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韓国のウェロ、補助金の推薦をAIの生成型に替え、前後比較でクリック率41%から70%に

2026.10.19
韓国のウェロ、補助金の推薦をAIの生成型に替え、前後比較でクリック率41%から70%に

韓国のウェロ(Wello)は、国の補助金の案内を一か所に集めて紹介する会社です。2024年、補助金の文書と利用者のクリックの履歴から、次に関心がありそうな補助金の候補をAIが作って並べる推薦を、自社のサイトに入れました。2025年の人工知能の学会AAAIの論文によると、新旧の推薦を別の時期の利用者で比べたところ、クリック率は41.4%から69.6%になり、申請も36%増えました。数字はウェロ側の計測と試算です。

何が起きたか

韓国では、補助金の情報が複数のサイトに散らばり、申請の仕方も分かりにくい、という調査がありました。政府は宣伝に大きな費用をかけつつ、申請が足りずに使い切れない予算もある、と説明しています。ウェロは2020年から政府と協力し、補助金の文書を集めて案内してきました。2024年はじめ時点で、利用者は23万人超、文書は約24万件でした。

新しい推薦は、補助金の文書と利用者の情報を、意味の近いもの同士が同じ番号になるよう短い番号の列(意味ID)に置き換えます。そのうえで、利用者がこれまで開いた補助金の番号の並びから、次に開きそうな補助金の番号をAIのモデルに作らせ、候補として並べます。チャットで答える仕組みではなく、候補の補助金を並べる生成型の推薦です。技術チームは毎月、新しい文書と履歴で学習し直しています。

配備は2024年の第2四半期から始まり、第3四半期の終わりまでに全利用者へ開き、画面も合わせました。効果の見方として、第3四半期に旧来のキーワード推薦だけを使った利用者1000人と、第4四半期に新推薦だけを使った利用者1000人を比べています。同じ時期の並行試験ではありません。

何が変わったか

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
クリック率 41.4%→69.6%(2024年Q3→Q4、各1000人の前後比較) 同じ時期に新旧を並べた試験の結果。季節やキャンペーンの影響の切り分け
申請が36%増。未消化になり得た予算の見込み約780万ドル(未消化総額×増加率×市場シェアの式) 申請36%増の比べた期間と数え方。政府会計での実減額の第三者確認。市場シェア8%の仮定の妥当性
満足度調査が約19.8%向上。滞在時間420秒→480秒 調査票の文言と回収率。広告費約2740万ドルの見込みは式どおりの試算

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:Kim ほか、AAAI-25/AI Magazine 2025(ウェロと政府の論文)

弱いところも論文にあります。他のデータセットでの成績や、古典的な協調フィルタとの比べはまだです。数字はウェロ側の計測と試算が中心です。

誰に関係するか

職員100〜200人規模の市区町村で、子育て・住宅などの給付の相談窓口に当てはまります。住民の属性と、これまで開いた案内の履歴を意味のかたまりにし、次に出しやすい制度の候補を自動で並べます。

まとめ

韓国のウェロは、補助金の推薦を、文書と利用履歴から次の候補をAIが作る方式に替えました。前後の時期の利用者を比べると、クリック率は41.4%から69.6%になり、申請も36%増えたと論文は書いています。同じ時期の並行試験ではありません。数字は当事者の計測と試算で、第三者の再測はありません。

参考文献

  • Kim JW, Park JH, Kim YA, Lee SJ「Developing Generative Recommender Systems for Government Subsidy Programs with a New RQ-VAE Model: Wello & the Korean Government Case」Proceedings of the AAAI Conference on Artificial Intelligence 39(28)(2025)、https://doi.org/10.1609/aaai.v39i28.35140 、確認日 2026-10-16

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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