韓国のウェロ(Wello)は、国の補助金の案内を一か所に集めて紹介する会社です。2024年、補助金の文書と利用者のクリックの履歴から、次に関心がありそうな補助金の候補をAIが作って並べる推薦を、自社のサイトに入れました。2025年の人工知能の学会AAAIの論文によると、新旧の推薦を別の時期の利用者で比べたところ、クリック率は41.4%から69.6%になり、申請も36%増えました。数字はウェロ側の計測と試算です。
韓国では、補助金の情報が複数のサイトに散らばり、申請の仕方も分かりにくい、という調査がありました。政府は宣伝に大きな費用をかけつつ、申請が足りずに使い切れない予算もある、と説明しています。ウェロは2020年から政府と協力し、補助金の文書を集めて案内してきました。2024年はじめ時点で、利用者は23万人超、文書は約24万件でした。
新しい推薦は、補助金の文書と利用者の情報を、意味の近いもの同士が同じ番号になるよう短い番号の列(意味ID)に置き換えます。そのうえで、利用者がこれまで開いた補助金の番号の並びから、次に開きそうな補助金の番号をAIのモデルに作らせ、候補として並べます。チャットで答える仕組みではなく、候補の補助金を並べる生成型の推薦です。技術チームは毎月、新しい文書と履歴で学習し直しています。
配備は2024年の第2四半期から始まり、第3四半期の終わりまでに全利用者へ開き、画面も合わせました。効果の見方として、第3四半期に旧来のキーワード推薦だけを使った利用者1000人と、第4四半期に新推薦だけを使った利用者1000人を比べています。同じ時期の並行試験ではありません。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| クリック率 41.4%→69.6%(2024年Q3→Q4、各1000人の前後比較) | 同じ時期に新旧を並べた試験の結果。季節やキャンペーンの影響の切り分け |
| 申請が36%増。未消化になり得た予算の見込み約780万ドル(未消化総額×増加率×市場シェアの式) | 申請36%増の比べた期間と数え方。政府会計での実減額の第三者確認。市場シェア8%の仮定の妥当性 |
| 満足度調査が約19.8%向上。滞在時間420秒→480秒 | 調査票の文言と回収率。広告費約2740万ドルの見込みは式どおりの試算 |
凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:Kim ほか、AAAI-25/AI Magazine 2025(ウェロと政府の論文)
弱いところも論文にあります。他のデータセットでの成績や、古典的な協調フィルタとの比べはまだです。数字はウェロ側の計測と試算が中心です。
職員100〜200人規模の市区町村で、子育て・住宅などの給付の相談窓口に当てはまります。住民の属性と、これまで開いた案内の履歴を意味のかたまりにし、次に出しやすい制度の候補を自動で並べます。
韓国のウェロは、補助金の推薦を、文書と利用履歴から次の候補をAIが作る方式に替えました。前後の時期の利用者を比べると、クリック率は41.4%から69.6%になり、申請も36%増えたと論文は書いています。同じ時期の並行試験ではありません。数字は当事者の計測と試算で、第三者の再測はありません。