当事者が公表している説明(左の列)。⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点(右の列)。数字は破毀院自身の年次報告と公開コードの説明。

外部の研究者が2021年前半に現場を調べた論文(学術誌RESET、2023年)があります。ただ、職員の分担や印付けの仕事を記録したもので、数字を測り直したものではありません。

誰に関係するか

職員100〜200人規模の社会福祉法人で、事故やヒヤリハットの報告書を外部の委員会に出す前に、利用者や職員の名前を伏せる仕事に当てはまります。過去に手で伏せた報告書を例にして名前や住所を自動で見つけ、迷いの残る箇所だけ人が見ます。虐待に関わる報告書のように繊細なものは、全部を人が見るように分けておきます。

まとめ

フランスの破毀院は、判決文の名前などを深層学習で見つけて伏せる仕組みを、2020年に本番に入れました。2022年末には、過去の分も含めて約68万6000件の判決を無料で公開しています。数字は破毀院自身のもので、本番での見落としの割合は公開されていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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